コンカレントエンジニアリング完全網羅:現代開発マネジメントの理論、実践、そして進化的アプローチ

目次

1. 序論:製品開発におけるパラダイムシフトの歴史と定義

1.1 現代市場における「時間」と「複雑性」のジレンマ

21世紀の製品開発環境は、かつてないほどの多次元的な圧力に晒されています。グローバル化による競争の激化、顧客ニーズの多様化と短命化、そして製品そのものの技術的複雑性の増大です。かつて製造業において支配的であった「品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)」の三要素、いわゆるQCDは、どれか一つを優先すれば他が犠牲になるトレードオフの関係にあると信じられてきました。しかし、現代の市場環境においては、これらすべてを同時に、かつ極めて高い水準で満たすことが企業の生存条件となっています。特に「Time-to-Market(市場投入までの時間)」の短縮は、単なる競争優位性ではなく、製品ライフサイクルが短縮化する中で、収益機会を確保するための絶対的な要件となっています1

このような背景の中で、従来の開発手法の限界を打ち破るための体系的なアプローチとして確立されたのが「コンカレントエンジニアリング(Concurrent Engineering: CE)」です。

1.2 定義と歴史的背景:DoDからNASA、そして民間へ

コンカレントエンジニアリングの概念的な起源は古く、効率的な作業の並列化を目指す試みは産業革命期から存在しましたが、現代的な定義と体系化が行われたのは1980年代のアメリカです。1988年、米国防総省(DoD)傘下の防衛分析研究所(IDA)の研究チーム(Winnerら)は、コンカレントエンジニアリングを次のように定義しました。「コンカレントエンジニアリングとは、製品とその関連プロセス(製造や保守を含む)の統合的かつ並行的な設計への体系的アプローチである。このアプローチは、開発者が当初から、構想から廃棄に至るまでの製品ライフサイクルの全要素(品質、コスト、スケジュール、ユーザー要件を含む)を考慮することを意図している」1

この定義は、当時DARPA(国防高等研究計画局)が進めていた製品開発プロセスの改善プロジェクトの一環として生まれたものであり、IEEEやNASAといった先端技術機関においても標準的な参照モデルとなりました。NASAにおいては、この概念が「コンカレントエンジニアリングセンター(CEC)」という物理的・組織的な拠点へと進化し、ミッション設計の初期段階から多様な専門家が同居して設計を固める手法として定着しました4

1.3 本レポートの目的と構成

本レポートは、コンカレントエンジニアリングを単なる「日程短縮の手法」としてではなく、組織文化、マネジメント構造、そしてテクノロジーが三位一体となった包括的な経営戦略として再定義することを目的とします。

本稿では、まず従来のシーケンシャルな開発手法との比較を通じてCEの本質的なメカニズムを解明し、次にトヨタ自動車の「セットベース開発」や「チーフエンジニア制度」といった日本的経営にルーツを持つ核心的メソドロジーを深掘りします。さらに、ボーイング、スペースX、テスラ、ダイソンといったグローバル企業の具体的な成功・失敗事例を詳細に分析し、アジャイル開発との融合やデジタルツインの活用といった最新のトレンドを解説します。最後に、非エンジニアの経営層やマネージャーが自組織にCEを導入するための実践的なロードマップとチェックリストを提示します。


2. 理論的枠組み:シーケンシャルからコンカレントへの転換

2.1 シーケンシャルエンジニアリング(ウォーターフォール)の構造的限界

伝統的な製品開発プロセスは、「シーケンシャルエンジニアリング」あるいは「ウォーターフォール型開発」と呼ばれます。このモデルでは、開発工程が厳格に分離され、水が上流から下流へ落ちるように、一つの工程が完了して初めて次の工程が開始されます6

このプロセスは、各部門の責任範囲が明確であるという利点を持つ反面、現代の高速開発においては致命的な欠陥を抱えています。それは「情報の壁(Silos)」と「フィードバックの遅延」です。典型的なシナリオでは、設計部門が製品の仕様を固め、図面を完成させてから、それを「壁の向こう(Over the wall)」の生産技術部門に投げ込みます。生産部門が図面を受け取り、「この形状では加工が難しく、コストが跳ね上がる」と気づいた時には、すでに設計変更を行うには手遅れか、あるいは莫大なコストがかかる段階に達しています8

2.2 リレー競技からラグビーへ:プロセスのメタファー

竹内弘高と野中郁次郎が1986年の論文『The New New Product Development Game』で示した有名なメタファーを借りれば、シーケンシャルエンジニアリングは「リレー競技」です。バトン(設計図)が渡されるまで、次の走者(生産部門)は待機していなければなりません。これに対し、コンカレントエンジニアリングは「ラグビー」や「アメリカンフットボール」に例えられます。チーム全員(設計、製造、品質、営業、購買など)が最初からフィールドに立ち、互いにパスを回しながら一丸となってゴール(製品の完成)を目指してフィールドを進んでいきます1

