I. はじめに:FileMakerって何?なぜ注目されているの?
現代のビジネス環境では、業務の効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が不可欠です。その中で、専門的なプログラミング知識がなくても、自社のニーズに合わせた業務システムを迅速に構築できるツールへの関心が高まっています。そのようなツールの代表格として注目されているのが「FileMaker(ファイルメーカー)」です。
FileMakerは、顧客情報管理、プロジェクト管理、在庫管理、日報作成など、企業活動における様々な情報を扱うカスタムアプリケーション(以下、カスタムApp)を、比較的容易に開発できる「ローコード開発プラットフォーム」として位置づけられています 1。これは、プログラミング言語を記述する量を最小限に抑え、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でアプリケーションを構築できる開発手法を指します。多くの企業で利用されているExcelのような表計算ソフトは、手軽にデータを扱える一方で、データ量が増えたり、複雑な処理や複数人での同時編集が必要になったりすると、管理が煩雑になりがちです 3。FileMakerは、そのような表計算ソフトの限界を超える高度なデータ管理能力と、業務プロセスの自動化を実現する機能を兼ね備えています。
FileMakerの大きな特徴の一つは、「リレーショナルデータベース」としての強力な機能を有しながらも、専門知識がないユーザーでも直感的に操作し、システムを構築できる点です 3。リレーショナルデータベースとは、複数の情報を関連付けて整理・管理できる仕組みのことで、例えば「顧客情報」と「購買履歴」といった異なる情報を紐付けて、より深い分析や効率的なデータ活用を可能にします。
このFileMakerを開発・提供しているのは、Claris International Inc.(以下、Claris社)という企業です。Claris社は、iPhoneやMacでお馴染みのAppleの100%子会社であり、この事実はFileMakerの信頼性や将来性を考える上で重要なポイントとなります 5。Apple製品が持つ洗練されたユーザーインターフェースや、エコシステムとの親和性の高さは、FileMakerにも色濃く反映されていると言えるでしょう。特に、iPadやiPhoneといったApple製デバイスとの連携機能は強力で、モバイル環境での業務アプリケーション開発において大きな強みとなっています 6。Appleの子会社であるという背景は、製品の品質、安定性、そして長期的なサポートに対するユーザーの信頼感を高める要因の一つです。FileMakerは単にApple製品と互換性があるというだけでなく、Appleの技術や思想と深く結びついているため、特にAppleエコシステムを積極的に活用している企業にとっては、そのメリットは計り知れないものがあります。
FileMakerの歴史は古く、最初のバージョンであるFileMaker v.1.0が米国でリリースされたのは1985年に遡ります 5。その後、Claris社(当時はClaris Corporation)からFileMaker IIがリリースされ、長年にわたる改良と機能拡張を経て、現在の強力なローコード開発プラットフォームへと進化を遂げてきました 5。この長い歴史と豊富な導入実績は、FileMakerが一時的な流行ではなく、時代と共に進化し続ける信頼性の高いプラットフォームであることを物語っています。

II. FileMakerでできること:主な機能とメリットを徹底解剖
FileMakerが多くの企業や組織で選ばれる理由は、その多機能性と柔軟性にあります。専門知識がなくても扱える手軽さから、本格的な業務システム構築まで、幅広いニーズに応える能力を持っています。
専門知識がなくてもカスタムアプリを開発可能
FileMakerの最大の魅力は、プログラミングの専門知識がなくても、自社の業務に最適化されたカスタムAppを開発できる点です 2。直感的なドラッグ&ドロップ操作による画面レイアウト作成や、日本語によるスクリプト(処理の自動化手順)作成機能により、プログラマーでなくても比較的容易に開発を始めることができます 3。
この「ローコード」というアプローチは、開発のハードルを大幅に下げ、現場の担当者自身が業務改善ツールを作成する「市民開発」を促進します。また、FileMakerには様々な業務に対応したテンプレートが豊富に用意されており、これらをベースに開発を始めることで、ゼロから構築する手間を省き、迅速なアプリ導入を実現できます 2。
多様な業務ニーズに対応
FileMakerの汎用性は非常に高く、様々な業種・業務の課題解決に貢献します。具体的には、以下のようなカスタムAppを構築できます。
- 顧客管理 (CRM):顧客情報、対応履歴、商談状況などを一元管理し、営業活動の効率化や顧客満足度向上を図る 1。
- プロジェクト管理:タスクの進捗、担当者、期限、予算などを管理し、プロジェクトを円滑に推進する 1。
- 資産管理:備品、機材、不動産などの情報を管理し、資産の有効活用や棚卸業務の効率化を実現する 1。
- 契約管理:契約書の情報、更新時期、関連書類などを管理し、コンプライアンス強化や契約漏れを防ぐ 1。
- 請求書発行・経費精算:請求書の作成・送付、経費の申請・承認プロセスを自動化し、経理業務を効率化する 1。
- イベント企画・運営:参加者登録、スケジュール管理、アンケート収集など、イベント運営をトータルでサポートする 1。
- その他:コンテンツライブラリ、フィールドリサーチ記録、サプライチェーン管理など、アイデア次第で多種多様なアプリを作成可能です 1。
さらに、FileMakerはマスタデータ(例えば社員情報マスタや商品マスタなど)と、それを利用する複数の関連アプリ(人事管理システム、経費計算システム、在庫管理システムなど)を同期させ、データを一元的に管理する能力に長けています 2。これにより、データの重複入力を防ぎ、常に最新かつ正確な情報に基づいて業務を進めることができます。
マルチプラットフォーム対応
