サッカー選手のセカンドキャリア完全ガイド:引退後の現実と成功への道筋【海外事例・Jリーグ・下部リーグまで徹底解説】

目次

はじめに:最後の笛が鳴った後、本当の「後半戦」が始まる

ピッチを駆ける時間は、プロサッカー選手の人生において最も輝かしい瞬間かもしれない。しかし、そのキャリアは驚くほど短い。引退の笛が鳴った後、彼らには現役生活よりも遥かに長い「後半戦」が待ち受けている。この移行期間は、単なるキャリアチェンジではなく、しばしば深刻な困難を伴う人生の転換点となる。

この問題の深刻さは、国際プロサッカー選手会(FIFPRO)が発表した衝撃的なデータによって浮き彫りにされている。FIFPROの「Mind the Gap」レポートによれば、プロサッカー選手の実に67%が、引退後に何をするか確信が持てないと回答している 1。引退後のキャリアパスに「自信がある」と答えた選手はわずか33%に過ぎず、大多数が漠然とした不安を抱えている実態が明らかになった 1。さらに、選手のキャリアは常に順風満帆に終わるわけではない。46%もの選手が、怪我や契約非更新といった予期せぬ形でキャリアの終焉を迎えている 2。これは、多くの選手が十分な準備期間を持てないまま、突然人生の岐路に立たされることを意味する。

本稿では、このサッカー選手のセカンドキャリアという普遍的な課題について、海外の文献やデータを基に包括的に解説する。まず、引退がもたらす世界共通の現実を多角的に分析し、次に、円滑な移行を阻む障壁と、それに対処するための国内外のサポート体制を検証する。さらに、欧州5大リーグからJリーグ、JFLのような下部リーグやセミプロに至るまで、階層ごとに異なる課題と成功・失敗事例を具体的に掘り下げていく。最後に、これら全ての分析を踏まえ、選手たちがより持続可能な未来を築くために、サッカー界全体がどうあるべきかという「あるべき論」を提言する。

第1章 引退の現実:4つの側面から見る世界共通の挑戦

サッカー選手の引退は、単一の問題ではなく、心理的、経済的、身体的、そして職業的な側面が複雑に絡み合った複合的な挑戦である。華やかなキャリアの裏に潜むこの現実を、具体的なデータと共に解き明かす。

1.1 心理的な空白:アイデンティティの喪失とメンタルヘルス

引退は単なる転職ではない。それは「アイデンティティの激変」である 3。選手たちは、それまでの人生を定義してきた練習、試合、チームという厳格な構造、仲間との絆、そして明確な目的を一度に失う 4。この「アスリート・アイデンティティ」への過度な依存、すなわち「アイデンティティ・フォアクロージャー(自己同一性の早期完了)」の状態にある選手ほど、引退後の人生を考えること自体が困難になる 7

このアイデンティティの喪失は、深刻なメンタルヘルスの問題を引き起こす主要な要因となる。複数の研究が、引退した選手は不安やうつ病の発症率が高いことを示している 3。例えば、オランダの元プロ選手を対象とした調査では、引退後12ヶ月以内における不安・うつ症状の発生率が最大で29%に達した 12。また、イギリスの元選手を対象とした調査では、54%が引退後に自身の精神的な健康について懸念を抱いた経験があると報告している 13

特に、キャリアが予期せず終了した場合、その心理的打撃は計り知れない。前述の通り、全選手の約半数がこの「非自発的引退」を経験しており、準備不足のままキャリアを絶たれることが、心理的な苦痛をさらに増幅させる構造となっている 2

1.2 経済的な崖:万人が裕福という神話

エリート選手の高額な年俸がメディアで報じられるため、世間は「プロサッカー選手は一生安泰」というイメージを抱きがちだ。しかし、FIFPROは、そのような高給を得られるのはごく一部の選手に限られ、大多数の選手は経済的な不安定さに直面していると警鐘を鳴らす 15。特に、下部リーグの選手にとって、引退後の仕事は選択肢ではなく、生計を立てるための必須事項である 16

その現実は、衝撃的な数字となって表れる。英国の元選手を支援する団体Xproの調査によれば、プレミアリーグの元選手の5人中3人、すなわち60%が引退後5年以内に自己破産を宣告しているという驚くべき報告がある 18

