はじめに (Introduction)
DuckDuckGoとは何か? 近年注目を集める理由 (What is DuckDuckGo? Why is it gaining attention recently?)
DuckDuckGo(ダックダックゴー)は、ユーザーのプライバシー保護を最優先事項として設計されたインターネット検索エンジンです 1。GoogleやYahoo!、Bingといった広く利用されている検索エンジンが、検索履歴や個人情報、IPアドレスなどを収集・利用して検索結果のパーソナライズやターゲティング広告を行うのに対し、DuckDuckGoは「ユーザーを追跡しない (Don’t track you)」ことを基本的な理念として掲げています 3。具体的には、ユーザーの検索履歴やIPアドレスといった個人を特定しうる情報を意図的に保存せず、Cookieの使用も最小限に抑えることで、匿名性の高い検索体験を提供することを目指しています 1。
近年、大手テクノロジー企業による個人データの収集や利活用、オンラインでの行動追跡に対する社会的な懸念が高まる中で、プライバシー保護を重視するDuckDuckGoへの関心が急速に高まっています 1。特に、自分の検索行動が広告表示や検索結果の偏り(フィルターバブル)に繋がることへの抵抗感が、DuckDuckGoのような代替サービスへの需要を後押ししていると考えられます。このプライバシーへの関心の高まりは、単なる技術的な選択肢を超え、個人の情報管理やデジタル社会のあり方に対する意識の変化を反映していると言えるでしょう。DuckDuckGoの成長は、支配的なテック企業のデータ収集慣行に対する不信感と、よりプライベートなオンライン体験を求めるユーザーの声の表れなのです 9。
さらに、DuckDuckGoは単なる検索エンジンに留まらず、プライバシー保護を包括的に提供する企業としての側面も強めています。iOS、Android、Mac、Windows向けに提供されている専用のプライバシーブラウザや、既存のブラウザ(Chrome, Firefoxなど)に追加できる拡張機能を通じて、検索時だけでなくウェブサイト閲覧時におけるトラッカーのブロック、暗号化の強化といった機能を提供しています 2。これは、DuckDuckGoが検索という単一の接点だけでなく、ユーザーのオンライン活動全般にわたるプライバシー保護を目指す、より広範な「プライバシーソリューションプロバイダー」としての戦略を示唆しています 10。
本レポートの目的と構成 (Purpose and structure of this report)
本レポートでは、このように近年注目を集める検索エンジンDuckDuckGoについて、その誕生の背景から、核となるプライバシー保護の理念、それを支える技術や機能、そして「追跡しない」ビジネスモデル、さらには市場における評価や課題に至るまで、国内外の公開情報を基に包括的に分析・解説します。プライバシー意識の高いユーザーだけでなく、デジタル市場の動向に関心を持つ方々にとっても、DuckDuckGoの理解を深める一助となることを目指します。
レポートは以下の構成で進めます。
- DuckDuckGoの誕生と開発元: 創設者と設立の経緯、運営会社について解説します。
- DuckDuckGoの核となる理念:プライバシーの保護: 「追跡しない」方針とその具体的な仕組み、フィルターバブルからの解放について詳述します。
- DuckDuckGoの主な機能と特徴: プライベート検索、プライバシー保護機能群、独自機能「!Bangs」、AI活用機能などを紹介します。
- DuckDuckGoのビジネスモデル: 追跡せずに収益を上げる仕組み、特にコンテキスト広告と有料プランについて解説します。
- DuckDuckGoに関する議論と評価: Google等との比較、検索品質、過去の課題、日本での状況などを分析します。
- まとめと今後の展望: DuckDuckGoの強み・弱み・独自性を総括し、今後の展望とユーザーへの推奨事項を提示します。



DuckDuckGoの誕生と開発元 (Birth and Developer of DuckDuckGo)
創設者ガブリエル・ワインバーグ氏と設立の経緯 (Founder Gabriel Weinberg and the founding story)
DuckDuckGoは、アメリカの起業家であり、オンラインプライバシーの強力な提唱者でもあるガブリエル・ワインバーグ(Gabriel Weinberg)氏によって、2008年2月29日に設立されました 2。ワインバーグ氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)で物理学と技術・政策の学位を取得後、いくつかのビジネスを立ち上げ、その一つであるNamesDatabase.comを2006年に約1000万ドルで売却しています 16。
DuckDuckGo設立の直接的な動機は、ワインバーグ氏自身が既存の検索エンジン、特にGoogleが採用していたプライバシーポリシーや広範なデータ追跡慣行に対して抱いていた強い不満でした 8。彼は、ユーザーの検索行動が記録され、それがターゲティング広告やパーソナライズされた検索結果(フィルターバブル)に利用されることに疑問を感じ、ユーザーのプライバシーを侵害しない代替となる検索エンジンの必要性を痛感しました。興味深いことに、DuckDuckGoは当初、ビジネスとしてではなく、ワインバーグ氏が自身のGoogle検索結果からスパムや低品質なコンテンツを除外し、Wikipediaなどの信頼できる情報源からの回答を直接表示させるために始めた、個人的なサイドプロジェクトの一つでした 17。この個人的な問題意識とプライバシーへの強い信念から生まれたという設立経緯は、DuckDuckGoが掲げる「プライバシー第一」というブランドメッセージに強力な真正性を与えています。商業的・技術的野心から生まれた競合サービスとは異なり、その価値観が創業者の原体験に深く根差していることが、ユーザーからの信頼を得る上で重要な要素となっているのです 4。
社名の「DuckDuckGo」は、ワインバーグ氏が子供向けの遊びである「Duck Duck Goose」(日本のハンカチ落としに似た遊び)から着想を得て名付けたとされています 8。
設立当初、DuckDuckGoはワインバーグ氏の自己資金によって運営されていました。その後、サービスの成長に伴い、2011年には著名なベンチャーキャピタルであるUnion Square Venturesが主導する形で最初の主要な資金調達(300万ドル)を実施し、チームとインフラの拡大を図りました 16。2012年にも追加の資金調達を行っていますが、ワインバーグ氏は、外部からの過度な投資が会社のプライバシー中心の理念を損なう可能性を警戒し、慎重な姿勢を維持してきました 16。
運営会社 Duck Duck Go, Inc. について (About the operating company Duck Duck Go, Inc.)