現代の業務環境では、様々なデバイスが利用されています。FileMakerで開発したカスタムAppは、Windows、macOSといったデスクトップOSに加え、iOS (iPhone/iPad) やWebブラウザでも特別な追加開発なしに動作します 1。これは「一度作れば、どこでも使える (Build once, deploy anywhere)」という大きなメリットをもたらし、開発効率の向上と、多様なIT環境への対応を両立させます。
既存のデータを活用できる点もFileMakerの強みです。CSVファイル、XMLファイル、Microsoft Excelファイルなど、様々な形式で保存されているデータを簡単にFileMakerに取り込むことができるため、過去の資産を無駄にすることなく、スムーズなシステム移行やデータ連携が可能です 2。
効率的なデータ管理・共有・活用
FileMakerの中核は、堅牢なデータベース機能です。特に「リレーショナルデータベース」としての能力により、複数のテーブル(情報の集まり)を相互に関連付けて、複雑なデータを効率的に整理・管理できます 3。例えば、「顧客」テーブル、「商品」テーブル、「注文」テーブルを関連付けることで、「どの顧客が、いつ、どの商品を注文したか」といった情報を簡単に把握し、分析に活用できます。これは、単純なリスト形式のデータ管理では難しい、高度なデータ活用を実現します。
作成したカスタムAppやデータは、リアルタイムでチーム内に共有でき、複数人での共同作業を円滑に進めることができます 1。これにより、常に全員が最新の情報に基づいて判断し、行動することが可能になります。
また、FileMakerは強力な検索機能を備えており、AND検索(複数の条件をすべて満たすものを検索)やOR検索(複数の条件のいずれかを満たすものを検索)といった複雑な条件指定も可能です 9。大量のデータの中から必要な情報を迅速に見つけ出し、並べ替えることができるため、業務のスピードアップに直結します。
さらに、収集・管理しているデータを元に、グラフや表を含むレポートやダッシュボードを簡単に作成する機能も搭載されています 1。これにより、データを視覚的に分かりやすく表現し、経営判断や業務改善に役立つインサイトを得ることができます。
柔軟な運用環境:FileMaker CloudとFileMaker Server
FileMakerで開発したカスタムAppを運用・共有するための環境として、主に2つの選択肢が用意されています。それは、クラウドベースの「FileMaker Cloud」と、自社内にサーバーを設置するオンプレミス型の「FileMaker Server」です 1。
FileMaker Cloudは、Claris社が提供するPaaS (Platform as a Service) で、Amazon Web Services (AWS) の堅牢なインフラ上で稼働します 7。サーバーハードウェアの購入やソフトウェアのインストール、煩雑なメンテナンス作業が不要で、迅速にカスタムAppをチームに展開できます。自動バックアップ機能や最新のセキュリティアップデートも提供され、IT管理者の負担を大幅に軽減します 2。
一方、FileMaker Serverは、自社のサーバーマシンにインストールして運用するソフトウェアです 1。データの保管場所やセキュリティポリシーを自社で厳密に管理したい場合や、既存の社内システムとの連携が密接に必要な場合に適しています。
このように、組織の規模、ITポリシー、予算、セキュリティ要件などに応じて最適な運用環境を選択できる柔軟性は、FileMakerの大きな利点の一つです。
エンタープライズレベルのセキュリティ機能
業務で扱うデータ、特に顧客情報や財務情報などの機密情報は、厳重な保護が求められます。FileMakerは、エンタープライズレベルの堅牢なセキュリティ機能を標準で備えています。
- データの暗号化: 保管されているデータ(テキスト、数値、画像、動画などあらゆる種類のデータ)は、AES 256ビットという強力な暗号化方式で保護されます 7。
- 通信の暗号化: FileMakerクライアント(FileMaker ProやFileMaker Go)とサーバー間の通信は、SSL/TLSプロトコルによって暗号化され、データの盗聴や改ざんを防ぎます 7。
- 詳細なアクセス権設定: ユーザーアカウントごとに、利用できる機能やアクセスできるデータ範囲を細かく設定できます。特定のテーブル、レイアウト、フィールド単位での表示・編集・作成・削除権限を制御できるため、役職や担当業務に応じた適切な情報アクセス管理が可能です 2。
- 認証機能: Claris IDによるシングルサインオンシステムをサポートし、二要素認証にも対応しています。また、OktaやMicrosoft Active Directoryといった外部のIDプロバイダと連携した認証も可能です 7。
特にFileMaker Cloudは、セキュリティ、可用性、機密性に関するSOC 2® Type 2報告書を取得しているほか、情報セキュリティマネジメントの国際規格であるISO/IEC 27001、およびクラウドにおける個人データ保護の国際規格であるISO/IEC 27018の認証をApple Inc.として取得しており、第三者機関によってその高いセキュリティ基準が認められています 5。
FileMakerが「ローコード」プラットフォームとして初心者にも扱いやすい一方で、「プロコードの力」も秘めている点は特筆すべきです 13。基本的な機能は直感的な操作で利用できますが、より高度な機能や複雑なロジックを実装したい場合には、スクリプト言語の活用、JavaScriptとの連携、外部APIとの接続など、開発者向けの機能も充実しています 1。この二面性により、ユーザーはまず簡単なアプリから始め、スキルやニーズの成長に合わせて段階的に高度な機能を活用していくことができます。あるいは、ビジネスユーザーが基本的なアプリを作成し、IT部門の専門家がより複雑な連携やカスタマイズを行うといった協調作業も可能です。これにより、FileMakerは単なる簡易ツールに留まらず、長期的に利用できる拡張性の高いソリューションとなり得るのです。