2.3 フロントローディングと「変更コスト」の経済学

コンカレントエンジニアリングの経済的合理性を説明する上で最も重要な概念が「変更コストの曲線」です。製品開発において、変更にかかるコストは時間の経過とともに指数関数的に増大します。コンセプト段階での仕様変更は紙の上の修正で済み、コストは微々たるものですが、金型発注後や量産開始後の変更は、設備の廃棄、ラインの停止、市場回収といった甚大な損害をもたらします3

コンカレントエンジニアリングの核心戦略は、この「変更」や「問題解決」の発生タイミングをプロセスの初期段階に意図的に集中させる「フロントローディング」にあります。

開発フェーズシーケンシャル開発の特徴コンカレント開発の特徴
初期構想少数の企画・設計者のみが関与。情報の解像度は低い。多部門の専門家が参画。製造要件やコスト制約を初期から織り込む。
詳細設計設計部門が単独で最適化。後工程の制約は推測に頼る。生産、品質、購買、サプライヤーが並行して検討。設計案に対し即座にフィードバックを行う。
試作・検証ここで初めて製造上の問題(干渉、組立不能)が発覚する。デジタルツイン等で事前に検証済み。物理試作は確認の意味合いが強い。
量産立ち上げ設計変更(手戻り)が多発し、混乱が生じる。既に問題が解決されているため、垂直立ち上げが可能。

初期段階での工数やリソース投入量は、シーケンシャル方式に比べて増大します。しかし、後半での手戻り(Rework)が劇的に減少するため、トータルの開発期間(Time-to-Market)と総開発コストは大幅に削減されるという逆説的な効果が生まれます1

2.4 非エンジニアのためのアナロジー:レストランの厨房

エンジニアリングの文脈に馴染みのない方には、コンカレントエンジニアリングを「レストランの厨房運営」に例えると理解しやすくなります11

  • シーケンシャルな厨房: ウェイター(営業/企画)が注文を取り、伝票をシェフ(設計/バックエンド)に渡して休憩に入ります。シェフは料理を作り、完成してからウェイターを呼びます。ウェイターが料理を見ると、「お客様はアレルギー食材を抜いてほしいと言っていた」と気づきます。結果、料理は作り直し(手戻り)になり、お客様への提供が遅れます。
  • コンカレントな厨房: ウェイターが注文を取った瞬間、あるいは取る前からシェフと連携しています。「今日のおすすめ食材」を共有し(技術シーズ)、お客様の特別な要望(顧客ニーズ)をリアルタイムで厨房に伝えます。調理中もウェイターは進捗を確認し、皿の準備(生産準備)を並行して進めます。料理が完成した瞬間、それは完璧にお客様の要望を満たしており、即座に提供されます。

このアナロジーにおいて重要なのは、シェフ(技術)とウェイター(顧客接点)の間の「APIコントラクト(事前の合意形成とインターフェース)」が適切に機能していることです11


3. 核心的メソドロジー:セットベース開発とDfX

コンカレントエンジニアリングを支えるのは、単なる精神論ではなく、工学的かつ数学的に裏付けられた具体的な方法論です。

3.1 セットベース・コンカレントエンジニアリング(SBCE)

トヨタ自動車の製品開発システムの強さの源泉として知られるのが「セットベース開発(Set-Based Concurrent Engineering: SBCE)」です。これは、従来の欧米型開発である「ポイントベース開発」と対極をなす概念です13

3.1.1 ポイントベース vs セットベース

  • ポイントベース(一点集中型): 開発の早期段階で「これだ」という一つの設計案(ポイント)を選択し、それを改良していきます。もしその案が後の工程で技術的に不可能だと判明した場合、振り出しに戻って別の案を探さなければなりません。これは「イテレーション(反復)」という名の「手戻り」を引き起こします。
  • セットベース(集合型): 最初は複数の設計案(セット)を並行して検討します。それぞれの案について、設計、製造、コストなどの観点から実現可能な領域(Feasible Regions)を定義します。開発が進むにつれて、制約条件に基づいて徐々に案を絞り込み(収束させ)、最終的に全ての条件を満たす唯一の解(Intersection)に到達します。

3.1.2 SBCEの3つの原則

ミシガン大学のSobekらは、トヨタのSBCEを以下の3つの原則に集約しています14

  1. 設計空間のマップ化(Map the Design Space): 実現可能な領域を定義し、複数の代替案を検討する。
  2. 交差領域による統合(Integrate by Intersection): 各部門(設計、製造、生産技術)の実現可能セットを持ち寄り、それらが重なり合う領域(交差領域)を探す。これにより、全員が合意できる解を見つける。
  3. 決定の遅延による実現性の確立(Establish Feasibility Before Commitment): 十分な情報が集まるまで、最終的な仕様決定を意図的に遅らせる(Last Responsible Moment)。