なぜ、これほど多くの選手が経済的困窮に陥るのか。その原因は複合的である。

  • 収入の急減:引退とともに収入が劇的に減少する現実への適応が難しい 13
  • 金融リテラシーの欠如:現役時代から資産形成や将来設計に関する知識が不足している 5
  • 浪費と不適切な投資:高価な時計や車といった価値が下がる資産への投資、信頼できないアドバイザーへの依存、そして現役時代のライフスタイルを維持しようとする浪費文化が資産を蝕む 18
  • 個人的問題:高額な慰謝料を伴う離婚や、ギャンブル・アルコール依存なども破産の引き金となる 20

1.3 身体的な代償:痛みを抱える身体

プロとしてのキャリアは、身体に深刻な代償を強いる。引退後、多くの選手が慢性的な痛み、若年性の変形性関節症、その他の筋骨格系の疾患に苦しめられる 8。これは生活の質を著しく低下させるだけでなく、選択できるセカンドキャリアの幅をも狭めてしまう 5

近年では、さらに深刻な問題が指摘されている。ヘディングなどによる頭部への反復的な衝撃と、認知症や慢性外傷性脳症(CTE)といった神経変性疾患との関連性を示す研究が増えているのだ 6。これは、選手の長期的な健康計画に、これまでとは異なる次元の恐怖と不確実性をもたらしている。

1.4 職業的な障壁:ゼロからのスタート

多くの選手は、サッカー以外の分野における学歴や職務経験が限られた状態で引退を迎える 4。これが、新たなキャリアを築く上での大きな障壁となる。

さらに、一般の雇用主は、アスリートが持つ規律、チームワーク、リーダーシップ、回復力といった貴重な「移転可能スキル」を十分に認識していない場合が多い 25。元Jリーガーの磯村亮太氏が指摘するように、日本では「大学卒業後3年間プロとしてプレーした選手が、大学4年生のサッカー部員よりも就職が厳しい」という厳しい現実が存在する 26。これは、プロとしての経験が、ビジネス社会では必ずしも有利に働くとは限らないことを示唆している。

これら4つの挑戦は、それぞれが独立した問題なのではなく、相互に深く関連し合い、一つの複雑な「移行期症候群」を形成している。例えば、慢性的な身体的な痛みは、うつ病などの心理的な不調を引き起こす可能性がある 10。その

心理的な苦痛(アイデンティティの危機など)は、ギャンブルや衝動買いといった破滅的な経済的判断につながりかねない 22。そして、

経済的な不安は、メンタルヘルスを悪化させる最大の要因の一つであると指摘されている 13。これら全てが組み合わさることで、選手が

職業的な挑戦、すなわち新しいキャリアを見つける能力は著しく損なわれる。したがって、セカンドキャリア支援は、これらの問題を個別に対処するのではなく、選手の心身、経済、そしてキャリア全体を包括的に捉えるホリスティックなアプローチが不可欠となる。

表1:キャリア移行における4つの主要な挑戦
挑戦の領域
心理的
経済的
身体的
職業的

第2章 円滑な移行を阻む障壁:なぜ準備は失敗するのか

多くの選手がセカンドキャリアの重要性を認識しながらも、なぜ準備不足のまま引退を迎えてしまうのか。その原因は、現役選手が置かれた過酷な環境と、引退後に直面する特有の壁に分けられる。

2.1 現役選手のジレンマ:過負荷のシステム

現役選手がキャリアプランニングの障壁として一貫して挙げるのが「時間の制約」である 2。しかし、これは単に「忙しい」というレベルの話ではない。FIFPROの「選手ワークロード監視(PWM)」レポートは、現代サッカーが「試合カレンダーを共食いしている」と断罪し、その過酷な実態をデータで示している 28

例えば、2023-24シーズンには、アルゼンチン代表のフリアン・アルバレスがシーズン83試合でメンバー入りし、日本代表の南野拓実はアジアカップ後の代表戦から所属クラブの次戦までの回復期間がわずか1日しかなかった 28。監視対象となった選手の54%が「過度または高い」ワークロードを経験しており、これは個人の努力でどうにかなる問題ではないことを示している 28