DuckDuckGoは、ペンシルベニア州に拠点を置く独立した非公開企業、Duck Duck Go, Inc. によって所有・運営されています 2。重要な点として、DuckDuckGoはGoogleやMicrosoftといった他の大手テクノロジー企業の傘下には入っておらず、独立した経営を維持しています 2。この独立性は、DuckDuckGoがその核となるプライバシー保護の使命を追求する上で極めて重要です。データ収益化をビジネスモデルの中核とする大手企業からの影響や圧力を避け、ユーザーのプライバシーを最優先するという理念を貫くための戦略的な選択と言えます。外部投資家からの資金調達を慎重に行い、創業者であるワインバーグ氏が引き続き経営の主導権を握っていることも、この独立性を支える要因となっています 16。
2018年の情報では従業員数は40人以上とされていましたが 8、その後もサービスは成長を続けており、現在もガブリエル・ワインバーグ氏がCEOとして会社を率いています 9。
DuckDuckGoの核となる理念:プライバシーの保護 (DuckDuckGo’s Core Philosophy: Privacy Protection)
「追跡しない」という基本方針 (The fundamental policy of “not tracking”)
DuckDuckGoのプライバシーに対するアプローチは、そのシンプルかつ強力なポリシーに集約されています:「私たちはあなたを追跡しません (We don’t track you)」4。これは単なるスローガンではなく、同社が提供する検索エンジン、モバイルアプリ、ブラウザ拡張機能など、すべてのサービスの根幹を成す約束事です 20。
具体的には、DuckDuckGoはユーザーの検索活動に関連する個人情報を意図的に収集、保存、共有することはありません 1。これには、ユーザーのIPアドレス、個々の検索クエリ(検索キーワード)、閲覧したウェブサイトの履歴、使用しているデバイスの種類やブラウザの情報などが含まれます。これらの情報を収集しないため、DuckDuckGoは特定のユーザーに関する行動プロファイルを作成することができません 2

ユーザーデータの収集・利用を行わない仕組み (Mechanism for not collecting/using user data)
DuckDuckGoの「追跡しない」という方針は、単なる宣言に留まらず、サービスの設計思想そのものに深く組み込まれています。これは「プライバシー・バイ・デザイン (Privacy by Design)」として知られるアプローチであり、技術的な仕組みによってプライバシー保護を実現しています 11。
- IPアドレスの非保存: ユーザーがDuckDuckGoにアクセスする際、デバイスは自動的にIPアドレスを送信しますが、DuckDuckGoはこのIPアドレスを検索ログと共に保存しません 1。地域に基づいた検索結果(例:天気や近隣のレストラン)を提供するために一時的にIPアドレスから大まかな地域を推定することはありますが、その推定された位置情報もIPアドレス自体も、直ちに破棄され、記録されることはありません 20。これにより、ユーザーの物理的な場所と検索活動を結びつけることができなくなります。
- Cookieの不使用/最小限の使用: ウェブサイトがユーザーのブラウザに小さな情報を保存する仕組みであるCookieは、しばしばユーザー追跡に利用されます。DuckDuckGoは、ユーザーを識別したり追跡したりするためのCookieを使用しません 1。設定の保存など、基本的な機能に必要な最小限のCookieのみを使用する場合がありますが、これらはユーザーのプライバシーを侵害するものではありません。DuckDuckGoのブラウザや拡張機能は、さらに進んで、他のウェブサイトが設定しようとするサードパーティの追跡Cookieも積極的にブロックします 10。
- 検索履歴の非保存: DuckDuckGoは、個々のユーザーが行った検索の履歴を記録しません 1。検索キーワードはサーバーに送信されますが、それは検索結果を返すためにのみ使用され、ユーザー個人と結びつけて保存されることはありません。これにより、過去の検索内容からユーザーの興味や関心を探ることも、検索履歴を第三者に提供することも不可能になります。
- ユーザープロファイルの非作成: 上記のように個人情報や検索履歴を保存しないため、DuckDuckGoはユーザーごとの詳細なプロファイルを作成しません 2。これは、Googleなどがユーザーデータを分析して作成するプロファイルとは対照的です。
- 検索漏洩 (Search Leakage) の防止: 多くの検索エンジンでは、ユーザーが検索結果のリンクをクリックすると、その際に使用した検索キーワードがリンク先のウェブサイトに送信されてしまうことがあります。これは「検索漏洩」と呼ばれ、ユーザーが何を探していたかを訪問先のサイトに知られてしまう原因となります。DuckDuckGoは、この検索漏洩を防ぐための技術的な対策を講じており、ユーザーの検索意図が意図せず第三者に伝わることを防ぎます 2。
- データ最小化 (Data Minimalism): DuckDuckGoは、サービスの提供に必要最低限の情報のみを取り扱うという「データ最小化」の原則を遵守しています 11。不要な個人情報はそもそも収集せず、収集した場合でも可能な限り速やかに匿名化または削除するという設計思想が徹底されています。
これらの技術的な仕組みにより、DuckDuckGoはプライバシーポリシーを実際の運用レベルで担保しており、単なる約束以上の信頼性をユーザーに提供しています。
フィルターバブルからの解放 (Freedom from the filter bubble)
DuckDuckGoがユーザーの追跡やプロファイリングを行わないことの重要な帰結の一つが、「フィルターバブル」からの解放です 1。フィルターバブルとは、検索エンジンやソーシャルメディアがユーザーの過去のクリック履歴、検索履歴、位置情報などに基づいてアルゴリズム的に表示する情報をパーソナライズした結果、ユーザーが自身の既存の信念や興味に合致する情報ばかりに触れるようになり、異なる視点や情報から隔離されてしまう現象を指します。
Googleのような検索エンジンは、ユーザーに関連性の高い情報を提供するためにパーソナライゼーションを積極的に行いますが、これが意図せずフィルターバブルを生み出し、ユーザーの視野を狭め、社会的な分断を助長する可能性も指摘されています 1。
DuckDuckGoは、ユーザーごとに検索結果をパーソナライズしないため、原理的にフィルターバブルが発生しません 2。同じ検索キーワードであれば、基本的に誰が検索しても同じ検索結果が表示されます。これにより、ユーザーはより多様な情報や視点に触れる機会を得やすくなり、偏りのない情報収集が可能になります。この点は、単に個人のプライバシーを守るだけでなく、より健全で開かれた情報アクセス環境を促進するという、より広範な社会的意義を持つ可能性があります。DuckDuckGoのプライバシー保護は、結果として知的なオープンさを可能にする側面も持っているのです。