一見すると「決定を遅らせる」ことは開発の遅れにつながるように思えますが、不確実性が高い初期段階での誤った決定(手戻りの原因)を回避できるため、結果として全体の日程は短縮されます。

3.2 Design for X (DfX) のフレームワーク

コンカレントエンジニアリングの実践において、各部門の要件を設計に織り込むためのガイドライン群が「Design for X (DfX)」です。「X」には製品ライフサイクルの様々な要素が入ります18

手法概要コンカレントエンジニアリングにおける役割
DfM (Design for Manufacturing)製造容易性設計加工、成形、鋳造などが容易な形状を設計し、製造コストと時間を削減する。製造エンジニアが設計初期から参画する主要な動機となる。
DfA (Design for Assembly)組立容易性設計部品点数を削減し、組立方向を一方向に揃えるなどして、組立工数を減らす。ロボットによる自動化(Automation)を前提とする場合にも不可欠。
DfS (Design for Service/Support)保守容易性設計故障時の修理や部品交換が容易な構造にする。製品寿命を通じた総コスト(TCO)を低減する。
DfC (Design for Cost)コスト設計設計段階から目標コストを設定し、材料選定や加工法を決定する。原価企画とも連携する。
DfE (Design for Environment)環境適合設計リサイクル性、解体容易性、有害物質の排除を考慮する。サーキュラーエコノミー対応として重要性が増している。

これらのDfX手法は、単独で存在するのではなく、トレードオフの関係にあります(例:組立を簡単にするために一体成型すると、金型コストが上がる)。このバランスを最適化するのがCEチームの役割です。


4. 組織論とリーダーシップ:チーフエンジニアと大部屋

コンカレントエンジニアリングを成功させる最大の要因はツールではなく「人」と「組織」です。部門間の壁を乗り越え、協調を促すための組織構造について解説します。

4.1 クロスファンクショナルチーム(CFT)の構築

CEの実装において最も基本的かつ重要な単位が「クロスファンクショナルチーム(CFT)」です。特定の機能(設計、営業、製造など)ごとの縦割り組織からメンバーを選抜し、一つの製品プロジェクトのために結成される横断的なチームです6

成功するCFTには、以下の特徴があります:

  • 早期参画(Early Involvement): プロジェクトのキックオフ時点から、製造、品質、購買、さらには主要サプライヤーがメンバーとして参加します。
  • 権限移譲: メンバーは自部門を代表して意思決定を行う権限を持たなければなりません。持ち帰って上司に確認するだけのリエゾン(連絡係)では機能しません。

4.2 トヨタ式「チーフエンジニア(主査)」制度

CFTを率いるリーダーシップのあり方として、トヨタの「チーフエンジニア(CE:主査)」制度は世界的なベンチマークとなっています25

4.2.1 ヘビーウェイト vs ライトウェイト

欧米の研究では、プロジェクトマネージャー(PM)を権限の強さで分類します。

  • ライトウェイトPM: スケジュール調整や部門間の連絡役にとどまり、製品の中身に対する決定権を持たない。
  • ヘビーウェイトPM(チーフエンジニア): 製品コンセプトの立案から、技術仕様の決定、コスト、品質、そして市場での成功まで、全責任を負う。

4.2.2 権限なきリーダーシップ

興味深いことに、トヨタのチーフエンジニアは多くの場合、チームメンバーに対する直接的な人事評価権(ライン権限)を持ちません。メンバーはあくまで機能別部門(車体設計部、エンジン部など)に所属しています。それにもかかわらず、チーフエンジニアは卓越した技術的見識、明確なビジョン、そして人間的な魅力によって、各部門の猛者たちを統率します。彼らは「製品の社長」として振る舞い、部門間の利害対立を「顧客価値」という基準で裁定します。

4.3 「大部屋(Obeya)」による視覚的管理

チームのコラボレーションを物理的・空間的に支援する仕組みが「大部屋(Obeya)」です。これは、プロジェクトに関わる主要メンバーが一つの部屋に集まり、壁一面に情報を掲示して議論する場です29

  • 情報の可視化: スケジュール、技術的課題、KPI、図面などが壁に貼り出され、全員が常に同じ「真実」を目にします。これにより、情報の非対称性が解消されます。
  • 即時の問題解決: メールや定例会議を待つことなく、その場で担当者同士が会話して問題を解決します。
  • リズムの形成: 毎朝のスタンドアップミーティングなどで、プロジェクトの心拍数(リズム)を整えます。

