マキャベリズムとは?私たちが理解すべき人間の性質に迫る

目次

序論

「マキャベリスト」あるいは「マキャベリズム」という言葉を、政治やビジネス、時には個人的な人間関係の文脈で耳にすることがあるでしょう。多くの場合、それは狡猾さ、巧みな操作、そして目的のためには手段を選ばない非道徳的な態度を暗示しています 1。この言葉が持つ挑発的な響きは、権力や人間関係における不都合な真実、そして私たち自身の性質についての問いを突きつけます。

マキャベリズムの起源は、16世紀フィレンツェの思想家ニッコロ・マキャベリに遡ります 3。しかし、その概念は時代を経て進化し、現代心理学においては認識されたパーソナリティ特性としても研究されています 1。このように、マキャベリズムは政治哲学と心理学の領域を繋ぐ、人間理解のための重要なレンズとなり得るのです。

本稿では、主として国外の研究文献に基づき [ユーザーリクエスト要件]、マキャベリズムという概念を深く掘り下げます。その歴史的ルーツ、現代心理学における理解、そして具体的な行動様式を探求します。最終的には、マキャベリズムが、私たちが理解すべき複雑で、時に困難な人間の性質の側面をどのように照らし出すのかを考察します。

I. 君主の影:マキャベリと政治的リアリズムの誕生

A. ニッコロ・マキャベリ:その人物と激動の時代

ニッコロ・マキャベリ(1469-1527)は、イタリア・ルネサンス期、政治的な分裂と絶え間ない紛争に揺れるフィレンツェ共和国に生きた外交官であり、政治哲学者でした 4。彼はフィレンツェ共和国の第二書記官として14年間にわたり公務に携わり、イタリア各地やフランス、神聖ローマ帝国への外交使節団に参加するなど、実践的な政治経験を積みました 6。しかし、1512年、メディチ家がスペインと教皇庁の軍事力を背景に共和国を打倒すると、マキャベリは公職を追われ、一時的に投獄され拷問を受けるという苦難を経験します 6。この失脚と家族の農場への隠遁生活が、彼に思索の時間を与え、その後の著作活動へと繋がりました。彼自身は自らを哲学者とは考えておらず、しばしば純粋な哲学的探求を現実離れしたものとして退けていたようです 6。彼の著作は体系性に欠け、時に矛盾を含み、厳密な論理分析よりも歴史的な事例や経験に訴える傾向があります 6

マキャベリの「リアリズム」は、単なる知的な思弁から生まれたのではなく、彼自身の政治キャリアにおける成功と挫折、そして彼が生きた時代の不安定な政治情勢という厳しい現実から形作られたものでした。彼の失脚と隠遁は、権力の維持と「現実のありのままの姿(有効な真実)」10 に焦点を当てる、実践的で時に冷徹な観察眼を研ぎ澄ませる背景となったのです 6。彼が見た理想主義的な理論の非力さ 6 が、彼を権力闘争の現実 7 へと向かわせたと言えるでしょう。

B. 『君主論』:革命的な統治者のための手引書

マキャベリの最も有名であり、同時に最も悪名高い著作が『君主論』(1513年頃執筆、1532年出版)です 6。この書は、君主(具体的にはロレンツォ・デ・メディチ)に対し、いかにして権力を獲得し維持するかという実践的な助言を与えることを目的としていました 6。それは、道徳的な美徳を強調する従来の「君主の鑑」といった文献とは一線を画すものでした 6

『君主論』の核心は、「有効な真実」(verità effettuale)を探求する点にあります。すなわち、政治を理想的な「あるべき姿」ではなく、現実の「ありのままの姿」で捉えようとしたのです 3。マキャベリは、プラトンなどの理想国家論とは明確に対立する立場を取りました 6。本書は、君主国の種類、新しい国家の獲得と維持の方法、軍事力の重要性、民衆への対処法など、多岐にわたる実践的な助言を提供しています 13

C. 伝統との決別:道徳 対 政治的必要性

マキャベリの思想の最も革命的な側面は、政治を従来の道徳や宗教から切り離した点にあります 1。彼は、君主たるもの「善人でない術を学び」、必要に応じてそれを用いるべきだと主張しました 6