ただし、DuckDuckGo自身がユーザーを追跡しない一方で、ユーザーがDuckDuckGoの検索結果から外部のウェブサイトへ移動した場合や、DuckDuckGo内で表示される広告(Microsoftが管理)をクリックした場合など、DuckDuckGoの直接的な管理外の領域では、依然として追跡が行われる可能性があることには留意が必要です 2。DuckDuckGoは可能な限りの保護を提供しようとしていますが、インターネット全体の追跡メカニズムから完全にユーザーを隔離することは、単一のサービスだけでは困難であるという現実も認識しておく必要があります 13。
DuckDuckGoの主な機能と特徴 (Main Features and Characteristics of DuckDuckGo)
DuckDuckGoは、プライバシー保護を核としつつ、ユーザーの検索体験を向上させるための様々な機能を提供しています。
プライベート検索と検索結果 (Private search and search results – sources, quality considerations)
- 検索ソース: DuckDuckGoは、独自のウェブクローラー「DuckDuckBot」を運用してウェブ情報を収集していますが 15、その検索結果の多くは、MicrosoftのBing、Yahoo! Search BOSS、ロシアのYandexなど、400以上の多様な外部ソースからの情報を統合して生成されています 14。また、Wikipediaのような信頼性の高いクラウドソーシングサイトの情報も、検索結果ページの右側に表示される知識パネル(ナレッジパネル)などに活用されています 15。重要な点として、競合であるGoogleの検索インデックスは利用していません 15。この外部ソースへの依存、特にBingへの依存度の高さは、DuckDuckGoの検索品質とプライバシー保護の両面において重要な要素となります。後述するMicrosoftとの関係性にも繋がる点です。
- 検索品質: DuckDuckGoの検索品質については、ユーザーの間で評価が分かれる傾向にあります。プライバシーを最優先し、Googleのようなユーザーごとの高度なパーソナライゼーションを行わないため 5、検索結果の一貫性は保たれるものの、ユーザーの意図を正確に汲み取った結果が得られにくい、あるいはGoogleと比較して関連性が低いと感じる場合があります 5。特に、非常に専門的なトピック、ニッチな情報、あるいは曖昧なキーワードでの検索においては、Googleの巨大なデータと洗練されたアルゴリズムに分があると感じるユーザーが多いようです 27。一方で、フィルターバブルの影響を受けずに中立的な情報が得られる点を高く評価する声も根強くあります 2。また、DuckDuckGoは検索結果の質を維持するために、低品質な記事を量産する「コンテンツファーム」と見なされるサイトの評価を下げたり、過剰な広告を含むページをフィルタリングしたりする取り組みも行っています 15。
- Instant Answers: 検索結果ページの上部に、ユーザーが探している可能性のある情報を直接表示する「Instant Answers」という機能があります 15。これは、天気、計算結果、定義、特定の事実など、簡単な質問に対する答えを、他のウェブサイトをクリックすることなく得られるようにするものです。情報は、信頼できるサードパーティのAPIや、Wikipediaのような静的データソースから取得されます 15。
強力なプライバシー保護機能群 (Suite of powerful privacy protection features)
DuckDuckGoは、検索エンジン本体に加えて、専用ブラウザやブラウザ拡張機能を通じて、多層的なプライバシー保護機能を提供しています 2。
- トラッカーブロッキング: ウェブサイト閲覧時に、裏でユーザーの行動を追跡しようとするサードパーティ製のスクリプト(広告トラッカー、分析トラッカー、ソーシャルメディアトラッカーなど)を自動的に検出し、読み込みをブロックします 2。これにより、企業がユーザーの興味や関心をプロファイリングし、ターゲティング広告などに利用することを防ぎます。
- 暗号化強化 (Smarter Encryption): 多くのウェブサイトでは、通信を暗号化するHTTPS接続と、暗号化しないHTTP接続の両方が利用可能です。DuckDuckGoは、可能な限り安全なHTTPS接続を強制的に使用させることで、Wi-Fi環境などでの通信傍受のリスクを低減します 10。
- Global Privacy Control (GPC): ユーザーが自身のデータの販売や共有を望まないという意思表示を、ウェブサイトに対して自動的に送信する仕組みです 13。法的な拘束力はまだ限定的ですが、プライバシー設定の標準化に向けた取り組みの一つです。
- Email Protection: @duck.com という特別なメールアドレスを無料で提供するサービスです 10。このアドレス宛に送られたメールに含まれる既知のトラッカー(開封確認や位置情報特定に使われる)を自動的に除去した上で、ユーザーが普段使っているメールアドレスに転送します。また、オンラインサービス登録時などに、実際のメールアドレスの代わりに @duck.com アドレスを使うことで、迷惑メールやデータ漏洩のリスクを低減できます。
- App Tracking Protection (Android): Androidデバイス向けに提供される機能で、様々なアプリのバックグラウンドで動作し、ユーザーデータを収集しようとする隠れたトラッカーをブロックします 10。この機能はデバイス上でVPN接続を利用しますが、通信データ自体が外部のVPNサーバーを経由するわけではなく、トラッカーのブロックはローカルで処理され、個人データは収集されません。
- Cookie Pop-up Management: 多くのウェブサイトで表示される「Cookieを受け入れますか?」といった同意要求ポップアップを自動的に処理し、プライバシー設定を最大限に保護する選択(例:不要なCookieを拒否)を試みます 10。これにより、煩わしいポップアップ表示を減らすことができます。
- Fire Button: ブラウザのツールバーにある炎の形をしたボタンをクリックするだけで、現在開いているすべてのタブを閉じ、関連する閲覧データ(履歴、Cookieなど)を一括で消去できる機能です 12。一時的な検索やプライベートなブラウジングセッションを簡単に終了させるのに役立ちます。
- フィンガープリンティング保護: ブラウザの種類やバージョン、インストールされているフォント、画面解像度といったデバイス固有の情報を組み合わせてユーザーを識別しようとする「フィンガープリンティング」という追跡手法に対する保護機能です 12。DuckDuckGoは、これらの情報の一部を隠蔽したり一般化したりすることで、一意な識別子の作成を困難にします。ただし、この技術は常に進化しており、DuckDuckGoの保護も完全ではなく、限定的であるとの指摘もあります 15。