III. FileMaker製品ラインナップ:あなたに最適なツールは?
FileMakerプラットフォームは、カスタムAppの開発から共有、利用に至るまで、一連のプロセスをサポートする複数の製品群から構成されています。それぞれの役割を理解することで、自社のニーズに最適なツールを選択できます。
製品名 | 主な用途 | 対応OS/環境 | 特徴 | ライセンス形態など |
FileMaker Pro | カスタムAppの設計、開発、実行 | Windows, macOS | ドラッグ&ドロップによるレイアウト作成、スクリプト機能、豊富な開発ツール、デバッグ機能 | 有償ライセンス(プラットフォームライセンスの一部または単体購入) |
FileMaker Go | iPad/iPhoneでのカスタムApp利用 | iOS, iPadOS | オフラインアクセス、GPS・カメラ・署名キャプチャ等のiOSネイティブ機能活用、バーコードスキャン | App Storeから無料ダウンロード |
FileMaker Server | カスタムAppのオンプレミスでの共有・管理 | Windows Server, macOS, Linux (Ubuntu) | 複数ユーザー同時接続、自動バックアップ、セキュリティ管理、サーバーサイドスクリプト実行、API連携 | 有償ライセンス |
FileMaker Cloud | カスタムAppのクラウドベースでの展開・管理 | クラウド (AWS基盤) | サーバー管理不要、迅速な展開、自動バックアップ、スケーラビリティ、Claris Connect連携、最新セキュリティ | 有償サブスクリプション(ユーザー数ベース) |
FileMaker WebDirect | Webブラウザ経由でのカスタムApp利用 | 主要Webブラウザ (Safari, Chrome, Edgeなど) | 特別なWebプログラミング不要、PC・モバイルデバイスからアクセス可能 | FileMaker Server/Cloudの機能の一部として提供 |
出典: 1
FileMaker Pro: カスタムアプリ開発の中核
FileMaker Proは、FileMakerプラットフォームの中心となるアプリケーション開発ツールです 1。WindowsおよびMacコンピュータ上で動作し、データベースの設計、レイアウト(画面)の作成、スクリプト(自動処理)の記述、セキュリティ設定など、カスタムAppを構築するためのあらゆる機能を提供します。直感的なインターフェースと豊富なテンプレートにより、初心者でも比較的容易に開発を始めることができますが、同時に高度な開発ツールやデバッグ機能も備えており、プロの開発者の要求にも応えます 7。
FileMaker Go: iPad/iPhoneでのモバイル活用
FileMaker Goは、FileMaker Proで作成したカスタムAppをiPadやiPhoneで利用するための無料のモバイルアプリです 1。App Storeからダウンロードでき、タッチ操作に最適化されたインターフェースで、場所を選ばずに業務データにアクセスし、入力・編集作業を行えます。GPSによる位置情報取得、カメラを使った写真やバーコードの読み取り、画面上での署名キャプチャなど、iOSデバイスならではのネイティブ機能をカスタムAppに組み込むことが可能です 7。オフラインでのデータ利用にも対応しており、通信環境がない場所でも作業を継続できます。
FileMaker Server: オンプレミスでのデータ共有と管理
FileMaker Serverは、組織内でFileMakerカスタムAppとデータを安全かつ効率的に共有するためのサーバーソフトウェアです 1。自社のサーバーマシンにインストールして運用するオンプレミス型のソリューションで、多数のユーザーによる同時アクセス、データの自動バックアップと復元、SSL暗号化通信によるセキュリティ確保、サーバーサイドスクリプトの実行による処理の自動化、外部システムとのAPI連携など、安定した運用に不可欠な機能を提供します 2。
FileMaker Cloud: クラウドベースのアプリ展開と管理
FileMaker Cloudは、Claris社が提供するクラウドホスティングサービスです 1。FileMaker Serverと同様の機能を持ちながら、サーバーハードウェアの購入や管理、ソフトウェアのアップデートといった手間が不要になります。AWSのインフラを利用しているため、高い信頼性とスケーラビリティが確保されており、ビジネスの成長に合わせて柔軟にリソースを調整できます 7。最新のセキュリティ機能が自動的に適用され、24時間365日の監視体制も提供されるため、安心してカスタムAppを運用できます。
FileMaker WebDirect: Webブラウザ経由でのアプリ利用
FileMaker WebDirectは、FileMaker Proで作成したカスタムAppを、特別なWebプログラミングを行うことなく、Webブラウザ上で直接利用できるようにする技術です 1。Safari、Google Chrome、Microsoft Edgeといった主要なWebブラウザに対応しており、ユーザーはPCやタブレット、スマートフォンなど、デバイスを問わず、どこからでもカスタムAppにアクセスできます 2。FileMaker Proのクライアントソフトウェアをインストールする必要がないため、不特定多数のユーザーへの情報提供や、一時的な利用者にアプリを使わせたい場合に特に便利です。
これらの製品群が連携することで、FileMakerプラットフォームは、小規模な個人利用から大規模な組織利用まで、多様なニーズに応えるカスタムAppソリューションの構築と運用を可能にしています。
IV. FileMakerの歴史と進化:最新バージョン(2024年版/21.x)の注目新機能
FileMakerは、1985年の登場以来、約40年にわたり進化を続けてきた歴史あるプラットフォームです。その歩みは、テクノロジーの変遷とユーザーニーズの変化を的確に捉え、常に最先端の機能を取り込んできた軌跡と言えるでしょう。
FileMakerの誕生から現在に至るまでの歩み
FileMakerの最初のバージョンは、1985年にForethought Inc.という会社から「FileMaker v.1.0」としてリリースされました 5。その後、Appleの子会社であったClaris Corporation(現在のClaris International Inc.)が開発を引き継ぎ、1988年に「FileMaker II」をリリースしました 5。当初はMacintosh専用のデータベースソフトでしたが、1992年にはWindows OSにも対応し、より幅広いユーザー層に利用されるようになりました 5。
初期のFileMakerは「カード型データベース」と呼ばれる、1つのファイルに1つのテーブル(データの集まり)というシンプルな構造が特徴でした 5。これは、紙のカードを整理するように直感的にデータを扱える利点がありましたが、複雑なデータ構造の表現には限界がありました。
大きな転換期となったのは2004年です。この年、FileMakerは「カード型データベース」の概念から脱却し、1つのファイル内に複数のテーブルを持ち、それらを相互に関連付けることができる「リレーショナルデータベース」へと大きく進化しました 5。これにより、より複雑な業務ロジックやデータ構造に対応できるようになり、企業向けの本格的な業務システム開発ツールとしての地位を確立しました。
