FileMakerはオワコンではない!2025年以降も選ばれる理由を徹底解説【導入事例多数】

目次

第1章: はじめに – FileMakerは本当に「オワコン」なのか?

「FileMakerはオワコン(時代遅れの終わったコンテンツ)ではないか?」

この問いは、今日の急速に進化するテクノロジー環境において、多くのビジネスリーダーやIT担当者が抱くもっともな懸念です。SaaS(Software as a Service)やノーコード・プラットフォームが次々と登場する中で、約40年の歴史を持つFileMakerが今なおビジネスの現場で価値を提供し続けられるのか、その将来性に疑問符がつくのは自然なことでしょう 1

しかし、結論から言えば、FileMakerは決して「オワコン」ではありません。むしろ、特定の領域において他の追随を許さない独自の地位を確立した、専門性の高いツールへと進化を遂げています。本レポートの目的は、この結論に至る根拠を、国外の文献や豊富な導入事例を交えながら、ビジネスの視点から徹底的に解き明かすことにあります。

FileMakerが直面しているのは、技術的な陳腐化ではなく、市場における「認識のズレ」です。多くの人が抱く古いイメージと、現代のビジネス課題を解決するために進化し続けるプラットフォームの現実との間には、大きなギャップが存在します。本レポートでは、まずその誤解を解きほぐし、次にClaris社が描く未来のロードマップを検証します。そして、実際のビジネス現場でFileMakerがどのように活用され、具体的な成果を上げているのかを多数の事例を通じて示します。最後に、Microsoft Power PlatformやAirtableといった現代の競合ツールと比較し、FileMakerがどのような場合に最適な選択肢となるのかを明確に提示します。

このレポートを読み終える頃には、FileMakerが単なる古いデータベースソフトではなく、既製品では満たせない独自の業務プロセスを持つ企業にとって、他に代えがたい価値を提供する「ワークプレイス・イノベーション・プラットフォーム」であることが明確に理解できるはずです。

第2章: 「オワコン」という評価 – 誤解と現実を解き明かす

FileMakerが「オワコン」と見なされる背景には、いくつかの根深い誤解と、正しく理解すべき現実が存在します。この章では、その評価が形成された要因を一つひとつ分析し、時代遅れの認識と、ビジネス上の合理的な検討事項とを切り分けていきます。

2.1 誤解: 90年代のデータベースという幻影

FileMakerに対する最も根強い誤解は、「90年代のシンプルな個人向けデータベースソフト」という古いイメージです 2。この認識は、プラットフォームの劇的な進化を見過ごしたものであり、現在のFileMakerの実態とは大きくかけ離れています。

その歴史は1980年代のDOSアプリケーションにまで遡りますが、FileMakerはその後、絶え間ない進化を遂げてきました 3。今日のFileMakerは、単なるフラットファイルデータベースではなく、複数のテーブル間で複雑な関連性を定義できる本格的なリレーショナルデータベースです。さらに、macOS、Windowsのデスクトップ環境はもちろん、FileMaker GoによるネイティブiOSアプリ(iPhone/iPad)、WebDirectによるブラウザアクセスにも対応した、完全なクロスプラットフォーム開発ツールとなっています 2

Appleの子会社であるClaris International Inc.は、プラットフォームへの投資を継続しており、FileMaker 2023、2024、そして来るFileMaker 2025といった形で、毎年メジャーアップデートをリリースし続けています 1。これらのアップデートでは、パフォーマンスの向上やセキュリティ強化に加え、後述するAI機能の統合など、現代のビジネスニーズに応えるための機能拡張が積極的に行われています。したがって、「90年代のデータベース」という認識は、もはや過去の幻影に過ぎないのです。

2.2 誤解: 開発者のジレンマ

一部の伝統的なプログラマーや開発者がFileMakerを敬遠する傾向があることも、「オワコン」という評価の一因となっています。しかし、その理由は技術的な限界というよりも、開発文化や哲学の違いに根差しています。

  • エゴと「クールさ」の問題: ある開発者コミュニティでは、常に最新の技術スタックを使うことが一種のステータスと見なされます。その中でFileMakerは、最新のテスラではなく、信頼性の高い父親の古い車のような存在と見なされることがあります。技術的な優劣ではなく、単に「クールではない」という理由で選択肢から外されることがあるのです 2
  • コントロールと抽象化の対立: FileMakerは、クエリの最適化など、多くの複雑な処理を「ボンネットの下」で自動的に行います。これは開発を高速化する一方で、システムの隅々まで手動で制御したいと考える開発者にとっては、フラストレーションの原因となり得ます。これは、たとえオートマチック車の方が速く走れるとしても、自らの手でギアを操る感覚を重んじるレーシングドライバーがマニュアル車を好むのに似ています 2
  • 雇用の安定性: 皮肉なことに、システムが複雑で難解であるほど、その保守・運用には専門的なプログラマーが必要となり、雇用の安定につながるという側面があります。FileMakerのように、比較的容易にソリューションを構築・保守できるツールは、この力学に逆行すると見なされることがあるのです 2

しかし、これらの「開発者のジレンマ」をビジネスリーダーの視点から見ると、評価は一変します。開発者にとっての不満点(高速化、使いやすさ、複雑さの抽象化)こそが、ビジネスにおける価値の源泉なのです。すなわち、開発期間の短縮開発コストの削減、そしてプログラマーではない業務担当者(いわゆる市民開発者)でもソリューション開発に参加できる可能性を意味します 9

2.3 現実: スケーラビリティとパフォーマンスの問題

FileMakerの限界について語る上で、スケーラビリティは最も重要な論点です。この点を透明性をもって理解することが、プラットフォームを正しく評価する鍵となります。