しばしばマキャベリと結びつけられる「目的は手段を正当化する」という考え方は、彼が直接用いた言葉ではありませんが 7、その核心には、国家の安定と存続という目的のためならば、非道徳的とされる行為(残酷さや欺瞞を含む)も許容されるという思想があります 1。彼にとって、権威は道徳的な正しさではなく、権力そのものから生じるものでした 6

この文脈で、「ダーティ・ハンズ(汚れた手)」という政治における概念もマキャベリに遡ることができます。これは、政治指導者が、より大きな善や国家の存続のために、時には意図的に非道徳的な行為(罪のない人々を殺すことさえも)を避けられない状況に直面するという考え方です 16

D. ヴィルトゥ 対 フォルトゥナ:運命の潮流に抗う人間の力

マキャベリ思想の中心概念として、「ヴィルトゥ」(Virtù)と「フォルトゥナ」(Fortuna)があります。

「ヴィルトゥ」とは、伝統的な道徳的美徳とは異なります。それは、君主が国家を維持し、偉業を成し遂げるために必要とされる能力、すなわち技術、力量、決断力、戦略的洞察力、そして状況に応じた適応力などを包括する概念です 2。ヴィルトゥを持つ君主は、「柔軟な気質」を持ち、状況に応じて善と悪の間を巧みに行き来できなければなりません 6。マキャベリはチェーザレ・ボルジアのような人物をヴィルトゥの模範として挙げています 10

一方、「フォルトゥナ」は運命、偶然、あるいは予測不可能でしばしば悪意に満ちた力として描かれ、政治秩序や国家の安全を脅かす存在です 3。マキャベリはフォルトゥナを、荒れ狂う川に喩え、その破壊力は計り知れないものの、事前の準備と洞察力、すなわちヴィルトゥと知恵によって制御可能であると説きました。また、フォルトゥナを女性に擬人化し、支配するためには衝動的に、時には暴力的にさえ扱う必要があるとも述べています 6

この二つの概念の関係性は、フォルトゥナがもたらす混沌とした状況の中で、ヴィルトゥ、すなわち人間の能力と意志によって秩序を確立し、目標を達成しようとするダイナミズムを示しています 6

マキャベリの思想におけるヴィルトゥの概念は、指導者評価の基準を従来の「道徳性」から「有効性」へと根本的に転換させるものでした。それは、危険な世界で成功するために必要なスキル(冷酷さを含む)を持つことが重要であり、単に「善人」であることではない、という考え方です 3。彼が「善人でない術を学ぶ」よう助言し 15、チェーザレ・ボルジアのような人物を例に挙げたこと 10 は、この点を明確に示しています。重点は道徳規範の遵守ではなく、結果(国家の維持)を出すことにあるのです 8

さらに、マキャベリの著作は単なる政治指南書に留まらず、正当な統治と道徳的な善を結びつけてきた西洋哲学の伝統全体に対する深刻な挑戦でした 6。彼は事実上、権力それ自体が正当性を生み出すと主張したのです。権力獲得と維持を最優先目標とし 6、法は強制力によって支えられるという彼の見解 6 は、それまでの政治に関する倫理的枠組みからの根本的な断絶を意味しました。

II. 暗い鏡:マキャベリの人間性への眼差し

A. 「有効な真実」:人間をありのままに見る

マキャベリは、理想ではなく現実、すなわち「有効な真実」に目を向けることを一貫して主張しました 10。彼の人間性に対する評価は、概して悲観的でした。人間は恩知らずで、移り気で、嘘つきで、臆病で、欲深い存在であると見なしたのです 10

この人間観は、彼の政治的助言の根底にあります。君主は臣民や同盟者の善意や生来の美徳に頼ることはできない 10。自己の利益が絡めば、約束など簡単に破られる 10。このシニカルな人間理解こそが、マキャベリの現実主義的な、時に冷酷とも言える政治戦略全体を支える土台となっています。もし人間が生来信頼でき善良な存在であれば、彼の助言は不要であり、むしろ逆効果だったでしょう 23。この否定的な人間学 20 が、彼の政治的必要性に関する結論を導く前提となっているのです。

B. 恐れ 対 愛:現実主義者の統制手段の選択

マキャベリの最も有名な議論の一つが、君主にとって敬愛されることと恐れられることの比較です。両方を兼ね備えるのが理想的だが、どちらかを選ばねばならないなら、「愛されるより恐れられる方がはるかに安全である」と彼は断言します 6