4.4 葛藤(コンフリクト)のマネジメントとトレードオフ曲線

部門間のコンフリクト(例:設計「性能を上げたい」vs 製造「作りやすくしたい」)は、CEにおいては回避すべきものではなく、より良い解を生み出すための原動力と捉えます。

ここで活用されるのが「トレードオフ曲線」です。例えば、「排気管の厚み」と「重量」の関係、あるいは「エンジンの推力」と「騒音」の関係をグラフ化し、技術的な限界線(パレートフロンティア)を可視化します32。これにより、声の大きさや政治力ではなく、データに基づいた建設的な交渉が可能になります。


5. 技術的バックボーン:PLM、デジタルツイン、MBSE

現代のコンカレントエンジニアリングは、高度なITインフラなしには成立しません。地理的に分散したチームが「同時」に作業するためには、デジタルの共通基盤が不可欠です。

5.1 PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)

PLMシステム(Siemens Teamcenter, Dassault 3DEXPERIENCE, PTC Windchillなど)は、製品データの一元管理(Single Source of Truth)を実現するバックボーンです9

  • BOM(部品表)の統合: 設計BOM(E-BOM)、製造BOM(M-BOM)、サービスBOM(S-BOM)を連携させ、設計変更が即座に全プロセスに反映されるようにします。
  • 変更管理: 設計変更が発生した際、影響を受ける部品や工程を自動的に特定し、関係者に通知します38

5.2 デジタルツインとバーチャルコミッショニング

デジタルツインは、物理的な製品や製造ラインの完全な「デジタルの双子」を仮想空間上に構築する技術です。これにより、物理的なモノができる前に検証が可能になります39

  • 3D干渉チェック(Clash Detection): 複雑な配管や配線が物理的に干渉しないかを自動的に検査します。ボーイング777では、これにより物理的なモックアップを廃止し、手戻りを大幅に削減しました42
  • バーチャルコミッショニング: 製造ラインのロボットやPLC(制御装置)のプログラムを、仮想空間上のラインでテストし、デバッグします。実機が工場に搬入される前に制御の不具合を潰せるため、工場の立ち上げ期間(ランプアップ)を数週間から数ヶ月短縮できます。ATS Industrial Automationの事例では、バーチャルコミッショニングにより、組立ラインの立ち上げにおいて6週間以上の時間を節約し、現場でのコミッショニング時間を70%削減したという報告もあります41

5.3 MBSE(モデルベース・システムズエンジニアリング)

製品が複雑化し、機械、電気、ソフトウェアが密接に絡み合うようになると、従来のドキュメントベースの仕様書では管理しきれません。MBSEは、SysMLなどの統一された記述言語を用いた「システムモデル」を中心に据えて開発を進める手法です4。

NASAのコンカレントエンジニアリングセンター(CEC)では、MBSEを活用することで、各分野の専門家が共通のモデルに対してパラメータを入力し、システム全体の整合性や性能への影響をリアルタイムでシミュレーションしています。これにより、設計の繰り返し(イテレーション)を高速化し、検討期間を劇的に短縮しています4。


6. アジャイル・ハードウェアと現代的展開

近年、ソフトウェア開発で主流となった「アジャイル開発」の原則をハードウェア開発に適用する動きが加速しており、これはコンカレントエンジニアリングの現代的な進化形と捉えられます。

6.1 コンカレント vs アジャイル:対立か融合か

  • コンカレントエンジニアリング: 主に「タスクの並列化」による時間短縮と、「全体最適」を目指す計画的なアプローチ。
  • アジャイル開発: 「短い反復(スプリント)」による学習と、「変化への適応」を重視する経験的なアプローチ。

一見異なるように見えますが、両者は「クロスファンクショナルチーム」「顧客価値への集中」「フィードバックの早期化」という点で共通しています。現代のハードウェア開発では、全体のマイルストーン管理にCEを用いつつ、サブシステムの開発にアジャイル(スクラムなど)を取り入れるハイブリッドな手法が主流になりつつあります47

6.2 アジャイル・コンカレントの実践者たち

テスラ:垂直統合による超高速イテレーション

テスラは、シリコンバレーのソフトウェア文化を自動車製造に持ち込みました。モデルSの開発では、週に平均20件ものエンジニアリング変更が行われていると報告されています51。これは、数年に一度のマイナーチェンジを行う従来の自動車メーカーとは次元の異なるスピードです。

これを可能にしているのは、極端なまでの「垂直統合(Vertical Integration)」です。主要部品やソフトウェアを内製化しているため、サプライヤーとの調整待ち時間が発生せず、社内のCEチーム内で即座に変更を実装・テストできます。また、OTA(Over-The-Air)アップデートにより、販売後の製品に対しても機能改善を継続的に提供しています52。