- その他の保護: 上記以外にも、クリック追跡に使われるパラメータをURLから除去する「リンクトラッキング保護」、トラッカーが別ドメインを装うのを防ぐ「CNAMEクローキング保護」、Googleがモバイルページの表示速度を上げるために使うがプライバシー上の懸念もある「Google AMP」ページを元のページにリダイレクトする保護機能なども提供しています 13。
便利な独自機能「!Bangs」 (!Bangs: A convenient unique feature)
DuckDuckGoの最もユニークで便利な機能の一つが「!Bangs(バン)」です 5。これは、DuckDuckGoの検索窓から、他の特定のウェブサイトの検索機能を直接呼び出すためのショートカットコマンドです。
使い方は簡単で、検索窓に !(感嘆符、バンと読む)に続けて、目的のサイトを示す短いキーワード(!Bang)を入力し、半角スペースを空けて検索したい語句を入力します。例えば、
- !w プライバシー と検索すると、Wikipedia日本語版で「プライバシー」のページを直接開きます 8。
- !a カメラ と検索すると、Amazon.co.jpで「カメラ」を検索した結果ページに直接移動します 8。
- !yt 猫 動画 と検索すると、YouTubeで「猫 動画」を検索した結果が表示されます 8。
- !g 最新ニュース と検索すると、Googleで「最新ニュース」を検索した結果が表示されます 44。
このように、!Bangsを使うと、DuckDuckGoの検索結果ページを経由せずに、目的のサイトに直接アクセスして検索を実行できます。2024年時点で13,500種類以上の!Bangsが登録されており 15、Wikipedia、Amazon、YouTube、Twitter、GitHub、各種辞書サイト、ニュースサイト、プログラミング言語のリファレンスなど、多岐にわたるウェブサイトに対応しています。
この機能は、特定の情報源(例えば、開発者がプログラミング言語の公式ドキュメントを頻繁に参照する場合など)に素早くアクセスしたい場合に非常に効率的です 44。また、DuckDuckGoの検索結果に満足できない場合に、一時的にGoogleや他の検索エンジンで同じキーワードを検索し直すといった使い方も簡単にできます 44。!Bangsは、DuckDuckGo自身のプライバシー保護の原則を維持しつつ、ユーザーが必要に応じて他の情報源を効率的に利用できるようにするための、実用的で巧みな解決策と言えるでしょう。ユーザーはDuckDuckGoのプライベートな環境から検索を開始しつつ、必要であれば他のサイトの検索能力を直接活用できるのです。
ただし、!Bangsを使って他のウェブサイトに移動した後は、その移動先のサイトのプライバシーポリシーやデータ収集慣行が適用される点には注意が必要です 49。DuckDuckGoはその時点でのユーザーのプライバシーを保護することはできません。
AIを活用した機能 (AI-powered features – DuckAssist, Duck.ai)
近年、検索エンジン各社がAI(人工知能)技術の導入を進める中で、DuckDuckGoもプライバシー保護を前提とした独自のAI機能を展開しています。
- DuckAssist: 2023年3月に導入されたこの機能は、DuckDuckGoのInstant Answersの一部として提供されます 15。ユーザーが質問形式で検索を行うと、DuckAssistはOpenAI(GPTを提供)やAnthropic(Claudeを提供)といった企業のAIモデルを活用し、Wikipediaやブリタニカ百科事典などの信頼性の高い情報源から関連情報を抽出し、簡潔な要約を生成して検索結果の上部に表示します。これにより、ユーザーは迅速に概要を把握することができます。これは、Googleが導入している「AI Overviews」に似た機能ですが、情報の参照元を限定し、プライバシーに配慮した形で実装されている点が特徴です。
- Duck.ai: 2025年3月に開始された、より本格的な対話型AIチャットサービスです 10。Duck.aiを通じて、ユーザーはOpenAIのGPT-4o、AnthropicのClaude 3 Haiku、MetaのLlama 3、Mistral AIのモデルなど、複数の主要なAIモデルに匿名でアクセスし、質問応答、文章作成、要約などのタスクを実行できます 52。最大の特徴は、ここでもプライバシー保護が徹底されている点です。ユーザーとAIの会話履歴はDuckDuckGoのサーバーには保存されず、ユーザー自身のデバイス上にローカルで保存されます。また、これらの会話データがAIモデルの学習・トレーニングに使用されることもありません 52。これにより、ユーザーは個人情報や機密性の高い情報をAIに入力する際のリスクを大幅に低減できます。ただし、現時点では画像生成機能がない、一部の最新高性能モデル(例:Claude 3.5 Sonnet)が利用できないといった機能制限も存在します 52。
これらのAI機能は、DuckDuckGoが最新の技術トレンドに対応しつつも、その核となるプライバシー保護の理念を決して譲らない姿勢を示しています。多くのAIサービスが大量のデータを必要とし、プライバシー懸念が指摘される中で、DuckDuckGoはプライバシーを維持しながらAIの利便性を提供しようと試みており、これが今後の競争における重要な差別化要因となる可能性があります。
DuckDuckGoのビジネスモデル:追跡せずに収益を上げる方法 (DuckDuckGo’s Business Model: How it Makes Money Without Tracking)
DuckDuckGoは、「ユーザーを追跡しない」という理念を掲げながらも、持続可能なビジネスを運営するための収益モデルを確立しています。その根幹にあるのは、ユーザーのプライバシーを尊重しながら収益を得るという、従来の検索エンジンとは異なるアプローチです。
収益の柱:コンテキスト広告とMicrosoftとの連携 (Main revenue source: Contextual advertising and partnership with Microsoft)
DuckDuckGoの主な収益源は、検索結果ページに表示される広告です 9。しかし、これはGoogleなどが展開する、ユーザーの検索履歴、閲覧履歴、位置情報、デモグラフィック情報などを分析して個人に最適化された「ターゲティング広告」とは根本的に異なります。