このような極度の肉体的・精神的負荷は、選手から自己啓発や将来設計のための時間とエネルギーを奪い去る。より多くの試合を求めるサッカー産業の構造そのものが、選手のセカンドキャリア準備を直接的に阻害しているのである。

2.2 引退後の壁:新たな現実との直面

引退後、選手たちが直面する障壁は質的に変化する。FIFPROの調査によれば、元選手たちは「モチベーションの欠如」「再教育のための資金不足」「長期的な視点の欠如」を主な障害として挙げている 2

さらに深刻なのは「情報格差」である。調査対象となった全選手の54%がセカンドキャリアに関する支援を一切受けておらず、そのうちの18%は「支援を受けられること自体を知らなかった」と回答している 2。支援制度が存在しても、それを必要とする人々に届いていないという現実がある。

そして、最も根深いのが心理的な障壁だ。支援を受けなかった選手の14%は、引退後の人生について「考えたくなかった」と答えている 2。これは、第1章で述べたアイデンティティ・フォアクロージャーの問題に直結する。彼らにとって、引退後の計画を立てることは、サッカー選手としての「死」を意識することであり、自らを定義してきたアイデンティティの喪失を認める辛い作業なのである。

これらの障壁を分析すると、セカンドキャリア移行の失敗は、個々の選手の怠慢というよりも、むしろ構造的・文化的な問題であることが見えてくる。まず、サッカー産業が選手に持続不可能なワークロードを課すことで、現役中の準備を物理的に不可能にする(構造的障壁)。次に、サッカー界の文化が「サッカーに全てを捧げる」ことを美徳とし、引退後のキャリアを考えることを一種のタブーのように扱うことで、選手の心理的な準備を阻む(文化的障壁)。その結果、選手たちは心身ともに疲弊し、経済的にも制約がある中で、心理的な抵抗感を抱えたまま引退を迎えることになる。既存の支援プログラムは、こうした構造的・文化的な土壌によって利用が妨げられており、問題の根本解決には至っていない。したがって、真の解決策は、単に支援プログラムを増やすことではなく、アカデミーの段階からキャリアプランニングを当然のこととして組み込み、選手の人生全体をサポートするという文化を醸成する、より根本的な変革にある。

第3章 グローバルと国内のサポートインフラ

選手のセカンドキャリアを支えるためのインフラは、世界的に整備が進められている。ここでは、国際的なベストプラクティスと日本の先進的な取り組みを比較検討し、効果的な支援のあり方を探る。

3.1 国際標準:選手会と統括団体の役割

選手のセカンドキャリア支援において、最も重要な役割を担っているのが選手会である。FIFPROの調査では、何らかの支援を受けた選手の70%が、所属する国の選手会(例:英国のPFA)から支援を受けていた 1。選手会は、福利厚生のサポートや金銭的なアドバイスから、教育助成金の提供まで、多岐にわたるサービスを展開している 13

こうした中、欧州サッカー連盟(UEFA)が提供する「キャリア・トランジション・プログラム(CTP)」は、国際的なベンチマークと評価されている。これは、現役選手および引退間もない選手が、ピッチ外での将来を計画するために設計された専門的な職業訓練プログラムである 30

CTPのカリキュラムは、単なる職業紹介ではない。才能テストや自己評価を通じて自身の強みや性格を分析し、サッカー選手として培ったスキルが他の分野でどう活かせるか(移転可能スキル)を理解することに重点を置いている 30。プログラムの最終目標は、具体的な「キャリア行動計画」を作成することにある。

このプログラムの大きな特徴は、イヴァン・ラキティッチやダヴォール・シューケルといった、セカンドキャリアで成功を収めた元トップ選手がメンターとして参加し、自らの経験を共有する点だ 30。現役選手の多忙なスケジュールに対応するため、1,490ユーロで受講可能なオンライン版も提供されており、アクセシビリティも確保されている 31

3.2 日本のアプローチ:Jリーグキャリアサポートセンター(JCSC)

日本においては、Jリーグが世界に先駆けてセカンドキャリア支援に着手してきた。2002年に設立された「Jリーグキャリアサポートセンター(JCSC)」は、その先駆的な取り組みとして知られている 2。JCSCの設立背景には、日本のスポーツ界がプロ化する中で、かつてのように企業が選手の生涯雇用を保障しなくなったという社会構造の変化があった 36