2000年代後半からはインターネットの普及に伴い、Web公開機能(FileMaker WebDirectの前身)や、FileMaker Serverによる複数人でのデータ共有機能が強化されました 8。そして、2010年のiPad登場を機に、FileMakerはモバイル対応にも迅速に着手し、iOS専用アプリ「FileMaker Go」をリリースしました 5。これにより、デスクトップで開発したカスタムAppを、そのままiPadやiPhoneで活用できるようになり、ビジネスの機動性が飛躍的に向上しました。
近年では、ローコード開発プラットフォームとしての側面が強調され、API連携機能の強化(REST API、OData、JavaScript、JSONなど)、クラウドサービスの拡充(FileMaker Cloud)、そしてAI技術の取り込みなど、常に時代のニーズに応じた進化を続けています 16。この絶え間ない進化は、FileMakerが単なるデータベースソフトではなく、企業のデジタルトランスフォーメーションを支えるための包括的なプラットフォームへと成長してきたことを示しています。かつての比較的閉じたシステムから、外部のサービスや最新技術と積極的に連携する「開かれたプラットフォーム」へと変貌を遂げたことが、現代のFileMakerの大きな特徴と言えるでしょう。
FileMaker 2024 (v21.x) の主要な新機能と改善点
Claris FileMakerの最新バージョンであるFileMaker 2024 (内部バージョン21.x) は、特にAI機能の統合、セキュリティの強化、開発者エクスペリエンスの向上に重点を置いたメジャーアップデートです。以下に主な新機能と改善点をまとめます。
カテゴリ | 新機能/改善点 | 詳細 | 関連製品 |
AI | セマンティック検索 (テキスト・画像) | 自然言語による質問や、内容の類似性に基づいたデータ検索が可能に。キーワードが曖昧でも関連性の高い情報を見つけ出せる。 | Pro, Server, Cloud, Go |
LLM (大規模言語モデル) 連携 | OpenAI、Cohere、Hugging Faceなどのオープンソースモデルと連携し、カスタムAppに要約、翻訳、質疑応答などの高度なAI機能を組み込める。ローカルモデルもサポートし、データプライバシーを保護。 | Pro, Server, Cloud | |
セキュリティ | Let’s Encrypt 対応 (FileMaker Server) | 無料のSSL/TLS証明書であるLet’s Encryptの自動取得・更新をサポートし、サーバー通信の暗号化設定を簡素化。 | Server |
HTTPSトンネリングの強化 | FileMakerプラットフォーム全体でHTTPSトンネリングのサポートを強化し、より安全なデータ通信を実現。FileMaker CloudではIPアドレスフィルタリングと組み合わせることで、さらに強固なアクセス制御が可能。 | Pro, Server, Cloud, Go | |
開発者体験 | FileMaker Data APIの機能強化 | 書き込み操作 (作成、更新、削除、複製) をサポート。FileMaker Serverでの年間APIコール数制限が撤廃され、より自由な連携が可能に。エラーハンドリングも改善。 | Pro, Server, Cloud |
Open Quickly ショートカットの改善 | ファイル、レイアウト、スクリプトなどを素早く検索・表示する機能が強化され、開発効率が向上。 | Pro | |
JSONMakeArray関数の追加 | JSON配列を簡単に作成できる新しい関数。スクリプト引数などでよりリッチなデータ構造を扱えるように。 | Pro | |
FileMaker Server Admin APIの機能強化 | スクリプトによるファイルのアップロード・ダウンロードに対応し、CI/CDパイプラインなどでの展開自動化を支援。 | Server | |
モバイル (Go) | iOS/iPadOS 18 対応 | 最新のAppleモバイルOSに対応。 | Go |
HEIC画像形式サポート | iOSデバイスで標準的なHEIC形式の画像をコンテナフィールドで直接扱えるように。 | Go, Pro | |
各種スクリプトステップ強化 (Import Records, Open URLなど) | CSV,.tab,.mer,.dbf形式のインポート対応、URLを外部ブラウザで開くオプション追加など。 | Go | |
クラウド (Cloud) | ARMベースインスタンスへの移行 | パフォーマンス向上が期待できるARMベースのインフラに移行。 | Cloud |
IPアドレスフィルタリング | 特定のIPアドレスからのみカスタムAppへのアクセスを許可する機能。 | Cloud | |
バックアップ・ログ管理の改善 | バックアップのフィルタリング、オンデマンドバックアップ、ログローテーションの改善など、運用管理機能が向上。 | Cloud | |
OData APIのアップデート | $expand操作、in演算子、パラメータエイリアス、ネストされた$select、型キャストなど、OData 4.01標準への準拠を強化。 | Cloud, Server |
出典: 16
特に注目すべきは、AI機能の本格的な導入です 16。セマンティック検索は、従来のキーワード検索では見つけにくかった関連情報を、データの「意味」を理解して提示することを可能にします。例えば、「先月の売上に大きく貢献した製品の情報を知りたい」といった曖昧な質問に対しても、関連性の高いデータを探し出すことができます。LLM連携は、カスタムApp内で文章の自動生成、翻訳、要約、チャットボット機能などを実現する道を開きます。これらのAI機能は、業務の自動化や意思決定支援のレベルを一段と引き上げる可能性を秘めています。
また、FileMaker ServerにおけるData APIの年間使用制限の撤廃は、外部システムとの連携を頻繁に行う開発者にとって朗報です 16。これにより、APIコール数を気にすることなく、より柔軟で大規模な連携ソリューションを構築できるようになります。
これらの新機能や改善は、FileMakerが単なるデータベース作成ツールから、企業のDXを推進するためのより強力で開かれたプラットフォームへと進化し続けていることを明確に示しています。
V. 国内外のFileMaker活用事例:業務改善のヒントがここに!
FileMakerは、その柔軟性と開発の容易さから、世界中の様々な業種・規模の組織で活用され、具体的な業務改善やイノベーションの創出に貢献しています。国内外の事例を見ることで、自社の課題解決のヒントが見つかるかもしれません。
日本国内での導入事例
日本国内では、特に教育機関、医療機関、中小企業を中心に、FileMakerによる「内製化(自社開発)」の事例が数多く報告されています。これは、現場のニーズを最もよく理解している担当者が、自らシステムを構築・改善できるFileMakerの特性が、日本の組織文化や課題解決のアプローチに合致していることを示唆しています。
- 教育分野:
- 名桜大学では、学生自身がITの力で課題解決に取り組むPBL(課題解決型学習)の一環としてFileMakerを活用し、データベースの授業で社会課題解決アプリや業務改善アプリを開発しています 26。
- 東京医療保健大学では、医療情報教育の中でFileMakerを用い、学習開始からわずか3ヶ月の学生たちがスケジュール管理や術式検索などのアプリケーションを作成する成果を上げています 26。
- 北海道斜里高等学校では、観光ビジネス科目の探究学習として、地元の魅力を発信するアプリ開発にFileMakerを利用し、生徒の主体的な学びを促進しています 26。
- 東洋学園大学は、1990年代からFileMakerを活用し、近年では複雑な入試システムの内製化にも成功しています 26。
