内臓脂肪とは、腹腔内の臓器のまわりに付く脂肪のことで、皮膚の下に蓄えられる皮下脂肪とは異なります (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It)。お腹の奥深く、“見えない場所”に蓄積するため、一見細身の人でも内臓脂肪が多い「隠れ肥満」が存在します。一方、皮下脂肪は皮膚直下にありつまめる脂肪で、お尻や太ももなど体表近くに付くのが特徴です (Comparing Visceral and Subcutaneous Fat: Pictures and Explanations | BodySpec) (Comparing Visceral and Subcutaneous Fat: Pictures and Explanations | BodySpec)。内臓脂肪が過剰に蓄積するとお腹がポッコリ前に突き出た体型(いわゆる「リンゴ型肥満」)になりやすく、逆に皮下脂肪型は下半身がどっしりした「洋ナシ型肥満」に多い傾向があります (気になるお腹周りを一刀両断!!CT画像でみる内臓脂肪と皮下脂肪!! – 医療法人社団倫生会 みどり病院 | 神戸市西区) 。内臓脂肪と皮下脂肪は見た目だけでなく健康への影響にも違いがあり、一般に内臓脂肪の方が生活習慣病リスクとの関連が強いとされています (Comparing Visceral and Subcutaneous Fat: Pictures and Explanations | BodySpec)。内臓脂肪はホルモンやサイトカインを数多く分泌し、過剰になるとインスリン抵抗性や炎症反応を引き起こしてメタボリックシンドローム(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)の主要因となるからです (Comparing Visceral and Subcutaneous Fat: Pictures and Explanations | BodySpec)。したがって、「健康診断で腹囲を指摘された」「内臓脂肪レベルが高いと言われた」という方は、皮下脂肪以上に積極的に減らす努力が重要です。
幸いなことに、内臓脂肪は皮下脂肪よりも落としやすいと言われます。 (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It)実際、「内臓脂肪は燃焼しやすく、運動や食事改善で数ヶ月で効果が出やすい」とする専門家の指摘もあります (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It)。内臓脂肪は代謝的に活発で出し入れが盛んなため、エネルギー不足の状態を作ると比較的早く動員されやすいのです。一方、皮下脂肪は体が非常時に備えて「最後の蓄え」として残そうとする傾向があり、特に女性では皮下脂肪が落ちにくいという違いがあります (気になるお腹周りを一刀両断!!CT画像でみる内臓脂肪と皮下脂肪!! – 医療法人社団倫生会 みどり病院 | 神戸市西区)。従って、「効率的に内臓脂肪だけ燃やしたい」場合、まずは内臓脂肪が優先的に使われるような生活習慣を実践することがポイントになります。具体的にはどのような方法が有効か、順を追って見ていきましょう。


内臓脂肪に効く運動:有酸素運動+高強度インターバル
結論から言えば、内臓脂肪減少には有酸素運動が最も効果的です。継続的な適度の有酸素運動は内臓脂肪を着実に減らすことが数多くの研究で示されています。週に150~300分程度の中等度の有酸素運動(早歩き、軽いジョギング、水泳、自転車こぎなど)を習慣化した場合、内臓脂肪が明確に減少したとの報告があります。特に肥満やメタボ傾向のある人では、運動による内臓脂肪低減効果が顕著です (Comparison of visceral fat lipolysis adaptation to high-intensity …)。一方で標準体重レベルの人では内臓脂肪は元々少ないため、運動による減少効果もそれほど大きくは現れない可能性があります (Comparison of visceral fat lipolysis adaptation to high-intensity …)。しかし「正常範囲内とはいえもう少しお腹周りをスッキリさせたい」という人にも、有酸素運動は皮下脂肪燃焼と心肺機能向上の点で有益です。