スペースX:「The Algorithm」と破壊的創造

スペースXのスターシップ開発は、ハードウェアにおけるアジャイルの極致です。彼らは「Test, Fly, Fail, Fix(テストし、飛ばし、失敗し、直し、また飛ばす)」というサイクルを超高速で回します。

イーロン・マスクが提唱する「The Algorithm」と呼ばれる5つのステップは、コンカレントエンジニアリングの精神を体現しています54。

  1. 要件を疑え(Make requirements less dumb): 誰が作った要件であれ、それが物理法則に反していないか、本当に必要かを疑う。
  2. プロセスを削除せよ(Try very hard to delete the part or process): 部品や工程を減らすことが最大の最適化。
  3. 簡素化・最適化せよ(Simplify or optimize): 削除してから最適化する。最初から最適化してはいけない。
  4. 加速せよ(Accelerate cycle time): プロセスを単純化してからスピードを上げる。
  5. 自動化せよ(Automate): 最後に自動化する。

この哲学の下、彼らは設計・製造・運用のチームを物理的に近接させ(工場のフロアからロケットが見える)、リアルタイムでのフィードバックループを回しています48


7. 詳細ケーススタディ

7.1 ボーイング777:「Working Together」の勝利

1990年代初頭、ボーイング社は新型旅客機777の開発において、「Working Together」というスローガンを掲げ、航空業界におけるCEの金字塔を打ち立てました。

  • Design-Build Teams (DBT): 238のクロスファンクショナルチームが結成され、設計、生産、品質、そして航空会社(顧客)の代表が一つのチームとして機能しました。
  • 100%デジタル定義: 史上初めて、物理的なモックアップを作らず、CATIAを用いた3Dモデル(Digital Pre-Assembly)のみで設計・検証を行いました。
  • 成果: 設計上の干渉や不具合による手戻り(Rework)が従来のプログラムに比べて50%以上削減され、開発期間の短縮と品質向上を実現しました10

7.2 ダイソン:失敗を許容するプロトタイピング文化

ダイソンの創業者ジェームズ・ダイソンは、最初のサイクロン掃除機「DC01」を完成させるまでに5,127台ものプロトタイプを作成しました57。

ダイソンの開発プロセスは、エンジニアが自ら手を動かして試作し、テストし、改善するという「Edisonian approach(エジソン流アプローチ)」に基づいています。彼らのコンカレント性は、デザイン(意匠)とエンジニアリング(機能)が完全に一体化している点にあります。デザイナーはエンジニアリングを理解し、エンジニアはデザインを理解することが求められます。初期段階からラピッドプロトタイピングを多用し、物理的な検証と設計修正を並行して進めることで、独創的な製品を生み出し続けています58。


8. 実践的導入ガイド:ウォーターフォールからの脱却

コンカレントエンジニアリングの概念は理解できても、実際に組織に導入することは容易ではありません。ここでは、非エンジニアの経営層やマネージャーが主導できる導入ステップを提示します。

ステップ1:現状分析と意識改革(Why & Assessment)

  • ボトルネックの特定: 「設計図が出てから製造が見積もりを出すまでに2週間かかる」「試作段階での設計変更が全体の30%を占める」といった具体的な痛点をデータで可視化します。
  • 経営層のコミットメント: CEの導入初期は、調整コストや会議の増加により、一時的に効率が落ちるように見えます(Jカーブ効果)。経営層が「フロントローディングによる初期投資」を許容し、長期的なリターンを信じる姿勢を示すことが不可欠です60

ステップ2:パイロットプロジェクトの選定(Start Small)

いきなり全社展開するのではなく、リスク許容度が高く、かつ成果が見えやすい中規模のプロジェクトを選定し、モデルケースを作ります。そこでクロスファンクショナルチーム(CFT)を結成し、「部門を超えた協力が成果を生んだ」という成功体験(Quick Win)を創出します61

ステップ3:インフラとツールの整備(Enablement)

  • 情報共有基盤: 部門間で分断されたデータを統合します。高価なPLM導入が難しい場合は、クラウドストレージや共有ドキュメントを活用し、「最新の情報がどこにあるか」を明確にするだけでも効果があります。
  • コミュニケーション: SlackやTeamsなどのチャットツールを導入し、メール文化(非同期・閉鎖的)からチャット文化(即時・開放的)への移行を促します。

ステップ4:プロセスの再設計(Rules & Gates)