- 朋優学院高等学校では、教員自身が長年にわたり、生徒情報管理、図書館の蔵書管理、教員の出退勤記録など、校務全般のシステムをFileMakerで開発・運用しています 26。このような現場主導のシステム開発は、FileMakerの「市民開発」を促す力を象徴しています。
- 医療分野:
- 亀田IVFクリニック幕張では、電子カルテを補完するサブカルテシステムやWeb問診票システムをFileMakerで内製化し、患者の負担軽減と看護師の業務効率化(残業時間半減)を実現しました 28。
- 松波総合病院では、新型コロナワクチン接種で使用する冷蔵庫の温度管理のため、FileMaker CloudとIoTセンサーを連携させたシステムを開発・運用しました 28。
- 徳島県立中央病院の救命救急センターでは、FileMakerプラットフォームで開発された救急医療情報システム「NEXT Stage ER」が導入され、迅速な情報共有に貢献しています 28。
- 札幌医科大学では、新型コロナ感染症拡大時に、病院ごとの受け入れ可能患者数を見える化し、リアルタイムな情報連携を実現するシステムをFileMakerで構築しました 28。
- 製造・小売・サービス業:
- 京鹿の子絞りの老舗である株式会社片山文三郎商店は、複数の基幹システム間の商品・在庫情報を連携させるためにFileMakerを導入し、手入力によるミス削減と事務作業時間の大幅な短縮(約半分)を実現しました。これにより生まれた時間で顧客対応を充実させ、売上増加にも繋がっています 29。
- 信州ハム株式会社では、基幹事業であるハム・ソーセージ製造の生産工程を管理するシステムをFileMakerで内製化。「小さく導入して大きく育てる」アプローチで、自社独自の工程に合わせたシステムを構築しました 27。
- ECサイトの受発注システムや、アパレル業界向けの基幹システムなど、特定の業種に特化したソリューションもFileMakerで開発されています 27。
- 行政・その他:
- 広島市では、紙や表計算ソフトで行っていた児童扶養手当の受付簿管理をFileMakerで開発したシステムに置き換え、庁内ネットワーク上のFileMaker Serverで一元管理することで、区役所と本庁の担当者が常に最新の処理状況を共有し、業務の迅速化を実現しました 30。
- 高速道路の維持保全業務において、現場からの状況報告とリアルタイムな情報共有、ペーパーレス化を実現するシステムがFileMakerで構築されています 27。
- 株式会社サンリオでは、ハローキティなどのキャラクタービジネスに関連する様々な業務システムを2002年から13年以上にわたりFileMakerで自社開発しています 31。
これらの国内事例に共通して見られるのは、高額な費用と長い開発期間を要する従来のシステム開発とは異なり、FileMakerを活用することで、現場のニーズに即したシステムを、比較的低コストかつ短期間で、時には現場の担当者自身の手で構築・改善している点です。この「内製化」の流れは、FileMakerのローコードという特性が、組織内の「この業務を何とかしたい」という想いを持つ「内部の推進者(Internal Champion)」に力を与え、ボトムアップでの業務革新を可能にしていることを示しています。
海外での導入事例
FileMakerの活用は日本国内に留まらず、世界各国の政府機関、国際機関、大企業から中小企業、NPOに至るまで、幅広い分野で見られます。
- 国際機関・NGO:
- 国際連合 (United Nations) は、アフリカのケニアとソマリアの刑務所で使用される管理情報システム(MIS)や、セーシェル警察の犯罪記録ソフトウェアをFileMakerで構築・運用しています 32。
- USAID (アメリカ合衆国国際開発庁) は、ガーナでの農作物収量に関する数百の散在したスプレッドシートをFileMakerアプリケーションに置き換え、管理・維持コストを大幅に削減しました 32。
- 建設・エンジニアリング:
- 英国の大手建設会社Watesは、年間数十万件に及ぶビルメンテナンス業務の予約・手配を自動化する初のモバイルアプリをFileMakerで開発し、管理時間の大幅な削減と作業の迅速化を実現しました 32。
- ニュージーランドのAsset Management Solutions社は、建物の測量業務において、iPadアプリとクラウドホストされたWebインターフェースをFileMakerで構築し、現場でのデータ収集、写真管理、リアルタイムでのコストレポート作成などを効率化しています 33。
- エンターテイメント・クリエイティブ:
- 世界的にヒットしたドラマシリーズ**「ゲーム・オブ・スローンズ」**の制作現場では、映像制作における複雑な継続性管理(コンティニュイティ)を行うための包括的なシステムが、FileMakerの迅速な開発能力を活かして構築されました 32。
- 英国のInternational Wine Challenge (IWC) では、多数の特性に基づいてワインをテイスティング用に分類する複雑な作業を、FileMakerで作成したアルゴリズムによって数分で完了できるようにし、従来数日かかっていたプロセスを劇的に短縮しました 32。
- その他:
- 英国の国民保健サービス (NHS) の複数の部門では、職員が自らシステムを改善・運用できるようになるためのFileMaker Proトレーニングが提供されています 32。
- ニュージーランドの青果市場向け企業Total Produceや、ブドウ栽培の人材派遣会社GrapeWorxなど、特定のニッチな業界でもFileMakerが活用されています 33。
これらの海外事例は、FileMakerが文化や言語の壁を越えて、多様な組織の固有の課題解決に貢献できる柔軟性とパワーを持っていることを示しています。特に、迅速なアプリケーション開発が求められる場面や、既存のパッケージソフトでは対応しきれない特殊な業務要件がある場合に、FileMakerが強力な選択肢となることがわかります。
VI. FileMaker導入検討のポイント:メリット・デメリットとユーザーの声
FileMakerの導入を検討する際には、そのメリットを最大限に活かしつつ、潜在的なデメリットや注意点を理解しておくことが重要です。また、実際に利用しているユーザーの声も参考に、自社のニーズや環境に合致するかどうかを慎重に判断しましょう。
FileMaker導入の主なメリット
- 開発の容易さとスピード: これまで繰り返し述べてきたように、最大のメリットは専門知識が少なくても比較的短期間でカスタムAppを開発・導入できる点です 1。これにより、業務改善のアイデアを迅速に形にし、素早く効果を検証できます。
- 高いカスタマイズ性: テンプレートを利用しつつも、自社のユニークな業務プロセスや特定のニーズに合わせて、機能や画面レイアウトを柔軟に調整・拡張できます 11。既製のパッケージソフトでは対応しきれない「かゆいところに手が届く」ソリューションを実現可能です。
- マルチプラットフォーム対応: 一度の開発でWindows、macOS、iOS (iPad/iPhone)、Webブラウザという多様な環境に対応できるため、開発コストと時間を削減しつつ、幅広いユーザーにアプリを提供できます 1。
- 直感的な操作性: 開発者だけでなく、実際にアプリを利用するエンドユーザーにとっても、インターフェースが分かりやすく、操作を習得しやすいと評価されています 2。これにより、システム導入後の教育コストを抑え、スムーズな利用開始を促進します。
考慮すべきデメリットや注意点
一方で、FileMaker導入にあたっては以下の点も考慮に入れる必要があります。
