【心臓の疾患と薬理】βブロッカーとACE阻害薬の役割を徹底解説

私たちの生命活動に欠かせない臓器である心臓には「どのような疾患があるのか」「治療薬の薬理作用は何か」気になりますよね。心臓には心不全や不整脈などの多くの疾患があり、症状の緩和やQOLの改善のために循環器疾患治療薬を病態に合わせて選択します。

この記事では、βブロッカーとACE阻害薬の作用機序と役割に焦点を当て、それぞれの薬がどのように心臓の機能を改善し症状を軽減するのか具体的に紹介します。心臓の疾患と薬理の基礎知識も解説するので、心臓の疾患を勉強したいと思われた方はぜひ参考にしてください。

本記事は薬剤師の監修を受けた記事ですが、実際の疾患への対処法等は専門医の診療を受診ください。

目次

心臓疾患とは?

心臓疾患は、私たちの生命活動にとって不可欠な臓器である心臓に発生するさまざまな病気の総称です。代表的な心臓疾患には、心臓の正常な機能を妨げる下記の病気があります。

・虚血性心疾患

・心不全

・弁膜症

・不整脈

心臓疾患の治療方法には、手術や薬物療法、生活習慣の改善などがあり、薬物療法ではQOLや予後を改善するために、循環器疾患治療薬が選択されます。治療薬について具体的にみていきましょう。

治療薬は病態に応じて用いる

心臓疾患の治療薬は、各疾患にそれぞれ有効な治療薬が対応しているわけではなく、患者の病態に合わせて選択されます。

心臓疾患は進行や重症度により複数の循環器疾患を合併することが多いので、患者の症状や病態に応じて適切な薬理作用を持つ治療薬を使用することが重要です。

治療薬の種類と疾患

心臓疾患に使用される循環器疾患治療薬には多くの種類があり、作用機序で分類されています。治療薬には複数の適応があり、症状や病態に応じて使用することが必要です。

循環器治療薬の中で、心臓の負担を軽減する役割をもつβブロッカーやACE阻害薬がよく知られています。今回はβブロッカーとACE阻害薬について詳しく見ていきましょう。

βブロッカーの役割

βブロッカーの役割は、心臓や肺、膀胱に存在するβ受容体を遮断することで交感神経の働きを抑制することです。β受容体が遮断されると、心筋の収縮力や心拍数が低下し、気管支平滑筋や排尿筋は弛緩します。

β受容体のサブタイプのうち、心臓にはβ1が、気管支平滑筋にはβ2が発現しており、選択性の有無により気管支喘息に対する安全性が異なります。

心臓に対するβブロッカーの作用

βブロッカーは心臓や血管に存在する交感神経のβ受容体を遮断して、以下の作用を抑制することで薬理効果を発揮します。

・心拍出量

・レニンの合成分泌

・心筋収縮力

・心筋リモデリング

・刺激伝達系の興奮

βブロッカーは、β1受容体の遮断により高血圧や不整脈、狭心症、心不全などの循環器疾患に幅広く使用される薬剤です。心機能を抑制して心臓の負担を抑えるだけでなく、循環器系全体にも影響を与えます。

ACE阻害薬の役割

ACE阻害薬は、ACE(アンジオテンシン変換酵素)の働きを抑制する役割を持ち、主に高血圧や心不全、虚血性心疾患の治療に対して推奨される薬剤です。心臓や腎臓を保護する効果も期待されています。

ACEは血管収縮や心筋の肥大化に関わるアンジオテンシンⅡを産生する酵素です。ACE阻害薬により、アンジオテンシンⅡの産生が抑制されることで、血圧の低下や心臓の負担を軽減する効果を発揮します。

また、ACE阻害薬はキニナーゼⅡを阻害してブラジキニンの分解を抑制します。ブラジキニンは血管拡張作用があり血圧降下に寄与しますが、ブラジキニンの血中濃度が上昇すると副次的な副作用である血管浮腫や空咳を発現するかもしれません。

ACE阻害薬の作用機序

ACE阻害薬は、ACEの働きを阻害してアンジオテンシンⅡの産生を抑制することで、降圧作用や心臓への負担軽減をもたらします。アンギオテンシンⅡが減少すると発現する効果は以下の通りです。

・血管の拡張による降圧作用

・アルドステロンの分泌低下

・心筋リモデリング作用低下

アルドステロンの分泌が減少すると、Naと水の排泄が亢進し体液量が減少します。体液量の減少により血圧の低下や静脈還流量の低下が起こり、心不全治療薬としての作用を発揮します。

また、アンギオテンシンⅡにおける心臓の肥大化や腎臓の線維化の促進作用をACE阻害薬により抑制することで、心臓や腎臓を保護する効果が期待できるため、一部の薬剤では心不全や糖尿病性腎症などの治療に使用されます。

まとめ

本記事では、心臓疾患の概要やβブロッカーとACE阻害薬の役割などを紹介しました。心臓疾患の治療には、病態に応じた適切な薬物療法が必要であり、βブロッカーやACE阻害薬は心臓疾患の治療に使用される治療薬の1つです。

βブロッカーは心臓や血管に存在する交感神経のβ受容体を遮断して、心機能を抑制して心臓の負担を軽減します。一方、ACE阻害薬はACEの活性を阻害してアンジオテンシンⅡの血管収縮や心筋の肥大化作用を抑制します。

心臓疾患は私たちの健康に重大な影響を与えかねないため、健康を気にする方は循環器疾患治療薬に興味をもっているのではないでしょうか。心臓疾患の基礎知識やβブロッカーやACE阻害薬の作用機序を深く理解するために、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

参考書籍・サイト

・今日の治療指針

・薬がみえる!

https://knowledge.nurse-senka.jp/226982#%E5%BF%83%E4%B8%8D%E5%85%A8%E3%81%AB%E4%BD%BF%E3%81%86%E8%96%AC%E3%81%A8%E3%81%AF

http://kyoto-u-cardio.jp/shinryo/chiryo/00607/

https://yotsuba-heart.jp/department/circulatory_diseases/heart_disease.html

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