その理由は、彼の人間観に基づいています。愛は義務の絆によって保たれるが、人間は「惨めな生き物」であるため、自己の利益が関わるとその絆は簡単に断ち切られてしまう。一方、恐れは処罰への恐怖によって維持され、それは恒常的で信頼できる感情である 10

これは、強制力に関する彼の見解とも繋がっています。臣民の服従と国家の安全を確保するためには、愛情よりも恐怖の方が効果的な手段なのです 6。この「恐れ対愛」の二分法は、社会統制のメカニズムに関する深い洞察を示唆しています。愛は内的な義務感や善意(信頼できず、フォルトゥナのように不安定)に依存するのに対し、恐れは外的な結果(制御可能で、ヴィルトゥによって管理できる)に依存します。マキャベリが恐れを優先したのは、内的な感情よりも外的な強制力の方が、「惨めな生き物」10 を管理する上で信頼性が高いという信念を反映しています。

C. 示唆:倫理と有効性の間の絶え間ない緊張

マキャベリの視点は、人間社会、特に統治において根本的な緊張関係を浮き彫りにします。それは、道徳的に行動することと、望ましい結果(安定や成功など)を達成するために効果的に行動することとの間の潜在的な対立です 16

彼の著作は、人間性の本質とされるものを前提とした場合、政治的な生存や成功のためには、時に非倫理的な行動が必要になる可能性を私たちに突きつけます 15

彼の真意については、今日でも議論が続いています。彼は本気で君主に助言していたのか、彼らを風刺していたのか、それとも単に権力の厳しい現実を描写していただけなのか 3。意図がどうであれ、彼の著作はこの倫理的ジレンマを鮮明に提示しているのです 17

さらに、マキャベリの分析は、実際の美徳よりも美徳の「外観」の方が政治的に効果的である可能性を示唆しています。これは、社会的認知と権力の遂行的な側面に対する洗練された理解を物語っています。君主は必要に応じて非道徳的に行動しながらも、外面上は有徳であるように見せるべきだ、と彼は助言します 12。慈悲、誠実、高潔さといった資質を持っているかのように見せかけながら、実際にはそれらに反する行動を取る準備をしておくべきなのです 12。これは、権力維持のためには公衆の認識が極めて重要であり、外観の巧みな操作(「権力の記号論」10)がヴィルトゥの重要な要素であるという理解を示唆しています。

III. マキャベリアン・パーソナリティ:哲学から心理学へ

A. 特性の定義:現代心理学における構成概念

マキャベリの政治哲学から、心理学で研究されるパーソナリティ特性としての「マキャベリアニズム」へと視点を移しましょう 1。この構成概念は、20世紀半ば、クリスティとガイスの研究によって登場しました 5

心理学におけるマキャベリアニズムは、操作性、感情的冷淡さ、シニシズム(冷笑主義)、戦略的計算高さ、そして自己利益への強い焦点を特徴とするパーソナリティ特性と定義されます。しばしば権力、地位、物質的利益が優先されます 1

この特性を測定するための標準的なツールとして「Mach-IV尺度」5 がありますが、その心理測定的な限界(信頼性の問題や因子構造の曖昧さなど)も指摘されており 29、「MPS (Machiavellian Personality Scale)」29 や、「Dirty Dozen」「SD3 (Short Dark Triad)」といったより新しい、あるいは簡便な尺度も開発されています 34

B. 主要な特徴

心理学的なマキャベリアニズムを構成する主要な特徴は以下の通りです。

  • 戦略的操作と欺瞞: 個人的な目標達成のために、他人を搾取し、操作し、欺くことを厭わない傾向 1。しばしば慎重な計画と長期的な戦略を伴います 5
  • シニシズムと不信感: 人間性に対する否定的・冷笑的な見方。他者もまた自己中心的で操作的であるという信念。全般的な不信感 25
  • 感情的離脱・冷淡さ: 対人関係における感情の欠如。感情的な冷たさ。計算された意思決定のために感情から距離を置く能力 1。自己の感情を認識する能力(アレキシサイミア)の欠如を伴う場合もあります 26
  • 自己利益と目標志向: 個人的な利益、権力、地位、金銭、達成を優先する 1。行動はしばしば報酬主導的で実利的です 42
  • 慣習的道徳の欠如: 個人的目標と対立する場合、倫理原則を無視する傾向 1