中等度有酸素運動に加えて、高強度インターバルトレーニング(HIIT)を取り入れるとさらに効率的です。HIITとは短時間の全力運動と小休憩を繰り返すトレーニングで、近年内臓脂肪減少に非常に有効な方法として注目されています。あるメタ分析では、HIITを数週間~数ヶ月継続すると総脂肪量・腹部脂肪量・内臓脂肪量のすべてで有意な減少がみられたと報告されました (Effect of High-Intensity Interval Training on Total, Abdominal and Visceral Fat Mass: A Meta-Analysis – PubMed)。特にランニングを用いたHIITはサイクリングより内臓脂肪減少効果が高かったという分析結果もあります (Effect of High-Intensity Interval Training on Total, Abdominal and Visceral Fat Mass: A Meta-Analysis – PubMed)。加えて、短時間でも心拍数90%以上になるような高強度運動は全身の脂肪(内臓脂肪を含む)の減少により効果的だったとのことです (Effect of High-Intensity Interval Training on Total, Abdominal and Visceral Fat Mass: A Meta-Analysis – PubMed)。つまり、時間がない人でもHIITのように**「息が上がる運動をスパッと行う」**ことで内臓脂肪を減らせる可能性が高いのです。
例えばHIITの実践例としては、30秒全力ダッシュ→30秒歩行を交互に8セット程度繰り返す、あるいはバーピージャンプなど全身運動を20秒行って10秒休む(タバタ式トレーニング)を8セット行う、といった方法があります。これらを週3回ほど行うことで内臓脂肪減少が期待できます (Effect of High-Intensity Interval Training on Total, Abdominal and Visceral Fat Mass: A Meta-Analysis – PubMed)。もちろん、高強度運動はケガや心肺への負荷リスクもあるため、各自の体力に応じ無理のない範囲から始めましょう。一方で、「強度の高い運動は難しい」という場合でもご安心ください。ゆるやかな有酸素運動でも十分に内臓脂肪は減らせます。前述のとおり適度な強度で長時間の有酸素運動を継続すれば内臓脂肪は着実に燃焼します (Effect of High-Intensity Interval Training on Total, Abdominal and Visceral Fat Mass: A Meta-Analysis – PubMed)。実際、脂肪燃焼ゾーン程度のウォーキングや軽いランニングを積み重ねることで、お腹周りがすっきりした例は多く報告されています。
さらに、筋力トレーニングも組み合わせると効果的です。筋トレ自体は直接大きな内臓脂肪減少をもたらすわけではありませんが、筋肉量が増えると基礎代謝が上がり内臓脂肪が蓄積しにくい体質になります (効果的に脂肪を燃焼させる方法|タニタマガジン | タニタ)。また筋トレで全身の血行が良くなることで脂肪酸の動員が促される利点もあります。特に加齢とともに筋肉が減少すると内臓脂肪がつきやすくなるため、中高年のダイエットでは筋トレは必須と言えるでしょう。腹筋運動そのものは部分痩せ効果が限定的ですが、腹筋や背筋など体幹トレーニングで姿勢が改善すると内臓脂肪によるお腹ポッコリを引き締める効果も期待できます。
まとめると、**内臓脂肪を減らすには「有酸素運動を軸にHIITと筋トレも取り入れる」**のが効率的です。まず日々の生活でできるだけ体を動かし、週数回の有酸素運動(30分以上)を習慣にしましょう。それに加えて余裕があればHIITを週1~2回、筋トレも週2回程度実施するとベストです ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。この運動プログラムにより、内臓脂肪は数週間~数ヶ月で確実に減少していくはずです (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It)。


食事管理:内臓脂肪を溜めない・減らすために