- 大規模システムでのパフォーマンス: 非常に大量のデータ(数百万レコード以上)を扱う場合や、数百人規模のユーザーが同時に頻繁にアクセスするような大規模システムにおいては、他のエンタープライズ向けデータベースと比較して処理速度が低下する可能性があるという指摘があります 9。ただし、Claris社は近年のバージョン(特にFileMaker 2023以降)でスケーラビリティの向上に注力しており 17、FileMaker Serverの技術仕様では最大8TBのファイルサイズ、レコード数も実質的にほぼ無制限といった高いキャパシティが示されています 36。そのため、この点は想定されるシステムの規模や負荷を具体的に評価し、必要であれば専門家と相談することが推奨されます。
- ライセンス費用: 特に利用ユーザー数が多い場合、ライセンス費用が比較的高額になると感じるユーザーもいます 9。料金プランは利用形態(Cloudかオンプレミスか)やユーザー数によって変動するため、事前にしっかりと見積もりを取り、費用対効果を検討する必要があります。なお、2025年3月より製品価格の改定(平均約5%の値上げ)が予定されている点も留意が必要です 37。
- 高度なカスタマイズや複雑な処理には専門知識が必要: 基本的なデータベース作成や画面設計は直感的に行えますが、複雑なリレーションシップの設計、高度なスクリプト処理、外部システムとのAPI連携といった高度な機能をフルに活用するには、相応の学習やデータベース設計の知識、プログラミングスキルが求められる場合があります 2。
- 情報量の相対的な少なさ: Microsoft ExcelやAccessといったより広範なユーザーを持つソフトウェアと比較すると、日本語の市販参考書籍やWeb上で得られるサードパーティの情報が限られていると感じる場合があるかもしれません 9。ただし、Claris社の公式ドキュメント、チュートリアル、活発なオンラインコミュニティ(後述)など、公式の学習リソースは充実しています 2。
- Android端末へのネイティブ対応: FileMaker GoはiOS (iPad/iPhone) 専用アプリであり、Android端末向けのネイティブアプリは提供されていません。AndroidユーザーがFileMakerカスタムAppを利用する場合は、FileMaker WebDirectを通じてWebブラウザ経由でアクセスすることになります 38。この点は、組織内でAndroidデバイスの利用が多い場合には検討事項となります。
- 過去の指摘事項と現在の改善: 以前のバージョンでは、QuickBooksのような特定の他社ソフトウェアとの連携の難しさや、バージョン管理機能の不在、複数人での同時開発の制約などが指摘されることもありました 13。しかし、近年のバージョンではData APIやODataの機能が大幅に強化され 16、外部連携の柔軟性が向上しているほか、開発者向けのツールも進化しています。
FileMakerのスケーラビリティに関する懸念は、過去のバージョンや特定の利用状況に基づいている可能性があります。Claris社が近年のアップデートで「拡張性」を最重要課題の一つとして掲げ、FileMaker Serverの同時接続ユーザー数の上限を大幅に引き上げたり、パフォーマンスチューニングを継続的に行っている事実は重要です 17。技術的な限界値も非常に高く設定されているため、「大規模システムには向かない」と一概に断じるのではなく、具体的な要件と照らし合わせて評価することが肝要です。
国内外のユーザーレビュー・評判の概要
実際にFileMakerを利用しているユーザーからの評価は、導入を検討する上で貴重な情報源となります。
肯定的な評価:
- 多くのユーザーが、プログラミング経験が浅くても比較的簡単にデータベースやアプリケーションを構築できる「使いやすさ」と「開発の速さ」を高く評価しています 9。
- 業務に合わせて細かくカスタマイズできる「柔軟性」も好評です 34。
- 中小企業や特定の部門・業務に特化したシステムを構築するのに非常に適しているとの声が多く聞かれます 34。
- 日本のIT製品レビューサイト「ITreview」では、「Grid Award 2025 Spring」において、ローコード開発ツール部門、スマホアプリ開発ツール部門、IDE(統合開発環境)部門など多数のカテゴリで3年~5年連続で「Leader」を受賞しており、高い顧客満足度を得ていることが示されています 41。
改善を求める声:
- 前述の通り、ライセンス費用、特に多ユーザーでの利用時のコストパフォーマンスについては、改善を期待する意見が見られます 9。
- 大規模データや多数同時接続時のパフォーマンスについては、懸念の声が依然として一部に存在します 9。
- Claris社のサポート対応の質について、過去と比較して低下した、あるいは返信が遅いといった意見が稀に見られることがあります 9。
- Android端末でのネイティブな使い勝手向上や、Excel/Access並みの豊富なオンライン情報(特に日本語)を望む声もあります 9。
これらのレビューは、FileMakerが多くのユーザーにとって価値あるツールであると同時に、特定の側面においては改善の余地があることを示しています。
FileMaker導入のメリット・デメリット早わかり表
メリット | デメリット・注意点 |
開発の容易さとスピード:専門知識が少なくても迅速に開発可能 1 | 大規模時のパフォーマンス懸念:非常に大量のデータや多数の同時接続で速度低下の可能性あり 9 |
高いカスタマイズ性:業務ニーズに合わせて柔軟に調整・拡張可能 11 | ライセンス費用:特に多ユーザーの場合、高額になる可能性 9 |
マルチプラットフォーム対応:一度の開発で多様なデバイスに対応 1 | 高度な機能には専門知識が必要:複雑な設計やスクリプトには学習が必要 2 |
直感的な操作性:ユーザーインターフェースが分かりやすい 2 | 情報量の相対的な少なさ:Excel等に比べサードパーティ情報が限定的との声も 9 |
堅牢なセキュリティ機能:データ保護のための機能が充実 2 | Androidネイティブ対応なし:WebDirect経由での利用 38 |
出典: 上記VI章で引用した各資料に基づく
VII. FileMakerを始めるには?学習リソース、コミュニティ、料金プラン
FileMakerに興味を持ち、導入を検討し始めた方々にとって、どのように学習を進め、情報を収集し、そして実際に利用を開始すればよいのかは重要なポイントです。幸いなことに、FileMakerには豊富な学習リソースと活発なコミュニティが存在します。
公式ガイドブック、トレーニング教材、オンラインリソース
Claris社は、FileMakerを効果的に習得するための様々な公式資料を提供しています。
- Claris FileMaker ガイドブック: 初心者から上級者までを対象とした体系的な学習教材です。「基礎編」「実践編」「運用管理編」などがあり、PDF版は無料でダウンロード可能です。冊子版も購入できます 42。これらのガイドブックには演習ファイルも付属しており、実際に手を動かしながら学ぶことができます。
- 製品ドキュメンテーション: FileMakerの各製品(Pro, Server, Cloud, Goなど)に関する詳細なマニュアルや技術仕様書がClaris社のウェブサイトで公開されています 2。
- オンデマンドセミナー・動画: Claris社のウェブサイトでは、特定の機能や開発テクニックについて解説する短い動画や、過去に開催されたセミナーの録画などが提供されており、自分のペースで学習を進められます 2。YouTubeチャンネル「FileMaker の自習室」などもあります 43。