JCSCは、現役選手と引退選手の両方を対象に、包括的なサポートを提供している 2

  • 引退選手向け:キャリアカウンセリング、適性診断、求人情報の提供から一歩踏み込んだ派遣サービス、そして大学や専門学校への進学情報の提供などを行う 2。また、契約満了となった選手が現役続行を目指すための合同トライアウトも主催している 2
  • 現役選手向け:プロ生活に関するカウンセリングのほか、ビジネスマナーやPCスキルといった社会人として必要な技能習得のための教育プログラムや金銭的補助を提供している 2

しかし、こうした手厚い支援体制にもかかわらず、日本国内の課題は依然として大きい。2024年に日本のプロ・セミプロアスリートを対象に行われた調査では、90.1%が引退後のキャリアに不安を感じたことがあると回答した 39。具体的な悩みとしては、「キャリアの方向性が見つからない」(59.0%)、「安定した収入源の確保」(50.0%)が上位を占め、提供されている支援と選手が実際に抱える不安との間にギャップが存在することが示唆されている 39

UEFAとJリーグの取り組みを比較すると、効果的な支援モデルの核心が見えてくる。それは、単に仕事のリストや研修コースといった「何を(what)」提供するかではなく、選手自身が「自分は何者か(who)」を理解し、「どのように(how)」未来を築くかの具体的な計画を立てるプロセスを支援することにある。UEFA CTPが自己分析や強みの把握に重点を置き、JCSCがカウンセリングや適性診断を重視しているのは、このためだ 2。最高の支援とは、選手に魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教え、自らの力で未来を切り拓く力を与える、コンサルテーションやコーチングに基づいたアプローチなのである。

表2:キャリア支援プログラムの比較(UEFA CTP vs Jリーグ JCSC)
特徴
対象者
主要サービス
提供形態
基本理念

第4章 最後の笛が鳴った後の道筋:成功と失敗のケーススタディ

引退後のキャリアパスは多岐にわたる。ここでは具体的な事例を通じて、選手たちが歩む多様な道筋と、そこに潜む成功の鍵、そして失敗の教訓を探る。

4.1 ゲームに留まる:伝統的なルート

最も一般的で自然な選択肢は、サッカー界に留まることである。

  • 指導者・監督:多くの選手が現役時代から指導者ライセンスの取得を始める 40。その道は、ジョゼップ・グアルディオラのような世界的名将から、イングランドでワトフォードを率いるトム・クレヴァリーやノリッジ・シティでコーチを務めるジャック・ウィルシャーのように、様々なレベルで後進の指導にあたる元選手まで幅広い 40
  • 解説者・メディア:高い知名度と人気を誇った選手に開かれた道であり、テレビやメディアで活躍する。ガリー・リネカーやリオ・ファーディナンドがその代表例だが、競争は非常に激しい 40

4.2 アスリート起業家の台頭:新たなフロンティア

近年、引退後のキャリアとして最も注目されているのが起業である。アスリートは、規律、目標志向、回復力、リーダーシップといった、起業家にとって理想的な資質を兼ね備えている 24

  • マテュー・フラミニ(GFバイオケミカルズ):元アーセナルMFのフラミニは、持続可能なプラスチックの原料となるレブリン酸を製造するバイオ化学企業を共同設立。その企業価値は210億ポンド(約4兆円)とも言われ、世界を変える可能性を秘めた事業を展開している 43
  • ジェラール・ピケ(コスモス・ホールディング):元バルセロナDFのピケは、テニスの国別対抗戦デビスカップの放映権に関して30億ドル規模の契約を締結したメディア企業を設立。さらに、インフルエンサーをオーナーに迎えた革新的な7人制サッカーリーグ「キングス・リーグ」を立ち上げ、大きな成功を収めている 44
  • ルイ・サハ(アクシススターズ):元マンチェスター・ユナイテッドFWのサハは、自身が引退後に直面した苦労から、アスリート専門のSNSプラットフォームを開発。これが数十億ポンド規模のビジネスに成長した 44