DuckDuckGoが表示するのは、「コンテキスト広告」または「プライベート広告」と呼ばれるものです 30。これは、ユーザー個人に関する情報ではなく、**その時に表示されている検索結果ページのキーワード(文脈、コンテキスト)**にのみ基づいて表示される広告です 9。例えば、ユーザーが「ランニングシューズ」と検索した場合、ランニングシューズや関連スポーツ用品の広告が表示される可能性がありますが、それはそのユーザーが過去に何を探していたか、どこに住んでいるか、何歳かといった個人情報とは一切関係なく、純粋に「ランニングシューズ」という検索キーワード自体に関連付けられた広告です 18。地域に基づいた広告(例:近隣の店舗広告)を表示する場合も、ユーザーの正確な位置情報ではなく、IPアドレスから推定した大まかな地域情報(推定後すぐに破棄される)を利用するなど、匿名性を維持する工夫が凝らされています 20。
この広告配信システムは、Microsoft Advertisingとの提携を通じて実現されています 25。DuckDuckGoは自社で巨大な広告ネットワークを構築・運営する代わりに、Microsoftの広告プラットフォームを利用して、検索キーワードに関連性の高い広告を検索結果の横(スポンサーリンクとして)に表示させています 30。
ユーザーがDuckDuckGo上でMicrosoft提供の広告をクリックすると、広告主のウェブサイトに移動しますが、その際、広告クリックの課金処理や効果測定のために、Microsoft Advertisingのプラットフォームを経由します。この過程で、Microsoft Advertisingはユーザーの完全なIPアドレスとユーザーエージェント文字列(ブラウザやOSの種類を示す情報)を利用します 33。しかし、MicrosoftはDuckDuckGoとの契約に基づき、この広告クリック行動を特定のユーザープロファイルに関連付けることはせず、また、会計処理や不正防止といった正当な目的以外でこの情報を保存・共有しないことを約束しています 25。DuckDuckGo自身も、このプロセスでユーザーを特定できる個人情報を保存することはありません 33。
DuckDuckGoは、このプライバシーを尊重した広告モデルが、ユーザー追跡に依存するビジネスモデルに対する実行可能な代替案であることを証明しようとしています。彼らは、検索エンジンが収益を上げるため、あるいは質の高い検索結果を提供するために、ユーザーを追跡する必要があるというのは「大きな迷信」であると主張しています 9。実際に、DuckDuckGoはこのコンテキスト広告モデルによって収益性を確保し、成長を続けていると報告されています 6。
また、DuckDuckGoは、Googleなどの他の検索エンジンと比較して検索結果ページに表示する広告の数を少なく抑えていると述べています 54。これにより、一つ一つの広告がより目立ちやすくなり、ユーザー体験を損なわずに、広告主にとっても高いクリック率や投資収益率(ROI)が期待できる可能性があると主張しています 54。
ただし、このMicrosoftとの提携は、DuckDuckGoにとって不可欠な収益源であると同時に、潜在的なリスクも内包しています。Microsoftは独自の広範なデータ収集・利用を行う企業であり、その広告システムを利用することは、契約上の制約や予期せぬプライバシー上の問題(後述するトラッカー問題など)を引き起こす可能性を常に伴います。DuckDuckGoは、この提携関係を慎重に管理し、自社のプライバシー原則との整合性を保つ努力を継続する必要があります 53。
有料プラン「Privacy Pro」とその提供価値 (Paid plan “Privacy Pro” and its value proposition)
コンテキスト広告に加えて、DuckDuckGoは2024年に新たな収益源として有料サブスクリプションプラン「Privacy Pro」を導入しました 10。これは、DuckDuckGoが無料で提供している基本的なプライバシー保護機能をさらに強化したいと考えるユーザーを対象とした、月額または年額料金(米国では月額$9.99、年額$99.99 57)のサービスです。
Privacy Proは、以下の3つの主要なプライバシー保護サービスを一つのパッケージとして提供します 12:
- VPN (Virtual Private Network): ユーザーのインターネット接続全体を暗号化し、実際のIPアドレスを隠してオンライン活動の匿名性を高めるVPNサービスです。最大5台のデバイスで同時に利用可能で、通信速度とセキュリティのバランスに優れたWireGuardプロトコルを採用しています 43。DuckDuckGoは、このVPNサービスにおいてユーザーのアクティビティログを一切保持しない「厳格なノーログポリシー」を約束しています 56。ただし、提供されるサーバーの国やロケーションの数は、専用のVPNサービスプロバイダーと比較すると限定的です 43。
- Personal Information Removal(個人情報削除): インターネット上に存在する「People Search」サイトなどのデータブローカー(個人情報を収集・販売する業者)のデータベースから、ユーザー自身の個人情報(氏名、住所、電話番号など)を検索し、発見された場合にその削除を代行するサービスです 43。このサービスの特徴は、削除対象の個人情報をDuckDuckGoのサーバーに送信・保存するのではなく、ユーザーのデバイス上にローカルで保持し、削除リクエストもデバイスから直接送信される点です 56。これにより、プライバシーリスクを最小限に抑えながらサービスを提供します。また、定期的にサイトを再スキャンし、情報が再掲載された場合に再度削除を試みる機能も備えています 56。
- Identity Theft Restoration(ID盗難復旧支援): 万が一、ユーザーがID(個人情報)盗難の被害に遭った場合に、専門のアドバイザーが、盗まれたアカウントの回復、不正利用による金銭的損失の回復支援、信用情報レポートの修正などをサポートするサービスです 43。このサービスは、専門業者(Generali Global Assistance)との提携により提供されますが、利用にあたってDuckDuckGoが追加の個人情報を収集・共有することはありません 56。
Privacy Proの導入は、DuckDuckGoにとっていくつかの戦略的な意味を持ちます。第一に、広告収入への依存度を下げ、収益源を多様化することができます。第二に、プライバシーに対して特に関心が高く、より高度な保護を求めるユーザー層から直接収益を得ることで、無料サービスの維持・向上にも繋げられます。第三に、VPNや個人情報削除といったサービスを提供することで、単なる検索エンジンやブラウザを超えた、包括的なプライバシー保護プラットフォームとしての地位を強化することができます。これは、DuckDuckGoがフリーミアムモデル(基本機能は無料、高度な機能は有料)を採用し、プライバシー意識の高いユーザーコミュニティとの関係を深めながら、持続的な成長を目指す戦略と解釈できます。