マキャベリ自身の政治思想に根差しながらも、心理学的な特性としてのマキャベリアニズムは、彼が主として論じた国家統治や政治権力だけでなく、より広く「対人関係における」「個人的な」利益のための操作に焦点を当てています 1。政治的野心もその現れの一つであり得ますが 28、この特性は職場や恋愛関係など、人生の様々な領域に適用されます 26

注目すべきは、心理学的マキャベリアニズムの核となる特徴(シニシズム、操作性、自己利益)が、『君主論』に見られる人間性に関する仮定や推奨される戦略と直接的に呼応している点です。これは、マキャベリが数世紀前に観察し分析した人間社会における戦略が、持続的なパターンとして存在することを示唆しています。例えば、マキャベリが人間を欺瞞的で自己利益を追求する存在と見なしたこと 10 は、心理学的特性としてのシニカルな世界観 25 と一致します。また、彼が欺瞞や恐怖を用いることを助言したこと 6 は、心理学的特性における操作と搾取の重視 1 と並行しています。

C. ダークトライアド:マキャベリアニズムの位置づけ

マキャベリアニズムは、しばしば「ダークトライアド(Dark Triad)」と呼ばれるパーソナリティ特性群の一つとして議論されます。これは、マキャベリアニズム、ナルシシズム(自己愛)、サイコパシー(精神病質)という、互いに区別されつつも重なり合う、社会的に好ましくないとされる3つの特性を指します 1。これらの特性は、冷淡さや操作性といった共通の核を持っています 35

  • ナルシシズム: 誇大感、特権意識、賞賛への欲求などを特徴とします 27
  • サイコパシー: 衝動性、スリル希求、共感・良心の呵責の欠如、反社会的行動、大胆さ・卑劣さ・脱抑制性などを特徴とします 27

これらの特性はしばしば混同されるため、以下の表でその違いを明確にします。この比較は、特にマキャベリアニズムの独自性を理解する上で重要です。

表1:ダークトライアドの比較

特徴マキャベリアニズムナルシシズムサイコパシー
中核的動機権力、地位、自己利益、支配賞賛、特権意識、優越感刺激、支配、自己満足
主要戦略戦略的操作、欺瞞自己高揚、搾取衝動的搾取、威嚇
世界観シニカル、不信誇大的、特別敵対的、捕食的
感情性冷淡、離脱的、抑制的変動的(誇大感/脆弱性)表面的情動、良心の呵責/共感の欠如
衝動性低い(戦略的、計画的)変動あり高い(自己制御困難)
対人関係搾取的、計算的搾取的、注目希求的冷淡、反社会的、寄生的
時間的志向性長期的計画現在志向(賞賛)即時的満足
主な情報源12727

ダークトライアド内での比較は、マキャベリアニズムが特に「戦略的・長期的計画性」と「感情のコントロール」によって特徴づけられることを明らかにします。これは、サイコパシーに見られる衝動性 5 や、ナルシシズムの注目希求 28 とは対照的です。戦略的思考 38、計算高さ 43、そして感情からの離脱やコントロール 26 が、マキャベリアニズム特有のアプローチを形成しているのです。

IV. 操作者の脚本:戦術、戦略、そして社会的力学

A. 操作の心理学:他者を理解し、影響を与える

マキャベリアンはしばしば、他者の精神状態を理解する能力である「認知的共感」は高いものの、他者の感情を共有する「情動的共感」は低いという特徴を持ちます 1。この組み合わせにより、彼らは感情的な懸念に妨げられることなく、他者の行動を予測し、影響を与えることが可能になります 1

一般的な操作戦術には、お世辞、欺瞞、強制、感情への訴えかけ、弱点の利用、印象操作、誠実さの偽装などが含まれます 38。彼らは最初、「ソフト」な戦術(魅力など)を用い、必要に応じて「ハード」な戦術(強制など)に移行することがあります 45。彼らのアプローチは実利的であり、利益がリスクを上回り、発覚の可能性が低いと判断した場合に操作を行います 42。この認知的共感と情動的共感の乖離は、マキャベリアンによる操作を理解する鍵となります。彼らは、相手の「ボタン」をどのように押せばよいかを理解できる一方で、そうすることに対する罪悪感を感じにくいため、効果的でありながら冷酷な操作者となり得るのです 1