日本でも、元Jリーガーが専門的なサッカースクールを立ち上げたり、元栃木SCの西澤代志也氏のように農業分野で起業したりと、新たな挑戦が始まっている 48

4.3 ピッチを離れて:型破りなキャリア

サッカー界とは全く異なる世界で成功を収めた選手たちもいる。彼らの存在は、セカンドキャリアの可能性が無限であることを示している。

  • アリエン・デ・ゼーウ(警察官):元ウィガンDFは、法医学を学んだ後、母国オランダで警察の刑事に転身した 40
  • イェジー・デュデク(レーシングドライバー):リヴァプールのCL優勝に貢献したGKは、プロのモータースポーツ選手へと華麗な転身を遂げた 51
  • ソクラテス(医師):ブラジルの伝説的MFは、現役時代から医師免許を持つ「デュアルキャリア」の先駆者だった 43
  • 内村圭宏(ITエンジニア):元Jリーガーの内村氏は、独学でプログラミングを学び、現在はシリコンバレーのIT企業Splunkでシニアエンジニアとして活躍している 48

4.4 教訓となる物語:破産の危機

輝かしいキャリアが必ずしも安泰な未来を約束するわけではない。第1章で指摘した経済的リスクは、具体的な破産事例によって裏付けられる。デイビッド・ジェームス、ポール・ガスコイン、エリック・ジェンバ=ジェンバといった選手たちは、数百万ポンドを稼ぎながらも経済的に破綻した 20。これらの事例は、不適切な資産管理、依存症、そして収入が激減する未来への備えの欠如がいかに危険であるかを物語っている。元北アイルランド代表キース・ギレスピーが出版した自伝のタイトル『いかにしてサッカー億万長者にならないか(How Not To Be A Football Millionaire)』は、そのリスクを痛切に物語っている 20

これらの成功例と失敗例を俯瞰すると、セカンドキャリアの成否を分けるのは、選択した「分野」そのものではなく、そこに至る「思考様式」であることがわかる。成功を収めたフラミニやピケ、内村といった選手たちは、現役中から将来を見据えて学び、計画的に行動していた(能動的計画45。対照的に、破産に至ったケースは、計画性の欠如と、引退後の新たな経済的現実に適応できなかった結果である(

受動的危機)。デ・ゼーウのような異色のキャリアも、長年の興味を追求し、新たな訓練を受けることを厭わない意欲の表れだ。成功の共通項は、業界を問わず、個人がいかに準備し、変化に適応できるかという点にある。そして、その準備と適応能力こそ、支援システムが育むべき核心的なスキルなのである。

第5章 二つの世界の物語:リーグ階層で見る現実の違い

セカンドキャリアという課題は、全ての選手に等しく降りかかるわけではない。サッカーピラミッドの階層によって、その性質は劇的に異なる。このニュアンスを理解することなく、本質的な解決策は見えてこない。

5.1 エリート層(欧州5大リーグ、J1スター選手)

巨万の富を築いたトップ選手たちは、経済的な基盤がある一方で、特有のプレッシャーに直面する。常に世間の注目を浴び、巨額の資産を管理する必要があり、その高い知名度ゆえにアイデンティティの喪失もより深刻になりがちである 15。彼らの挑戦は、日々の糧を得るための生存競争ではなく、資産をいかに保全し、新たな生きがいを見出すかという、目的探求の旅路であることが多い。

5.2 プロフェッショナル下部リーグ(J2/J3、イングランド・フットボールリーグ)

セカンドキャリア問題が最も深刻なのは、この中間層である。彼らはサッカーで生計を立てているものの、引退後の生活を保障するほどの収入は得られない。彼らにとって、セカンドキャリアは選択肢ではなく、必須事項なのだ 16

元イングランド下部リーグ選手、ベン・スミスの自伝『ジャーニーマン』は、その不安定な生活を生々しく描いている。引退後、彼は学校で働くことを余儀なくされ、専門外の仕事に戸惑い、うつ病寸前まで追い込まれた。これは、エリート選手が「生涯、経済的に自立している」のとは対照的な現実である 17

日本の状況も同様だ。調査によれば、セカンドキャリアの問題は、J2やJ3といった下位カテゴリーほど顕著になる傾向がある 53。これらのリーグには大学卒業の選手が多いが、それでもなお、厳しいキャリア移行に直面している。