内臓脂肪対策には運動と並んで食事習慣の改善が欠かせません。そもそも内臓脂肪が増える最大の原因はエネルギーの過剰摂取です (食生活を見直す 中性脂肪・体脂肪対策 | 〖公式〗大正製薬ダイレクトオンラインショップ)。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余分なエネルギーは肝臓で中性脂肪に合成されて血中に送り出され、脂肪細胞に蓄えられて内臓脂肪・皮下脂肪になります (食生活を見直す 中性脂肪・体脂肪対策 | 〖公式〗大正製薬ダイレクトオンラインショップ)。特に内臓脂肪は食事内容の影響を受けやすく、高脂肪食・高糖質食・アルコール過多などが続くと真っ先に蓄積が進みます (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It) (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It)。したがって、内臓脂肪を減らしたいなら**「余分なエネルギーを入れない」つまり摂取カロリー制限**が第一歩です。具体的には、腹八分目を心がけて間食や夜食を控える、甘い飲み物やアルコールを減らすといった基本的な対策が内臓脂肪には即効性があります (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It)。アルコール、とりわけビールや甘いカクテル類は高カロリーなうえ肝臓で中性脂肪合成を促すため、内臓脂肪蓄積の一因となります。お酒は適量(ビール中瓶1本程度/日まで)にとどめ、可能なら休肝日を設けることが望ましいでしょう。
食事内容では、糖質と脂質の質と量に注意します。白米やパン、麺類などの精製された炭水化物を大量に摂ると内臓脂肪が増えやすいので、適量に抑えつつ玄米や全粒粉パンなど血糖値の上がりにくい複合炭水化物に置き換えると良いです (Taming high triglycerides – Harvard Health)。おかずも脂っこい揚げ物や脂身の多い肉ばかりではなく、魚や大豆製品、野菜中心のメニューに切り替えていきます ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。魚(特に青魚)に含まれるDHAやEPAは内臓脂肪を減らす作用が示唆されており ( Fish oil as a potential activator of brown and beige fat thermogenesis – PMC ) ( Fish oil as a potential activator of brown and beige fat thermogenesis – PMC )、週に2回以上の魚料理(1回80g程度)は内臓脂肪減少に有益です ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。反対に動物性の脂(飽和脂肪酸)の摂りすぎは内臓脂肪だけでなく肝臓脂肪の蓄積にも繋がるため控えめにします。
また食物繊維をしっかり摂ることもポイントです。野菜、海藻、キノコ、未精製の穀物などに多い食物繊維は、腸内で脂質や糖の吸収を緩やかにし、食後の中性脂肪上昇を抑える働きがあります。結果として内臓脂肪に回るエネルギーを減らす効果が期待できます。特に水溶性食物繊維(オートミール、豆類、果物など)はコレステロールや中性脂肪の排出を促すため積極的に摂りましょう。市販の難消化性デキストリン(食物繊維サプリ)をお茶に混ぜて飲むのも手軽な方法です。
そしてタンパク質を十分に摂ることも忘れずに。タンパク質が不足すると筋肉量が減って基礎代謝が低下し、結果として余剰エネルギーが脂肪(特に内臓脂肪)に回りやすくなります。脂肪の少ない肉や魚、卵、大豆製品を毎食手のひら大ほど取り入れ、筋肉の材料を確保しましょう。
総じて、内臓脂肪を減らす食事は**「高タンパク・高食物繊維・適度に良質脂質、低糖質・低アルコール」と言えます。難しい場合は、まず間食や飲酒の頻度を減らす**ことと、夕食の主食量をやや控えることから始めてみてください。小さな改善でも内臓脂肪は反応して減り始めます。

その他の生活習慣と最新知見
内臓脂肪を効率良く燃やすには、運動と食事に加えて睡眠やストレス管理も重要です。慢性的な睡眠不足は食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌を高め、満腹ホルモン(レプチン)を減少させるため、過食を招いて内臓脂肪を増やしやすくなります。また寝不足自体が体にストレスとなり、コルチゾールというホルモンが過剰に出ると内臓脂肪蓄積が促進されます (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It)。実際、仕事のストレスが多い人や睡眠時間が短い人ほど内臓脂肪面積が大きい傾向があるとの研究もあります。対策として、毎日できれば7時間前後の良質な睡眠を確保し、リラックスできる時間を意識的に持つようにしましょう。趣味の時間や軽い運動はストレス解消に役立ち、結果として内臓脂肪の減少を助けます。