  • ゲートレビューの厳格化: 開発の各フェーズ(ゲート)の完了要件に、「図面ができたか」だけでなく、「製造部門の承認を得たか」「サプライヤーのフィードバックを反映したか」という項目を追加します。
  • コンフリクト解消のルール化: 意見が対立した際に、誰が(チーフエンジニア役)、どのような基準(顧客価値、コスト、品質)で決定を下すのかを事前に定めます。

ステップ5:文化の醸成(Culture Shift)

  • 「早い失敗」の称賛: 設計段階で問題を指摘した製造担当者や、早期にミスを報告した設計者を評価します。問題発見を「批判」ではなく「貢献」と捉える文化を作ります。
  • T型人材の育成: 自分の専門分野(縦棒)を持ちつつ、隣の部門の言語や論理(横棒)を理解できる人材を育成します。ジョブローテーションや部門間交流が有効です23

9. 結論と将来展望

コンカレントエンジニアリングは、もはや「新しい手法」ではありません。それはグローバルな製造業における「標準言語」であり、競争に参加するためのチケットです。しかし、多くの企業において、それはまだ形式的な導入(ツールを入れただけ、会議を増やしただけ)に留まっており、その真価を発揮できていません。

本質は、**「情報の並列処理」「協調による創造」**にあります。テクノロジーの進化は、この本質をさらに加速させます。AIやジェネレーティブデザインは、何千もの設計案(セット)を瞬時に生成・評価し、エンジニアに最適なトレードオフを提示してくれるでしょう。デジタルツインは、物理的な制約を超えて、世界中のエンジニアが同じ仮想空間で協働することを可能にします。

開発の現場において、プロセスに迷いが生じたときは、次のシンプルな問いに立ち返ってください。

「後工程で判明するであろう問題を、今この瞬間に知るには、誰と話せばいいか?」

この問いを組織全体で共有し、デジタルツールという武器と、人間的な対話という知恵を組み合わせることで、企業は真のコンカレントエンジニアリングを実現し、不確実な未来を切り拓くスピードと強さを手に入れることができるでしょう。