B. マキャベリアニズムの実践:人間関係、職場、そしてそれ以上

  • 対人関係: マキャベリアン的な特性は、個人的な関係にも影響を及ぼします。マキャベリアニズム傾向の高い人は、恋愛において欺瞞的な戦術を用いる可能性があり 47、親密さやコミットメントに問題を抱えやすく 47、パートナーに対して不信感を抱き 40、関係の質が低い傾向にあります 25。彼らのシニシズムと搾取的な傾向は、信頼関係を蝕みます 41
  • 職場での力学: 組織における影響も顕著です。マキャベリアン的な個人は、窃盗、妨害工作、噂の流布、同僚の足を引っ張る行為、知識の隠蔽といった、非生産的職務行動(CWB)に従事する可能性があります 41。彼らはルールが曖昧な環境ではうまく立ち回るかもしれませんが、規則が厳格な環境では業績が振るわないことがあります 45
  • リーダーシップ: マキャベリアン的なリーダーは、有害な職場環境を生み出し、従業員のストレスや燃え尽き症候群を増加させ、職務満足度や信頼を低下させ、虐待的な監督を行う可能性があります 54。しかし、一部の研究では、特に競争の激しい分野において、彼らが一時的に有能なリーダーと見なされたり、短期的な成功を収めたりする可能性も示唆されています 43。政治的手腕が高い場合、その悪影響が増幅される可能性もあります 46

マキャベリアン的な行動は、その文脈に大きく依存します。彼らの成功や戦術は、短期的か長期的か、構造化されているか否か、個人的か職業的かといった状況によって大きく異なります。例えば、短期的な関係 47 や競争的で曖昧な環境 45 では効果的かもしれませんが、信頼が重要視され、評判が影響する長期的な状況 45 や、規則に基づいた組織 45 では効果が薄れる可能性があります。これは、マキャベリアニズムが普遍的に成功する戦略ではなく、機会主義的な戦略であることを示唆しています。

C. 進化的な視点?:マキャベリアン・インテリジェンス仮説

進化心理学や霊長類学の分野には、「マキャベリアン・インテリジェンス仮説」(あるいは「社会脳仮説」)と呼ばれる考え方があります 59

その中心的な考えは、霊長類や人間のような複雑な社会環境が、社会的力学を巧みに操り、競争し、同盟を結び、他者を操作して繁殖上の優位性を得るための認知能力の向上に対する淘汰圧を生み出した、というものです 59。つまり、知性の一部は社会的な狡猾さのために進化したというのです 62

この仮説は、マキャベリアン「パーソナリティ特性」とは区別されるべきですが、戦略的な社会的 操作というテーマで関連しています 60。この仮説は、そのような知性の「能力」が進化的適応である可能性を示唆しています 61。ただし、文化学習仮説と比較した場合のその説明力については、疑問視する研究もあります 64。この仮説は、パーソナリティ特性としてのマキャベリアニズムが体現する戦略的な社会的 操作能力が、複雑な社会集団を生き抜くための深い進化的圧力に根ざしている可能性を示唆し、これらの「ダーク」な特性が(進化的な意味で)適応的な側面を持つ可能性を提起しています。

V. 権力の代償:結果と批判

A. マキャベリアン戦略の魅力と限界

マキャベリアン的な戦略が持つ有効性は否定できません。彼らは短期的な利益を得たり、特定の状況で勝利したり、他者を説得したり、組織内で昇進したりすることに長けている場合があります 25。彼らの集中力、計算高さ、そして時に冷酷に行動する意欲は、競争的な環境において有利に働くことがあります 43

しかし、その戦略には限界と潜在的なリスクも伴います。欺瞞への依存は、長期的な信頼を蝕みます 52。操作は見破られる可能性があり、不信、報復、そして評判の失墜につながる可能性があります 45。成功を持続させるためには、しばしば新たな「犠牲者」を探し続ける必要があります 52。構造化された環境や長期的な協力関係が求められる場面では、その有効性は低下する傾向にあります 45

このように、マキャベリアン戦略の有効性は逆説的です。短期的な個人的目標(権力、資源など)の達成には成功する可能性がある一方で、長期的な協力関係、信頼、そして集団全体の幸福にとっては有害となることが多いのです。これは、即時の個人的利益と持続可能な社会的統合との間のトレードオフを示唆しています 25