また、遺伝的要因も内臓脂肪蓄積に影響します。たとえばアジア人は欧米人に比べてBMIが低くても内臓脂肪がつきやすい体質と言われ (Genetic and Environmental Factors Contributing to Visceral Adiposity in Asian Populations) (Genetic and Environmental Factors Contributing to Visceral Adiposity in Asian Populations)、「スキニー脂肪(痩せていても体脂肪率が高い)」の割合が高いことが報告されています。これは過去の飢餓と飽食の歴史の中で得た遺伝的適応が現代の高カロリー社会で裏目に出ている可能性が指摘されています (Genetic and Environmental Factors Contributing to Visceral Adiposity in Asian Populations)。遺伝は変えられませんが、自分が内臓脂肪型になりやすい家系かどうか知っておくことで危機感を持って対策に取り組めるでしょう。さらに、肥満関連遺伝子の解明も進んでおり、将来的には個人の遺伝情報に合わせたオーダーメイドの内臓脂肪対策が可能になるかもしれません。
最後に、「内臓脂肪だけ燃やす」ことに関してよくある疑問に触れておきます。部分痩せは可能か? 内臓脂肪は全身のエネルギー収支の中で減るので、「ここだけ痩せる」というのは基本的に難しいです。ただし前述のように内臓脂肪は他の脂肪より優先的に落ちる性質があるため、「結果的に内臓脂肪だけが先に減る」ことは十分あります (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It)。体重計や見た目で大きな変化がなくても、運動と食事を数週間続ければ内臓脂肪は真っ先に減っているはずです(CTやMRIの研究でも、体重減少の初期段階で内臓脂肪が顕著に減ると確認されています)。ウエストサイズが少しでも縮んできたら、それは内臓脂肪減少の兆しと考えて良いでしょう。
測定についても触れておきます。家庭用体組成計の中には内臓脂肪レベルを推定表示するものがあります。これもモチベーション維持に役立ちますが、正確性は医療機関の画像診断に劣るためあくまで目安です。定期的な健康診断で腹囲や体重の推移をチェックし、自分の内臓脂肪が増えていないか確認することも大切です。


内臓脂肪減少のための効率的な実践まとめ
- 適度な有酸素運動を習慣に:早歩きや軽いジョギングを毎日20~30分以上行う。 (Effect of High-Intensity Interval Training on Total, Abdominal and Visceral Fat Mass: A Meta-Analysis – PubMed)週に150分程度の有酸素運動で内臓脂肪は有意に減少します。
- 高強度運動を週に取り入れる:可能ならHIITや短時間のスプリント運動を週1~2回行い、内臓脂肪燃焼を加速させる (Effect of High-Intensity Interval Training on Total, Abdominal and Visceral Fat Mass: A Meta-Analysis – PubMed)。ただし無理は禁物。
- 筋トレで基礎代謝アップ:腹筋・スクワットなど全身の筋トレをして筋量を維持・増強し、脂肪が溜まりにくい体にする (効果的に脂肪を燃焼させる方法|タニタマガジン | タニタ)。
- 食事は腹八分目&高タンパク:食べ過ぎないのが鉄則 (食生活を見直す 中性脂肪・体脂肪対策 | 〖公式〗大正製薬ダイレクトオンラインショップ)。タンパク質・食物繊維をしっかり摂り、糖質・脂質・アルコールの摂取を控えめに(特に夜) ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology ) ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。
- 十分な睡眠と休養:睡眠不足や慢性ストレスは内臓脂肪の大敵 (Visceral Fat: What It is & How to Get Rid of It)。休息をしっかりとりホルモンバランスを整える。
- 継続こそ効果:内臓脂肪は比較的早く減り始めますが、それを継続していくことが肝心です。結果が出てきたらその習慣を維持し、減った内臓脂肪をリバウンドさせないようにしましょう。