- 旧版 FileMaker Master Bookシリーズ: FileMaker 19プラットフォームまで提供されていた「FileMaker Master Book」(初級編、中級編、上級編)も、PDF版が無料でダウンロードできる場合があります 43。内容は若干古い可能性がありますが、基本的な概念の理解には役立つでしょう。
これらの公式リソースを活用することで、FileMakerの基本操作から高度な開発テクニックまで、段階的にスキルを習得していくことが可能です。
Clarisコミュニティ(日本およびグローバル)の活用法
FileMakerには、開発者やユーザーが集う活発なオンラインコミュニティが存在します。これは、学習や問題解決において非常に強力なリソースとなります。
- Claris Community (Japan): 日本語で情報交換ができる公式コミュニティです 39。初心者向けの質問から技術的な問題の相談、活用事例の共有まで、幅広いトピックが扱われています。特定のテーマに特化したグループ(例:「FileMaker が初めて」の方向けグループ)も存在し、自分に合った情報を見つけやすくなっています 39。
- グローバルコミュニティ: 英語が中心となりますが、世界中のFileMakerユーザーや開発者が参加しており、より広範な知識や最新情報に触れることができます。
- 活用方法:
- 検索機能: 過去の質問や議論を検索することで、同様の問題の解決策が見つかることがあります 46。
- 質問投稿: 解決しない問題は、コミュニティに質問を投稿することで、他のメンバーからアドバイスを得られます。質問する際は、使用しているFileMakerのバージョン、OS環境、具体的な操作手順、試したことなどを詳しく記載すると、より的確な回答が得やすくなります 46。
- 情報収集: 他のユーザーの質問や回答、共有されている事例を読むことで、新たな発見や開発のヒントを得ることができます。
- イベント・セミナー情報: コミュニティを通じて、ユーザーグループの勉強会やClaris社主催のイベント・セミナー情報も得られます 39。
FileMakerの導入や運用において、ユーザーは決して孤立しているわけではありません。これらの公式リソースやコミュニティは、学習の支援、問題解決、そして他のユーザーとのネットワーキングの場として、FileMakerエコシステムの重要な一部を成しています。FileMaker Business Alliance (FBA) と呼ばれるClaris認定パートナー企業も国内外に多数存在し(日本国内だけでも160社以上)、専門的な開発支援やコンサルティングサービスを提供しています 45。これらのエコシステム全体が、ユーザーの成功を後押しする力強いサポート体制を形成しているのです。
無料トライアルの利用と料金プランの概要
FileMakerを実際に試してみたい方のために、無料トライアルが用意されています。
- 無料トライアル: Claris社のウェブサイトから申し込むことで、FileMakerプラットフォーム(通常はFileMaker ProとFileMaker Cloudの機能を含む)を最大45日間、無料で試用することができます 2。これにより、購入前にFileMakerの操作感や機能を実際に体験し、自社のニーズに合うかどうかを評価できます。
FileMakerの料金プランは、利用形態やユーザー数によって異なります。
- FileMaker Cloud:
- Essentialsプラン: 5~10名程度の小規模チーム向け。共有App数の上限は3つ、ストレージは1ユーザーあたり年間2GB。料金は1ユーザーあたり月額2,365円(税込、年間契約)から 2。
- Standardプラン: 5~99名(それ以上は要問合せ)のチーム向け。共有App数の上限は125個、ストレージは1ユーザーあたり年間6GB(アップグレード可能)。API利用量もEssentialsより多く設定されています。料金は1ユーザーあたり月額4,840円(税込、年間契約)から 2。
- 全てのプランには、日本語サポート、常時監視体制、セキュリティ機能が含まれます 2。
- FileMaker Pro:
- 単体ライセンスとして購入することも可能です 7。
- FileMaker CloudやFileMaker Serverのライセンスには、通常、FileMaker Proの利用権が含まれています。
- FileMaker Server:
- オンプレミスで利用するためのライセンスです。価格は構成によって異なるため、Claris社や販売代理店への問い合わせが必要です。
- 価格改定: 2025年3月2日より、Claris社製品およびサービスの価格改定が予定されており、平均約5%の値上げが見込まれています 37。導入を検討している場合は、この点も考慮に入れるとよいでしょう。
教育機関やNPO法人向けの割引価格も用意されている場合がありますので、該当する場合はClaris社に確認することをお勧めします 48。
VIII. まとめ:FileMakerはあなたのビジネスや日々の業務をどう変革できるか
これまで見てきたように、Claris FileMakerは、専門的なプログラミング知識がない人でも、自社のニーズに合わせたカスタムAppを迅速に開発・展開できる強力なローコード開発プラットフォームです。その柔軟性、拡張性、そして使いやすさは、国内外の多くの組織で業務改善やイノベーションの推進力となっています。
FileMakerが特に適しているケースとユーザー像
FileMakerは、以下のようなケースやユーザーにとって、特にその真価を発揮するでしょう。
- 中小企業 (SMBs) や部門単位での業務改善: 大規模なエンタープライズシステムを導入するほどの予算やリソースはないが、Excelや手作業による非効率な業務を改善したいと考えている中小企業や、大企業内の一部署 34。FileMakerを使えば、比較的小規模からスタートし、業務に合わせてシステムを成長させていくことが可能です。
- 特定の業務に特化したカスタムAppを迅速に必要とする組織: 既製のパッケージソフトでは対応できない、自社特有の業務プロセスやニッチなニーズに合わせたアプリケーションを、短期間で開発・導入したい場合 38。
- Excelや紙ベースの管理からの脱却を目指すユーザー: 散在するExcelファイルや山積みの紙書類による情報管理に限界を感じ、データの一元管理、ペーパーレス化、業務プロセスの自動化を実現したいユーザー 3。
- 「市民開発者」や現場担当者: プログラミングの専門家ではないものの、自分たちの業務を最もよく理解している現場の担当者が、自らの手で業務システムを構築・改善したいと考える場合 2。FileMakerは、そのような「市民開発者」を力強く支援します。
- iPadやiPhoneを業務で積極的に活用しているビジネス: 営業担当者の外出先での顧客情報アクセス、建設現場での進捗報告、医療従事者のモバイルカルテ参照など、iPadやiPhoneを業務に積極的に取り入れ、モバイル連携がビジネスの鍵となる場合 6。FileMaker GoとAppleデバイスとの高い親和性が活きます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進ツールとしての可能性
FileMakerは、単なる業務効率化ツールに留まらず、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を力強く推進する可能性を秘めています。
- 業務プロセスのデジタル化と自動化: FileMakerでカスタムAppを構築することにより、これまで手作業や紙ベースで行っていた業務をデジタル化し、定型的な作業を自動化することができます 1。これにより、ヒューマンエラーの削減、作業時間の短縮、そして従業員がより付加価値の高い業務に集中できる環境が生まれます。