5.3 セミプロ・アマチュア層(JFL、ノンリーグ)

この階層の選手たちにとって、セカンドキャリアは引退「後」に始まるものではない。それは、サッカーと「同時」に進行するものである。彼らは、フルタイムの仕事とセミプロサッカーの厳しい要求を両立させる「デュアルキャリア」を実践している 48

彼らの課題は、キャリアの「移行」ではなく、キャリアの「管理」である。彼らが必要とするのは、柔軟な勤務体系を許容する雇用主や、練習スケジュールへの配慮といった、デュアルキャリアを円滑に進めるための支援である 54。日本のJFL選手へのインタビューでも、彼らが将来を現実的に見据え、JFLでのプレーを、サッカー以外のキャリアへのステップ、あるいは最終章として捉えている様子がうかがえる 57

この階層別の分析から、サッカー界全体にとって極めて重要な示唆が得られる。それは、大多数の選手にとって「セカンドキャリア」という言葉自体が、実態を正確に表していないということだ。トップ1%の選手を除けば、「デュアルキャリア」こそが、より現実的で機能的なフレームワークなのである。エリート選手の「キャリア1 → 引退 → キャリア2」という直線的なモデルを前提に設計されがちな業界の支援策は、ピラミッドの土台を支える大多数の選手の生活実態と乖離している。この認識の転換こそが、真に効果的な支援体制を構築するための第一歩となる。業界は「引退後の支援」という発想から脱却し、キャリアの初期段階から「キャリアマネジメント」と「デュアルキャリア」を支援する視点を持つ必要がある。サッカーは人生の全てではなく、多くの選手にとっては、より大きな職業人生の一部であるという現実を直視すべきなのである。

第6章 あるべき論:サッカー選手の持続可能な未来を築くために

これまでの分析を踏まえ、選手、クラブ、そしてサッカー界全体が、選手のセカンドキャリアという課題にどう向き合うべきか、具体的な提言を行う。

6.1 後付けから統合へ:新たな哲学の必要性

キャリア開発支援は、キャリアの終盤に提供される任意選択の「セーフティネット」であってはならない。それは、アカデミー年代からトップチームに至るまで、選手の育成過程に必須要素として統合されるべきである 25。目指すべきは、引退後の危機管理(クライシス・マネジメント)から、現役中からの積極的な人材開発(ヒューマン・デベロップメント)への転換である。

6.2 共有される責任:ステークホルダー・エコシステム

この課題は、選手会だけの責任ではない。クラブ、リーグ、連盟、そして代理人を含む全てのステークホルダーが、協力的な支援エコシステムを構築するために貢献しなければならない 2。資金面では、オーストラリア、デンマーク、イングランドなどで見られるような、リーグ収益の一部を選手の能力開発プログラムに分配する労使協定モデルを、世界的に普及させることが有効な手段となりうる 2

6.3 スキルと教育の再定義:教室を超えて

支援プログラムは、単に研修コースを提供するだけでなく、選手自身が持つリーダーシップ、回復力、チームワークといった「移転可能スキル」を特定し、それをビジネスの文脈で言語化する手助けに重点を置くべきである 4。そして、第5章で論じたように、「デュアルキャリア」を積極的に支援し、促進することが不可欠だ。これは、柔軟な教育機会を提供し、アスリートの特殊な状況を理解する企業とのパートナーシップを構築することを意味する 24。これにより、「選手は単なる選手以上のものである」という考え方が常識となる。

6.4 生涯にわたるウェルビーイングの優先

精神的、身体的、経済的な健康は密接に連動している。したがって、支援は包括的かつ継続的でなければならない。これには、偏見なく容易にアクセスできるメンタルヘルス・リソースの提供 5、そして引退後も長期にわたって続く身体的な健康状態のモニタリングが含まれる 8