その他の収益源の可能性 (Potential other revenue streams – e.g., affiliate marketing)
上記2つの主要な収益源に加えて、過去または現在において、アフィリエイトマーケティングもDuckDuckGoの収益の一部を構成している(または、していた)可能性が一部の情報源で指摘されています 18。これは、ユーザーがDuckDuckGoの検索結果(特に商品検索など)を経由して、提携しているEコマースサイト(例:Amazon、eBay)で商品を購入した場合に、DuckDuckGoがその売上の一部を紹介手数料(コミッション)として受け取る仕組みです。このモデルも、ユーザーの個人情報を追跡することなく、検索行動(商品を探しているという文脈)に基づいて収益を得ることが可能です。
しかしながら、DuckDuckGoが公式に提供しているビジネスモデルの説明ページ(2025年時点の参照情報)では、アフィリエイト収入については明確に言及されておらず、主な収益源はプライベート広告とPrivacy Proのサブスクリプションであると述べられています 30。このため、アフィリエイトマーケティングが現在も有効な収益源であるか、あるいは過去のモデルであったか、その規模については不明確な点があります。小規模ながら継続している可能性も、完全に終了した可能性も考えられます。
DuckDuckGoに関する議論と評価 (Discussions and Evaluations Regarding DuckDuckGo)
DuckDuckGoは、そのユニークな立ち位置とプライバシーへの強いコミットメントから、多くの議論と評価の対象となっています。特に、市場の巨人であるGoogleとの比較、検索結果の品質、そして過去に発生したプライバシーに関する問題などが注目されています。
Google等との比較:プライバシー、機能、利便性 (Comparison with Google etc.: Privacy, features, convenience)
DuckDuckGoを評価する上で、最も頻繁に行われるのがGoogleとの比較です。両者は検索エンジン市場における立ち位置も、その根底にある哲学も大きく異なります。
- プライバシー: これが両者の最大の違いです。DuckDuckGoはユーザーの追跡や個人データの収集・保存を原則として行いません 1。一方、Googleは検索履歴、位置情報、閲覧習慣、Gmailの内容など、広範なユーザーデータを収集し、それを検索結果のパーソナライズや、収益の大部分を占めるターゲティング広告のために活用しています 1。Googleが提供する「シークレットモード」や「プライベートブラウジング」も、デバイス上に履歴を残さないだけであり、Google自身や訪問先のウェブサイト、インターネットサービスプロバイダ(ISP)、広告ネットワークによる追跡を完全に防ぐものではありません 6。DuckDuckGoはこの点で明確なアドバンテージを持っています。
- 検索結果とパーソナライゼーション: Googleは収集した膨大なデータを活用し、ユーザー一人ひとりの興味や関心、状況に合わせて検索結果を最適化(パーソナライズ)します。これにより、特定のユーザーにとっては非常に関連性の高い、便利な結果が得られることがあります 11。しかし、これは同時に、ユーザーが自身の見たい情報ばかりに囲まれてしまう「フィルターバブル」に陥るリスクも生み出します 1。対照的に、DuckDuckGoはパーソナライゼーションを行わないため、フィルターバブルを回避し、誰に対しても同じ中立的な結果を提供します 2。しかし、その反面、特に曖昧な検索やニッチな分野においては、Googleほどユーザーの意図を的確に捉えた結果を返せない場合がある、というトレードオフが存在します 5。ユーザーは、この「プライバシーと利便性/パーソナライゼーションのトレードオフ」を理解した上で、どちらを優先するか選択することになります。
- 機能: Googleは検索だけでなく、Gmail、Googleマップ、YouTube、Googleドライブ、Google翻訳など、多岐にわたるサービスを統合し、シームレスな連携を提供しています 2。これは大きな利便性をもたらします。一方、DuckDuckGoは、検索エンジンとしての基本機能に加え、強力なトラッカーブロッキング、暗号化強化、Email Protection、そしてユニークな!Bangs機能など、プライバシー保護と効率化に特化した機能群に強みを持っています 2。近年はAI機能(DuckAssist, Duck.ai)も追加し、機能拡充を図っています 15。
- 広告: 収益モデルの違いは広告の表示方法にも表れます。DuckDuckGoは検索キーワードに基づいたコンテキスト広告を表示するのに対し 9、Googleは収集したユーザーデータを利用して、個人の興味や関心に合わせたターゲティング広告を表示することが中心です 10。
これらの違いをまとめた比較表を以下に示します。
項目 (Item) | DuckDuckGo | |
プライバシーポリシー (Privacy Policy) | 追跡しない (No Tracking) | データ収集・利用 (Data Collection/Use) |
データ収集 (Data Collection) | 原則なし (Principally None) | 検索履歴、位置情報、閲覧習慣、Gmail内容など (Search History, Location, Browsing Habits, Gmail content, etc.) |
検索結果のパーソナライズ (Search Result Personalization) | なし (None) | あり (Yes) |
フィルターバブル (Filter Bubble) | 回避 (Avoided) | 可能性あり (Possible) |
主な収益源 (Main Revenue Source) | コンテキスト広告、サブスクリプション (Contextual Ads, Subscriptions) | ターゲティング広告 (Targeted Advertising) |
特徴的な機能 (Distinctive Features) | !Bangs, 強力なトラッカーブロック, Email Protection, Duck.ai (プライベートAI) | 統合サービス (Maps, Gmail), AI Overviews, Knowledge Graph |
この表は、DuckDuckGoとGoogleの核心的な違いを簡潔に示しています。ユーザーは、自身のプライバシーに対する考え方、求める検索体験の質、そして利用したい機能などを考慮し、どちらの検索エンジンが自身に適しているかを判断する必要があります。
検索品質に関するユーザーの声 (User perspectives on search quality)