引用文献

  1. Concurrent engineering – Wikipedia, 11月 24, 2025にアクセス、 https://en.wikipedia.org/wiki/Concurrent_engineering
  2. (PDF) Concurrent Engineering – Past, Present and Future. – ResearchGate, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/221004510_Concurrent_Engineering_-_Past_Present_and_Future
  3. Time-to-market and concurrent engineering in product development processes, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/235256613_Time-to-market_and_concurrent_engineering_in_product_development_processes
  4. Model-Based Systems Engineering in Concurrent Engineering …, 11月 24, 2025にアクセス、 https://ntrs.nasa.gov/api/citations/20150022911/downloads/20150022911.pdf
  5. EPISODE 10: CONCURRENT ENGINEERING | APPEL Knowledge Services, 11月 24, 2025にアクセス、 https://appel.nasa.gov/podcast/episode-10-concurrent-engineering/
  6. Concurrent Engineering – ManufacturingET.org, 11月 24, 2025にアクセス、 http://www.manufacturinget.org/2011/08/concurrent-engineering/
  7. Concurrent Model In Software Engineering: A Practical Guide for Software Engineers and Managers – Google Sites, 11月 24, 2025にアクセス、 https://sites.google.com/view/hergunawo
  8. XII. CONCURRENT ENGINEERING (CE), 11月 24, 2025にアクセス、 https://web.eng.fiu.edu/leet/ESI4554ISE/tqm41.pdf
  9. What Is Concurrent Engineering? – PTC, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ptc.com/en/blogs/plm/what-is-concurrent-engineering
  10. The making of Boeing 777: a case study in concurrent engineering – ResearchGate, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/220572938_The_making_of_Boeing_777_a_case_study_in_concurrent_engineering
  11. Engineering Mental Model — Analogy of a Restaurant Kitchen | by Bernardus Billy Tjiptoning | Kargo Technologies | Medium, 11月 24, 2025にアクセス、 https://medium.com/kargo-engineering/engineering-mental-model-analogy-of-a-restaurant-kitchen-fe1c5b1bd508
  12. Coding and Cooking: A Flavorful Analogy – DEV Community, 11月 24, 2025にアクセス、 https://dev.to/doozieakshay/coding-and-cooking-a-flavorful-analogy-n33
  13. Lean product development and agile project management in the construction industry | Revista de Gestão | Emerald Publishing, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.emerald.com/insight/content/doi/10.1108/REGE-01-2019-0021/full/html
  14. An Introduction to Set-based Design – Lean Construction Blog, 11月 24, 2025にアクセス、 https://leanconstructionblog.com/introduction-to-set-based-design.html
  15. Toyota’s Principles of Set-Based Concurrent Engineering – ResearchGate, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/248139929_Toyota’s_Principles_of_Set-Based_Concurrent_Engineering
  16. Practical Applications of Set-Based Concurrent Engineering in Industry, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.sv-jme.eu/?ns_articles_pdf=/ns_articles/files/ojs3/1531/submission/1531-1-2021-1-2-20171103.pdf&id=5976
  17. The Secret to how Toyota Innovate — Set-Based Concurrent Engineering | by Tom Connor | 10x Curiosity | Medium, 11月 24, 2025にアクセス、 https://medium.com/10x-curiosity/the-secret-to-how-toyota-innovate-set-based-concurrent-engineering-c9d9553ec24
  18. Methodology – DFX Institute, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.designforx.com.br/metodologia-en
  19. What is Design for Excellence? (DFX) | Dassault Systèmes, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.3ds.com/store/cad/design-excellence
  20. Design for X – Wikipedia, 11月 24, 2025にアクセス、 https://en.wikipedia.org/wiki/Design_for_X
  21. Design for X (DFX) – Six Sigma Study Guide, 11月 24, 2025にアクセス、 https://sixsigmastudyguide.com/design-for-x-dfx/
  22. Seven Design for X concentrations that create Business Value – Boston Engineering, 11月 24, 2025にアクセス、 https://blog.boston-engineering.com/seven-dfx-concentrations-that-create-business-value
  23. Concurrent Engineering Teams: The Role of Cross-Functional Teamwork in Engineering Project Performance – ResearchGate, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/239525772_Concurrent_Engineering_Teams_The_Role_of_Cross-Functional_Teamwork_in_Engineering_Project_Performance
  24. Cross-functional teams and concurrent engineering: contributions to the development of product design through multidisciplinary – AWS, 11月 24, 2025にアクセス、 http://host-article-assets.s3.amazonaws.com/pmd/586fc513f7636eea018b45a4/fulltext.pdf
  25. Project Manager Versus Chief Engineer: What’s The Difference? – Michel Baudin’s Blog, 11月 24, 2025にアクセス、 https://michelbaudin.com/2016/06/12/project-manager-versus-chief-engineer-whats-the-difference/
  26. Engineering Leadership Lessons from Japan – IEEE-USA InSight, 11月 24, 2025にアクセス、 https://insight.ieeeusa.org/articles/engineering-leadership-lessons-from-japan/
  27. Chief Engineer – Lean Enterprise Institute, 11月 24, 2025にアクセス、 https://info.lean.org/hubfs/ebook%20files/Design-brief-chief-engineer-final.pdf
  28. Toyota Chief Engineers Beat the Bureaucracy: an Anomaly That Works | by Lean Enterprise Institute | The Design Brief | Medium, 11月 24, 2025にアクセス、 https://medium.com/the-design-brief/toyota-chief-engineers-beat-the-bureaucracy-an-anomaly-that-works-1a25a1d76200
  29. Obeya Rooms: An In-depth Guide – Miro, 11月 24, 2025にアクセス、 https://miro.com/obeya-room/what-is-an-obeya-room/
  30. Improve Design Team Collaboration: A Beginner’s Guide to Setting Up an Obeya Room, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.lean.org/the-lean-post/articles/a-beginners-guide-to-obeya/
  31. Obeya Management: 10 Practical Tips to Create a Command Center for Success | by Lean Enterprise Institute | The Design Brief | Medium, 11月 24, 2025にアクセス、 https://medium.com/the-design-brief/obeya-management-10-practical-tips-to-create-a-command-center-for-success-2101f444b6e2
  32. Tradeoff Curves for Target Costing of Assembly Processes – IEOM Society, 11月 24, 2025にアクセス、 http://www.ieomsociety.org/detroit2020/papers/124.pdf