6.5 より良い未来への具体的提言

  • 選手へ:キャリアの早い段階から計画を始め、「デュアルキャリア」の考え方を受け入れること。サッカー界以外にも人脈を築き、利用可能な支援制度を積極的に活用すること。
  • クラブとリーグへ:アカデミーやトップチームの契約に、ライフスキル、金融リテラシー、キャリアプランニングに関する教育を義務として組み込むこと。将来の準備をすることが、プロ意識の欠如ではなく、むしろプロフェッショナリズムの証であるという文化を醸成すること。
  • サッカー産業全体へ:エリート、下部リーグ、セミプロといった階層ごとの異なるニーズを認識し、全てのプロフェッショナルレベルで包括的かつホリスティックな支援プログラムを標準化し、資金を提供すること。そして最も重要なのは、選手のウェルビーイングを守り、自己啓発のための時間と余白を生み出すために、過密な試合日程という根本原因にメスを入れることである。

選手のキャリアは、最後の笛と共に終わるのではない。彼らがピッチ上で見せた情熱と規律を、人生の「後半戦」でも発揮できるよう、サッカー界全体で支える責任がある。それは、単なる福祉の問題ではなく、サッカーというスポーツそのものの持続可能性に関わる、未来への投資なのである。

引用文献

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  48. サッカー選手のセカンドキャリアとは?成功するために必要なことを紹介 – ATHLETE LIVE, 7月 12, 2025にアクセス、 https://athlete-live.com/category_jobchange/soccer-secondcareer/
  49. プロサッカー選手が選んだセカンドキャリアは農業。5人の仲間が手を組み – トチノ, 7月 12, 2025にアクセス、 https://tochi-no.jp/article/detail/596
  50. セカンドキャリアは“情熱の横展開”を大切に|SNS総フォロワー30万人 小泉勇人の挑戦が照らすアスリートの可能性とは? 第二の挑戦 スポーツ選手のセカンドキャリアに迫る vol.5 – Sports for Social, 7月 12, 2025にアクセス、 https://sports-for-social.com/second-career/yuto-koizumi/
  51. Five footballers who went on to strange second careers – Elephant Sport, 7月 12, 2025にアクセス、 https://elephantsport.myblog.arts.ac.uk/2017/02/20/five-footballers-who-went-on-to-strange-second-careers/
  52. スポーツ選手がセカンドキャリアで成功する秘訣を解説!実際の選択肢も紹介。 – 創業手帳, 7月 12, 2025にアクセス、 https://sogyotecho.jp/athlete-career/
  53. J リーガーのセカンドキャリアサポート 桜美林大学澤井ゼミ B 柴田京太 坂下実穂 佐藤つか, 7月 12, 2025にアクセス、 https://www.ssf.or.jp/Portals/0/resources/spfj/2014/pdf/point/spj2014_point_D-7.pdf
  54. The Challenges of the Semi-Professional Footballer: A Case Study of the Management of Dual Career Develop – www.tass.gov.uk Title, 7月 12, 2025にアクセス、 https://www.tass.gov.uk/wp-content/uploads/2020/08/THECHA1.pdf
  55. The unlikely international: The non-league footballer living a double life – The Set Pieces, 7月 12, 2025にアクセス、 https://thesetpieces.com/latest-posts/the-unlikely-international-the-non-league-footballer-living-a-double-life/
  56. Non-League Football’s Influence on the Development of Young Talent, 7月 12, 2025にアクセス、 https://www.thenonleaguefootballpaper.com/guest-posts/493164/non-league-footballs-influence-on-the-development-of-young-talent/
  57. The Impact of Pre-retirement Activities on the Career Choice Other than Coach: Focusing on Japan Football League (JFL) Exiting Players Sub-elite and Non-elite引退前の活動が指導者以外の職業選択に与えた影響について:JFL退団選手サブ・エリートとノン・エリートに着目して – ResearchGate, 7月 12, 2025にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/388336030_The_Impact_of_Pre-retirement_Activities_on_the_Career_Choice_Other_than_Coach_Focusing_on_Japan_Football_League_JFL_Exiting_Players_Sub-elite_and_Non-eliteyintuiqiannohuodonggazhidaozheyiwainozhiyexua
  58. 第3章 キャリア移行の実態, 7月 12, 2025にアクセス、 https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/record/9027/files/6.pdf
  59. New ECA report released – Transition from Academy to First Team Football, 7月 12, 2025にアクセス、 https://www.ecaeurope.com/news-media-releases/new-eca-report-released-transition-from-academy-to-first-team-football/
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