DuckDuckGoの検索結果の品質については、ユーザーからの評価が一様ではありません。多くのユーザーは、日常的な情報検索、例えば特定の製品を探したり、レシピを調べたり、ニュースを確認したりといった用途においては、DuckDuckGoの検索結果に十分満足しているようです 40。インターフェースがシンプルで広告が少ない点も評価されています 28。
しかし、より複雑な調査、専門的な情報の探索、あるいは非常にニッチなキーワードや曖昧な表現での検索においては、Googleの方がより的確で深い情報を提供してくれると感じるユーザーも少なくありません 5。これは、Googleが持つ圧倒的なデータ量と、長年かけて洗練させてきた検索アルゴリズム、そしてパーソナライゼーション能力に起因すると考えられます。
具体的には、「検索キーワードと関連性の低い結果が表示されることが多い」「検索キーワードの一部が無視される」「””(引用符)で囲んだ完全一致検索がうまく機能しない」といった問題点が一部のユーザーから指摘されています 42。また、ローカル検索(地域に根差した情報検索)の精度についても、過去に問題が指摘され、改善されたものの、まだGoogleには及ばないと感じる声もあります 17。一部のユーザーからは、長年にわたって検索品質の根本的な改善が見られないことへの不満も表明されており、DuckDuckGoがプライバシー以外の面での進化が停滞しているのではないか、という厳しい意見も見受けられます 42。
Microsoftトラッカー問題の経緯と現状 (History and current status of the Microsoft tracker issue)
DuckDuckGoはそのプライバシー保護への強いコミットメントで知られていますが、2022年にその信頼性を揺るがす問題が発覚しました。セキュリティ研究者のZach Edwards氏によって、DuckDuckGoが提供するモバイル版プライバシーブラウザ(iOS/Android)およびデスクトップ向けブラウザ拡張機能が、Microsoft傘下のLinkedInおよびBingドメインで使用されている特定のトラッキングスクリプトをブロックしていないことが明らかにされたのです 23。
DuckDuckGoは、検索結果の提供(Bingを利用)および広告配信(Microsoft Advertisingを利用)においてMicrosoftと提携関係にあります。問題のトラッカーが見逃されていたのは、このMicrosoftとの検索シンジケーション契約(提携契約)におけるポリシー上の要件が原因でした 23。つまり、契約上の制約により、Microsoft関連の特定のスクリプトに対して、他のサードパーティトラッカーと同様のブロック措置を完全には適用できていなかったのです。
この事実は、「あらゆる追跡をブロックする」というDuckDuckGoのイメージや公言と矛盾するように受け取られ、プライバシーを重視するユーザーコミュニティから大きな批判を浴びました。特に、この事実が契約によって制限されていたこと、そしてそれがユーザーに対して十分に透明性をもって伝えられていなかった点が問題視されました 35。
この広範な批判と信頼への影響を受け、DuckDuckGoは迅速に対応しました。CEOのガブリエル・ワインバーグ氏は問題を認め、契約上の制約があったことを説明しつつ、Microsoftと再交渉を行った結果、2022年8月には方針を変更し、問題となっていたMicrosoftのトラッキングスクリプトも、DuckDuckGoのブラウザアプリおよび拡張機能においてブロック対象に含めることを発表しました 14。
これにより、主要な問題は解決されましたが、一つ限定的な例外が残っています。それは、DuckDuckGoの検索結果に表示されるMicrosoft提供の広告をクリックし、広告主のウェブサイトに移動した場合のコンバージョン測定です。広告主が広告の効果(クリックが購入などに繋がったか)を測定するために、Microsoftのトラッカー(具体的には bat.bing.com ドメインのスクリプト)の読み込みが、この特定の状況下でのみ許可されます(他の状況、例えば広告クリックを経由しない通常のサイト訪問時などではブロックされます)55。DuckDuckGoは、この点についても将来的には、現在FirefoxやSafariなどが開発を進めている、よりプライバシーに配慮した広告効果測定技術に置き換えることを目指していると述べています 55。
このMicrosoftトラッカー問題は、たとえプライバシー保護を最優先に掲げる企業であっても、ビジネス上の提携関係(特に異なるビジネスモデルを持つ企業との提携)が、その約束の完全な遂行において課題やリスクを生じさせうることを示す重要な事例となりました。企業がいかに透明性を保ち、ユーザーの期待に応え続けるかが問われる出来事であったと言えます。
日本国内での認知度と利用状況 (Awareness and usage status in Japan)
世界的にプライバシーへの関心が高まる中でDuckDuckGoの利用者は増加傾向にありますが、日本国内における市場シェアはまだ限定的です。ウェブ解析ツールStatCounterのデータ(参照時期により変動あり)によると、2023年頃の日本のデスクトップ検索エンジン市場において、DuckDuckGoのシェアは約0.32%程度と推計されており、Google(約75-80%)、Yahoo! Japan(約15-20%、ただし検索エンジン自体はGoogleのものを利用)、Bing(約5-7%)に次ぐ4番手という状況です 64。
この数字が示すように、日本ではまだDuckDuckGoの知名度は高いとは言えず、多くのインターネットユーザーにとってはGoogleやYahoo!が依然として検索の主要な手段となっています 64。しかし、日本でも個人情報保護への意識は年々高まっており、大手プラットフォームによるデータ収集に対する懸念の声も聞かれるようになっています。こうした背景から、DuckDuckGoのようなプライバシー重視の検索エンジンが、今後日本市場でもシェアを伸ばしていく可能性は十分に考えられます 64。
実際に、日本のGoogle Play StoreやApp StoreにおけるDuckDuckGoプライバシーブラウザアプリのユーザーレビューを見ると、比較的好意的な評価が寄せられており 36、プライバシー意識の高い層を中心に、一定の支持基盤が形成されつつあることがうかがえます。また、インターフェースや検索機能は日本語に完全に対応しており、日本国内での利用に支障はありません 36。
今後の課題としては、日本特有の検索ニーズ(日本語の言語処理の精度、ローカル情報の充実度など)への対応をさらに強化し、ブランド認知度を高めていくことが挙げられます。 entrenched user habits (Google/Yahoo dominance), perceived search quality differences, or lack of localized marketing may be hindering faster adoption in certain markets.