- データ駆動型の意思決定支援: 組織内の様々なデータをFileMakerに集約し、一元管理することで、これまで見えなかった情報が可視化されます。リアルタイムなデータ分析やレポート作成機能を通じて、勘や経験だけに頼らない、データに基づいた客観的な意思決定を支援します 1。
- アジャイルな対応力: 変化の激しい現代のビジネス環境においては、市場や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるアジリティが求められます。FileMakerは、カスタムAppの開発・改修が比較的容易であるため、ビジネスの変化に合わせてシステムを柔軟に進化させることが可能です 1。
- イノベーションの促進: 現場の担当者が自ら課題を発見し、FileMakerを使って解決策を形にできる環境は、組織全体のイノベーションを促進します。小さな改善の積み重ねが、やがて大きな変革へと繋がる可能性があります。
日本国内においても、FileMakerは20万以上の組織で利用されており、その活用範囲は教育、医療、製造、小売、サービス、行政など多岐にわたります 51。最新バージョンであるFileMaker 2024ではAI機能が搭載されるなど、プラットフォームとしての進化は止まることを知りません。
FileMakerは、あなたの会社や組織が抱える課題を解決し、日々の業務をより効率的で創造的なものへと変革するための、強力なパートナーとなるでしょう。まずは無料トライアルから、その可能性を体験してみてはいかがでしょうか。
引用文献
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- FileMaker(ファイルメーカー)とは|概要からメリット、課題 …, 6月 2, 2025にアクセス、 https://cmc-japan.co.jp/blog/file-maker/
- 【初心者必見】FileMakerの特徴やメリット・デメリットを解説 – BOLT, 6月 2, 2025にアクセス、 https://bolt-dev.net/posts/855/
- Claris FileMaker(ファイルメーカー)とは?基礎知識やできること …, 6月 2, 2025にアクセス、 https://hnavi.co.jp/knowledge/blog/filemaker/
- FileMaker は時代遅れ? – Claris, 6月 2, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/ja/blog/2023/filemaker-is-ahead-of-its-time
- “FileMaker“というローコード開発ツールについてのおはなし。|株式会社Pepo – note, 6月 2, 2025にアクセス、 https://note.com/pepo_inc/n/n3731df7c6a8f
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- 必見! FileMakerのバージョンによって何が違う? – 日本インフォメーション株式会社, 6月 2, 2025にアクセス、 https://www.nicnet.co.jp/nicblog/useful_info/filemaker/_filemaker_6/
- 【必見】ファイルメーカーの9つのできること・できないこと! 口コミや導入のメリット・デメリットを紹介 | 株式会社ロフタル – 情報技術を通して「楽」を提供する, 6月 2, 2025にアクセス、 https://loftal.jp/blog/detail/ability-to-do-filemaker
- 必見! FileMaker初心者でも使い方がわかる!Claris FileMaker サンプルサイト紹介ページ, 6月 2, 2025にアクセス、 https://www.nicnet.co.jp/nicblog/useful_info/filemaker/_claris_filemaker/
- ファイルメーカーとは?できることや料金、使い方から将来性までわかりやすく解説 – Jitera, 6月 2, 2025にアクセス、 https://jitera.com/ja/insights/11589
- Claris FileMaker Cloud – cloud hosting – claris.com, 6月 2, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/filemaker/cloud/
- Risks Of Using Filemaker Pro : A Custom Software Solution – InterSoft Associates, 6月 2, 2025にアクセス、 https://intersoftassociates.com/services/risks-of-using-filemaker-pro/
- FileMaker Go Development Guide, 6月 2, 2025にアクセス、 https://fmdl.filemaker.com/kk/product_documentation/filemaker-go/fmgo_development_JA.pdf
- ファイルメーカーでデータベースを理解する – 明治国際医療大学, 6月 2, 2025にアクセス、 https://www.meiji-u.ac.jp/md-medinfo/filekmaker
- Claris FileMaker what’s new | claris.com, 6月 2, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/filemaker/whats-new/
- Claris が 最新リリース Claris FileMaker 2023 の提供を開始。, 6月 2, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/ja/blog/2023/claris-delivers-scalability-with-the-launch-of-claris-filemaker-2023
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- 2024年版「それ、Claris FileMaker でできますよ ~ Claris FileMaker 活用法 ~」, 6月 2, 2025にアクセス、 https://community.claris.com/ja/s/article/2024%E5%B9%B4%E7%89%88-%E3%81%9D%E3%82%8C-Claris-FileMaker-%E3%81%A7%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%82%88-Claris-FileMaker-%E6%B4%BB%E7%94%A8%E6%B3%95
- FileMaker Cloud に関するよくあるご質問 – Claris Community, 6月 2, 2025にアクセス、 https://community.claris.com/ja/s/article/FAQ-FileMaker-Cloud
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- カスタムAppでチームの働き方改革を支援–老舗DBソフト「FileMaker」の進化 – ZDNET Japan, 6月 2, 2025にアクセス、 https://japan.zdnet.com/article/35119803/