「内臓脂肪だけ」を選択的に燃やすことはできなくても、上記のような総合的アプローチによって内臓脂肪を優先的に減らすことは可能です。運動と食事でエネルギー収支をマイナスにしつつ、生活習慣全般を見直せば、お腹の内臓脂肪はどんどん燃焼されていきます。お腹周りがすっきりすれば見た目が良くなるだけでなく健康リスクも大幅に低下しますので、できることから始めてみましょう。
運動の心得 – 脂肪を効率よく消費する
中性脂肪値を下げるもう一つの柱が運動です。運動によってエネルギー(カロリー)を消費することで、体は蓄積した脂肪を燃料として動員します。血液中の中性脂肪(直近の食事で吸収された脂肪)も、運動時に筋肉でエネルギー源として取り込まれて消費されます。つまり運動は**「血液中の余分な脂肪」と「体に蓄えられた脂肪」の両方を減らす**効果があるのです ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。
特に有酸素運動は中性脂肪低下に効果的です。ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスなど、少し息がはずむ程度の運動を毎日30分程度行う習慣をつけましょう ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。できれば1日あたり30分以上を週5日、合計150分以上/週の中等度強度の運動が推奨されます ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。この程度の運動量で血中中性脂肪が約20~30%低下する可能性があるといいます ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。ポイントは継続することです。「週末にまとめて2時間走る」より「毎日30分歩く」方が中性脂肪管理には有効です。
忙しい人でも、例えば「エレベーターではなく階段を使う」「通勤で一駅分歩く」「家事で体を動かす」など日常生活の中で体を動かす工夫をするだけでも違います。少しの運動でも全くしないより確実に効果があります ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。できる範囲で構いませんので、「息が弾む程度の運動」を日々積み重ねてみてください。
加えて、筋力トレーニングも取り入れると理想的です。筋トレは直接中性脂肪を大きく減らすわけではありませんが、筋肉量が増えると基礎代謝が向上し、太りにくく痩せやすい身体になります (効果的に脂肪を燃焼させる方法|タニタマガジン | タニタ)。中性脂肪値の高い方は内臓脂肪も多めである場合が多く、筋トレによって内臓脂肪燃焼が促進される効果も期待できます。腕立て伏せやスクワットなど自宅でできる自重トレーニングを週2回ほど行ってみましょう。筋肉がついてくると同じ運動でも消費エネルギーが増え、中性脂肪の減少に拍車がかかります。
さらに運動のタイミングとしては、食後少ししてから身体を動かすのがお勧めです。食後高くなった中性脂肪(食後高トリグリセリド血症)は動脈硬化のリスクですが、食後30分~1時間後に軽く散歩や体操をすると血中中性脂肪の上昇を抑えることができます。会社のお昼休みに少し歩く習慣や、夕食後に後片付けついでに体を動かすなど、こまめな運動で血脂肪を消費してしまいましょう。

サプリメント・薬 – 中性脂肪対策の助っ人
基本は食事と運動ですが、どうしても改善しない場合やさらに効果を高めたい場合、サプリメントや医薬品の力を借りる選択肢もあります。ただしまず強調したいのは、サプリや薬は**「生活習慣の土台あっての補助」**だということです ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。それを踏まえた上で、有用な成分をいくつか紹介します。
- 魚油(EPA/DHA)サプリメント: 最もエビデンスがあるのはこれです。EPAやDHAといったオメガ3脂肪酸は中性脂肪を低下させる作用があり、実際に純度の高いEPA製剤(イコサペント酸エチル)は高脂血症治療薬として用いられています (Taming high triglycerides – Harvard Health)。研究では、1日あたりEPA+DHAを2~4g摂取すると血中中性脂肪が20~30%低下するとの報告があります (Taming high triglycerides – Harvard Health)。市販の魚油サプリでもある程度効果が期待できますが、効き目を実感するには含有量の多い製品を選ぶ必要があります。魚をあまり食べない方や中性脂肪値が高めの方は、魚油サプリの活用を検討してもよいでしょう。なお、魚油には血液をサラサラにする作用もあるため、抗凝固薬を飲んでいる場合は医師に相談してください。