  33. Knowledge visualization in product development using trade-off curves – ResearchGate, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/269301097_Knowledge_visualization_in_product_development_using_trade-off_curves
  34. Applying Trade-off Curve to Support Set-Based Design application in Aerospace Company, 11月 24, 2025にアクセス、 https://dspace.lib.cranfield.ac.uk/bitstreams/258237b0-bf14-4831-a98e-2989d99b0724/download
  35. How to make PLM your digital transformation backbone – Concurrent Engineering, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.concurrent-engineering.co.uk/blog/how-to-make-plm-your-digital-transformation-backbone
  36. Solutions for Engineering Teams – engineering | 3DEXPERIENCE platform – Dassault Systèmes, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.3ds.com/3dexperience/engineering
  37. Teamcenter PLM software – Siemens PLM, 11月 24, 2025にアクセス、 https://plm.sw.siemens.com/en-US/teamcenter/
  38. Key PLM Capabilities: Accelerating Product Development and Innovation – Arena Solutions, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.arenasolutions.com/what-is-plm/key-plm-capabilities/
  39. Integrating Digital Twin Technology with PLM for Enhanced Product Lifecycle Management – IRE Journals, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.irejournals.com/formatedpaper/1706326.pdf
  40. Digital twins: The art of the possible in product development and beyond – McKinsey, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.mckinsey.com/capabilities/operations/our-insights/digital-twins-the-art-of-the-possible-in-product-development-and-beyond
  41. Leveraging Virtual Commissioning to Meet Tight Deadlines with Automotive Battery Parts Manufacturing – ATS Industrial Automation, 11月 24, 2025にアクセス、 https://atsindustrialautomation.com/case_studies/leveraging-virtual-commissioning-to-meet-tight-deadlines-with-automotive-battery-parts-manufacturing/
  42. Concurrent Engineering Case Studies – old.crresearch.com, 11月 24, 2025にアクセス、 https://old.crresearch.com/HomePages/Resources/XQof7J/Concurrent%20Engineering%20Case%20Studies.pdf
  43. Use clash detection to resolve clearance issues – Siemens Digital Industries Software Blogs, 11月 24, 2025にアクセス、 https://blogs.sw.siemens.com/teamcenter/design-process-teamcenter/
  44. BIM Clash Detection: A Quick Guide – Digital Builder – Autodesk, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.autodesk.com/blogs/construction/bim-clash-detection/
  45. Minimizing Downtime: A Case Study on Virtual Commissioning in Automotive Manufacturing, 11月 24, 2025にアクセス、 https://atsindustrialautomation.com/case_studies/virtual-commissioning-in-automotive-manufacturing/
  46. Using virtual commissioning to reduce commissioning time by 70 percent, 11月 24, 2025にアクセス、 https://resources.sw.siemens.com/en-US/case-study-wipro-pari/
  47. (PDF) Agile Manufacturing vs. Lean Manufacturing – ResearchGate, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/372037898_Agile_Manufacturing_vs_Lean_Manufacturing
  48. What is the difference between concurrent engineering and agile methodology? – Reddit, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/AskEngineers/comments/i72bpe/what_is_the_difference_between_concurrent/
  49. Agile Teams: Concurrent Engineering & Overlapping Work – Mountain Goat Software, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.mountaingoatsoftware.com/blog/the-importance-of-overlapping-work-in-agile
  50. Agile for HW Concurrent Engineering – MAHD Framework, 11月 24, 2025にアクセス、 https://mahdframework.com/wp-content/uploads/2023/07/Agile-for-HW-Vs-Concurrent-Engineering-V1.0-7_2023.pdf
  51. Tesla Model S gains ’20 engineering changes’ per week – Drive, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.drive.com.au/news/tesla-model-s-gains-20-engineering-changes-per-week/
  52. Tesla’s Project Management Approach, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.projectmanagertemplate.com/post/tesla-s-project-management-approach
  53. Tesla — Vertical Integration Is Value Integration – CleanTechnica, 11月 24, 2025にアクセス、 https://cleantechnica.com/2019/08/26/tesla-vertical-integration-is-value-integration/
  54. SpaceX Innovation Algorithm | Saat Network GmbH, 11月 24, 2025にアクセス、 https://saat-network.ch/2023/08/spacex-innovation-algorithm/
  55. Concurrent Engineering—From Lip Service to Real Parallelism, 11月 24, 2025にアクセス、 https://flowengineering.com/blog/concurrent-engineering/
  56. The Boeing 777: A Look Back – NATO, 11月 24, 2025にアクセス、 https://publications.sto.nato.int/publications/AGARD/AGARD-CP-602/08CHAP05.pdf
  57. Only a Dyson works like a Dyson: the engineering behind Dyson vacuums, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.dyson.com/discover/innovation/behind-the-invention/only-a-dyson-works-like-a-dyson
  58. Strategy Study: How Dyson’s Innovation Became Its Key To Success, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.cascade.app/studies/dyson-strategy-study
  59. Dyson: Blowing Past the Design Process, 11月 24, 2025にアクセス、 https://challenges.robotevents.com/uploads/0019895_original.pdf
  60. Concurrent Engineering The Project Management Way, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.wcu.edu/pmi/1992/92PMI085.PDF
  61. The Waterfall to Agile Transition: How Roadmaps Can Keep You On Track – ProductPlan, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.productplan.com/learn/waterfall-to-agile-transition/
  62. Speeding up New Product Introduction Process using Stage-gate, Concurrent Engineering, and Agile workflows – ZFlow, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.zflow.io/speeding-up-new-product-introduction-process-using-stage-gate-concurrent-engineering-and-agile-workflows/
  63. Why & When to Adopt Concurrent Engineering? – Fractory, 11月 24, 2025にアクセス、 https://fractory.com/concurrent-engineering/
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次