B. 人間的なコスト:関係性、信頼、幸福への影響

マキャベリアニズムは、周囲の人々に多大なコストを強いる可能性があります。人間関係の毀損、感情的な疲弊、ストレス、燃え尽き症候群、シニシズムの蔓延、職務満足度や組織へのコミットメントの低下、そして有害な職場環境の醸成などが報告されています 25

さらに、マキャベリアン的な個人自身にも、負の結果が及ぶ可能性があります。外面的な成功とは裏腹に、彼らはパラノイア(偏執病)、抑うつ、低い自尊心といった問題を経験し、最終的には幸福度が低下する可能性があります 25。彼らの不信に満ちた世界観は、孤立を招くこともあります 40。これは、純粋に自己利益的で操作的な生き方が、潜在的な外部の成功にもかかわらず、心理的にコストがかかる可能性があることを示唆しており、マキャベリアニズムが当人にとっても純粋に有利であるという考え方に疑問を投げかけます。

C. 絶え間ない倫理的議論:現実主義、シニシズム、それとも不道徳?

マキャベリ自身、そしてマキャベリアニズムという概念は、根源的な倫理的問いを提起し続けています。それは単に人間性や政治的必要性に関する現実主義的な受容なのでしょうか? 2 それとも、非道徳性、あるいは不道徳性の是認なのでしょうか? 1

歴史的に、マキャベリは「悪の教師」として非難されてきました 2。一方で、彼を風刺家、圧政に対する警告者、あるいは道徳的判断を抜きにして現実を描写した政治科学者と見なす反論も存在します 3。彼の哲学は複雑であり、単に悪しき手段を正当化するものではないという主張もあります 11

現代の心理学的特性についても同様の議論があります。「ダークトライアド」として否定的に捉えられることが多い一方で、戦略的思考や目標志向といった要素は、文脈によっては中立的、あるいは肯定的に評価される可能性もあります 43。しかし、その核となる操作的・搾取的な側面は、依然として倫理的に問題視されています。

マキャベリ自身の道徳性を巡るこの永続的な議論(悪 対 現実主義者 対 風刺家)は、今日のマキャベリアン的な「行動」を判断する際の複雑さを反映しています。それは、特に政治やビジネスのようなハイステークスな環境において、実利的な有効性が従来の倫理観に優先することがあるのか、あるいは優先すべきなのか、という難しい問いを私たちに突きつけます。マキャベリアニズムは、哲学としても特性としても、この根深いジレンマを体現しているのです。

結論:マキャベリズムが私たち自身について教えること

マキャベリズムとは、歴史的には現実主義と有効性を強調する政治哲学であり、現代においては戦略的操作と自己利益を特徴とする心理学的特性を指す、多面的な概念です。それは、しばしば「ダーク」と形容されるものの、人間社会における持続的な戦略の一側面を反映しています。

マキャベリズムを研究することは、その否定的な含意にもかかわらず、人間性に関する貴重な洞察を与えてくれます。それは、私たちの戦略的思考能力、自己利益や地位への強い欲求、社会的 操作の複雑さ、個人の利益と集団の調和との間の緊張、そして倫理的理想と現実的対応との間の永遠の闘争を明らかにします 10

最終的に、マキャベリアン的な傾向を理解すること――歴史の中に、他者の中に、そして潜在的には私たち自身の中に――は極めて重要です。それによって、私たちは操作的な戦術を認識し 45、その悪影響を軽減し、社会的な相互作用や制度の中で、目標追求と倫理的価値観の維持とのバランスについて、より意識的な省察を行うことができるようになるでしょう 25。これはマキャベリズムを是認することではなく、人間条件の一側面を理解することで、より効果的かつ倫理的に世界を航行するための知恵を得ることに繋がるのです。

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  66. Machiavelli’s paradox turns on the point that he advocated evil and accurately diagnosed human moral psychology. A good person can follow his advice if they distinguish between high and low trust environments. : r/philosophy – Reddit, 5月 5, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/philosophy/comments/lyai32/machiavellis_paradox_turns_on_the_point_that_he/
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  68. What are examples of Machiavellian political philosophers? : r/askphilosophy – Reddit, 5月 5, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/askphilosophy/comments/1keew8l/what_are_examples_of_machiavellian_political/
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