まとめと今後の展望 (Conclusion and Future Outlook)
DuckDuckGoの強み、弱み、そして独自性 (DuckDuckGo’s strengths, weaknesses, and uniqueness)
これまでの分析を踏まえ、DuckDuckGoの主要な強み、弱み、そして市場における独自性をまとめます。
- 強み:
- 徹底したプライバシー保護: 最大の強みであり、存在意義そのものです。「ユーザーを追跡しない」という明確な方針と、それを支える技術的設計が、プライバシーを重視するユーザーからの強い支持を集めています 1。
- 追跡されない安心感: ターゲティング広告に追いかけられたり、検索履歴が第三者に利用されたりする心配がないという安心感を提供します 5。
- フィルターバブルの回避: パーソナライズを行わないため、偏りのない多様な情報にアクセスしやすい環境を提供します 1。
- シンプルなインターフェース: 広告が少なく、クリーンで直感的なユーザーインターフェースが評価されています 28。
- 便利な独自機能:!Bangsによる特定サイトへの高速アクセスや、包括的なプライバシー保護ツール群(ブラウザ、拡張機能、Email Protectionなど)が利便性を高めています 5。
- 弱み:
- パーソナライゼーションの欠如: プライバシー保護の裏返しとして、Googleのような高度なパーソナライゼーションを提供できません。これが一部ユーザーにとっては利便性の低下と感じられる可能性があります 5。
- 検索品質への疑問: 特に専門的・ニッチな分野や曖昧な検索において、Googleと比較して検索結果の質が劣る、あるいは関連性が低いと感じるユーザーが存在します 41。
- 統合サービスの少なさ: Googleのように、マップ、メール、クラウドストレージといった多様なサービスとのシームレスな連携は提供していません 2。
- 市場シェアの小ささ: Googleと比較して市場シェアが圧倒的に小さく、スケールメリットやネットワーク効果の点で不利な側面があります 28。
- 独自性:
- プライバシー中心のビジネスモデル: ユーザーのプライバシー保護を単なる機能ではなく、ビジネスモデルと企業倫理の中心に据えている点が、他の主要な検索エンジンとの決定的な違いです 9。
- 代替モデルの提示: ユーザー追跡に依存しないコンテキスト広告とサブスクリプション(Privacy Pro)を組み合わせることで、プライバシーを尊重しながらも持続可能なビジネスモデルが実現可能であることを示しています 30。これは、データ寡占が進むデジタル市場において重要な意味を持ちます。
プライバシー重視時代の検索エンジンの選択肢として (As a search engine option in the age of privacy focus)
個人情報保護やデータプライバシーに対する社会的な関心が世界的に高まる現代において、DuckDuckGoはGoogle一強とも言える検索エンジン市場において、無視できない有力な代替選択肢としての地位を確立しつつあります 1。DuckDuckGoの存在は、ユーザーに対して、検索エンジンの利用において「プライバシー」という要素を明確に意識させ、選択肢を提供しています。
ユーザーは、Googleが提供する高度なパーソナライゼーションや統合サービスの利便性と、それに伴うデータ収集・利用のリスクを天秤にかけることができます。一方で、DuckDuckGoが提供する強力なプライバシー保護と、それに伴う可能性のある利便性のトレードオフ(検索品質の感覚差など)を比較検討し、自身の価値観やニーズに最も合致した検索エンジンを選択することが可能です 11。DuckDuckGoの成長は、市場原理を通じて、Googleのような支配的なプラットフォームに対しても、プライバシーへの配慮を促す一定の圧力を生み出している可能性も指摘できます 34。
ユーザーへの推奨事項 (Recommendations for users)
DuckDuckGoの利用を検討している、あるいは既に利用しているユーザーに対して、以下の点を推奨事項として挙げます。
- プライバシーを最優先するなら: オンラインでの追跡を可能な限り避けたい、ターゲティング広告やフィルターバブルから解放されたい、というユーザーにとって、DuckDuckGoは現時点で最も有力な選択肢の一つです。検索エンジンだけでなく、プライバシーブラウザや拡張機能の利用も強く推奨されます 2。
- 検索品質とのバランス: もしDuckDuckGoの検索結果に時折不満を感じる場合は、無理にDuckDuckGoだけで完結させようとせず、!Bangs機能を活用して、特定の検索(例:専門的な調査、固有名詞の深掘りなど)にはGoogle (!g) やWikipedia (!w) などを適宜併用するのが現実的かつ効率的な使い方と言えるでしょう 8。
- より高度な保護を求めるなら: DuckDuckGoが提供する有料プラン「Privacy Pro」は、VPN、個人情報削除、ID盗難復旧支援といった追加機能を提供し、より包括的なプライバシー保護を実現します 12。ただし、特にVPN機能については、サーバー数や機能面で専門のVPNサービスに劣る可能性があるため、自身のニーズに合わせて他のサービスと比較検討することが賢明です 43。
- 限界の認識: DuckDuckGoは強力なプライバシー保護を提供しますが、万能ではありません。!Bangsで他のサイトに移動した後や、広告をクリックして広告主サイトに遷移した後は、そのサイトのポリシーが適用されます 2。また、VPNを使用しない限り、インターネットサービスプロバイダ(ISP)やアクセス先のウェブサイトには依然としてユーザーのIPアドレスが見える可能性があります 22。DuckDuckGoが提供する保護の範囲と限界を理解しておくことが重要です。
今後の展望
DuckDuckGoは、プライバシー保護という明確な旗印の下で着実に成長を遂げてきました。今後の展望としては、以下の点が注目されます。
- 検索品質の向上: ユーザーから指摘のある検索品質、特に関連性やニッチな分野での精度向上は、継続的な課題であり、今後の成長のためには改善が期待されます 41。Bingなどの外部ソースへの依存とプライバシー保護のバランスを取りながら、独自のインデックスやアルゴリズムの強化を進める可能性があります。
- プライバシー機能の拡充: Privacy Proの提供開始に見られるように、検索やブラウジングにとどまらず、VPN、メール保護、データ削除支援など、オンラインプライバシーに関わる包括的なツール群を拡充していくと考えられます 56。AI機能(Duck.aiなど)も、プライバシーを維持しつつ機能強化が進むでしょう 15。
- パートナーシップと独立性: Microsoftとの提携はビジネス上重要ですが、過去のトラッカー問題を踏まえ、よりプライバシーに配慮した技術(例:代替の広告効果測定技術)への移行や、パートナーへの依存度を低減する方向性を模索する可能性があります 32。これにより、ユーザーの信頼をさらに高め、ブランドイメージを強化することが期待されます。
DuckDuckGoは、テクノロジー業界においてプライバシーが単なる付加価値ではなく、基本的な権利であり、持続可能なビジネスの基盤となりうることを示し続けています。今後も、プライバシー意識の高まりを背景に、その動向が注目される存在であり続けるでしょう。
引用文献
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