- 食物繊維系サプリ: 難消化性デキストリンやサイリウム(オオバコ)などの食物繊維サプリは、食事と一緒に摂ると脂肪や糖の吸収を抑えてくれます。中性脂肪値が高い人の中には食後高血糖・高脂血もある場合が多く、食物繊維を補うことでそれらを改善できます。ただし摂り過ぎるとお腹が張ったり他の栄養吸収に影響する可能性があるので用法用量は守りましょう。
- ナイアシン(ビタミンB3): ナイアシンは高脂血症治療に用いられてきた成分で、中性脂肪やコレステロールの合成を抑える作用があります。ただし高用量では**顔のほてり(ナイアシンフラッシュ)**など副作用が出やすいため、サプリでむやみに大量摂取するのは危険です。病院で処方される「ニコチン酸製剤」は医師管理下で用いられます。
- 漢方・ハーブ: 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)など肥満症向け漢方薬が中性脂肪や体重を減らす効果を示す場合があります。また、紅麹(レッドイースト)やEPA含有の機能性表示食品など、中性脂肪を下げる効果を謳ったサプリも複数市販されています。それらを利用する場合は、用法を守りつつ、効果が感じられなければ他に頼りすぎないことが肝心です。
- フィブラート系薬: これは医師が処方する中性脂肪低下薬です。フィブラートは肝臓での脂質代謝を調整し、中性脂肪を大きく下げてくれます。特に空腹時300~500 mg/dLを超えるような高トリグリセリド血症では、膵炎予防のために投与が検討されます ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。数値が高く自主的な取り組みだけでは難しい場合、専門医に相談してみましょう。最近では上記EPA製剤や、高度肥満にはGLP-1作動薬など新しい選択肢も出てきています。
生活習慣の改善を継続するコツ
中性脂肪を下げるための食事・運動・サプリのポイントを述べてきましたが、何より大切なのはそれを継続することです。最初はやる気があっても、数値がすぐに改善しないと挫折しがちです。そこで、継続のコツをいくつか:
- 目標を具体的に設定: 「3ヶ月で中性脂肪を150未満にする」「体重を5kg減らす」など具体的な数値目標を立てましょう。健康診断の日程をゴールに設定するのも有効です。目標が明確だと行動に張り合いが出ます。
- 記録をつける: 毎日の食事内容や運動量、体重などを記録しましょう。アプリや手帳に書くだけでもOKです。記録を振り返ることで達成感も得られ、「こんなに頑張ったのだから数値もきっと下がるはず」と自信に繋がります。
- 定期的に検査する: 家庭用のコレステロール測定器などで中性脂肪を測れるものもありますが難しければ2~3ヶ月おきに病院で血液検査を受けましょう。数値の変化はモチベーションになります。多くの場合、3ヶ月真剣に取り組めば中性脂肪はかなり改善するはずです ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。
- 一人で抱え込まない: 家族や友人に目標を宣言したり、一緒にダイエットに取り組んだりすると励みになります。栄養士やトレーナーに相談するのも良いでしょう。周囲の協力があると続けやすくなります。
最後に、「健康診断におびえないために」とありますが、まさに日頃の積み重ねが健診結果に現れるものです。中性脂肪に関して言えば、適度な食事と適度な運動というシンプルな習慣でほとんどコントロール可能です 。裏を返せば、高中性脂肪は生活習慣の乱れを示すサインとも言えます。今回述べた心得を実践すれば、「さよなら中性脂肪!」も夢ではありません。実際、体重を5~10%落とし食習慣を改善すれば、血中中性脂肪値は劇的に改善するケースが多いのです ( Healthy Diet, Physical Activity are First Line of Treatment for High Triglycerides | CardioSmart – American College of Cardiology )。
中性脂肪が正常範囲に収まれば、動脈硬化の進行抑制や膵炎リスク低減など健康メリットは計り知れません。健診結果に怯えることなく胸を張れるよう、できることから生活習慣を見直していきましょう。大切なのは継続とバランスです。無理のない範囲でコツコツと、そして楽しみながら取り組むことで、いつの間にか中性脂肪と上手に付き合える身体になっているはずです。今日からぜひ実践してみてください。あなたの健康診断が怖くなくなる日も、きっと近いでしょう。健康な未来に向けて、さよなら中性脂肪!