FileMakerのアーキテクチャは、不特定多数のユーザーが同時にアクセスする大規模な一般公開向けWebアプリケーション(例えば、大手ECサイトやSNS)には最適化されていません。多数のユーザーが同時に複雑な処理を要求した場合、パフォーマンスが低下する可能性があります 2。また、ライセンスモデルも、一般ユーザー向けのサービスには適していません 2

しかし、FileMakerが主戦場とするのは、企業や組織内の業務アプリケーションです 2。この用途においては、その技術的な上限は驚くほど高く、中小企業や大企業の部門レベルで問題となることはほとんどありません。

  • ファイルサイズ: 最大8TB 12
  • テーブルあたりのレコード数: 6400京 12
  • 同時接続数 (FileMaker Server 2023):
  • FileMaker Pro/Go: テスト済み上限500、理論上は最大2000まで 15
  • WebDirect: Linuxの負荷分散環境でテスト済み上限1000まで 15

これらの数値は、ほとんどの社内システムにとって十分すぎるほどのキャパシティです。「スケーラビリティ」という言葉は多義的であり、FileMakerは「不特定多数の同時Webアクセス」にはスケールしませんが、「データ量や業務の複雑性」に対しては十分にスケールする、と理解することが重要です。実際に、シカゴ公立学校の事例では、高負荷が見込まれる一般公開部分はAmazon DynamoDBなどの他技術と組み合わせ、FileMakerは管理側のバックエンドシステムとして活用するというハイブリッドなアプローチで課題を解決しています 17

2.4 現実: 価格とライセンス体系の謎

FileMakerの価格体系が、特に中小企業にとって高価で分かりにくいという批判は頻繁に見られます 10。特に、かつて存在したランタイム版の廃止や、同時接続ライセンスの価格改定は、一部の開発者コミュニティで摩擦を生みました 18

この批判に対し、ビジネスの観点からは**TCO(総所有コスト)で評価する必要があります。ライセンス費用単体で見れば、一部の無料または安価なツールに比べて高く見えるかもしれません。しかし、FileMakerの真価であるRAD(高速アプリケーション開発)**の能力を考慮に入れると、その見え方は大きく変わります。

従来のSQLベースの開発手法では数ヶ月を要するプロジェクトが、FileMakerを使えば数週間で完了することも珍しくありません 9。この開発期間の劇的な短縮は、ライセンス費用をはるかに上回る人件費の削減につながります。クライアントが「より早く、より安価に」ソリューションを手に入れられるという声は、このTCOの優位性を裏付けています 9

この価格体系は、FileMakerが個人向けのカジュアルなツールや、無料の一般公開アプリを構築するためのプラットフォームではなく、ビジネスの根幹を支えるミッションクリティカルなアプリケーションを構築するためのプロフェッショナルツールであることを示唆しています 19。そのコストは、複雑なビジネス課題を解決し、大きな収益を生み出したり、コストを削減したりすることで正当化されるのです 10

このように見ていくと、「オワコン」という評価が、主に技術的な問題ではなく、文化的な、あるいはマーケティング的な問題に起因していることがわかります。それは、伝統的なプログラミングコミュニティの価値観と、ビジネスユーザーのニーズとの間のミスマッチから生じています。さらに、Claris社自身が過去に分かりにくい製品戦略を打ち出したことも、市場の混乱を招き、時代遅れという認識を助長した一因と言えるでしょう 21。問題の本質はツールの能力ではなく、その価値をいかに正しく市場に伝え、位置づけるかという点にあるのです。

第3章: プラットフォームの再生 – Clarisが描く未来へのビジョン

過去の評価を解き明かした上で、次にFileMakerの未来に目を向けます。FileMakerは、過去の遺産を保守しているだけのレガシー製品ではありません。むしろ、Claris社による明確なビジョンと戦略的な投資のもと、積極的な現代化が進められています。この章では、FileMakerが単なる「データベースツール」から、インテリジェントな「カスタムビジネスOS」へと生まれ変わろうとしている姿を明らかにします。

3.1 統一された明快なロードマップ

近年、Claris社は市場に混乱を招いた製品戦略からの転換を図りました。一時期、従来のFileMaker Pro(.fmp12形式)と、新しいClaris Pro(.claris形式)が並存する「デュアルプラットフォーム戦略」が採られ、ユーザーにどちらを選択すべきかという戸惑いを生じさせました 21

この混乱に対し、Claris社は明確な方針転換を行いました。現在は、以下の3つの強力な製品群を統合した、単一の「Claris Platform」というビジョンを掲げています 21

  1. Claris FileMaker: カスタムアプリケーションの中核をなす開発・実行環境
  2. Claris Connect: 外部サービスとのAPI連携やワークフロー自動化を実現するiPaaS
  3. Claris Studio: クラウドネイティブなWebフォームやデータビューを容易に作成するツール

この戦略転換の最大の利点は、既存のFileMakerユーザーが、プラットフォームを移行することなく、Claris ConnectとClaris Studioの機能を無償で利用できるようになった点です 21。これにより、FileMakerで構築した基幹システムに、最新のWeb技術や外部サービス連携機能をシームレスに追加することが可能になり、プラットフォーム全体の価値が飛躍的に向上しました。

3.2 AI搭載の未来が、今ここに

Claris社がFileMakerの現代化において最も力を入れているのが、AI(人工知能)機能のプラットフォームコアへの統合です。これは単なる流行りの機能追加ではなく、FileMakerを将来にわたって競争力のあるツールたらしめるための根幹的な戦略です 1

FileMaker 2024および2025のリリースで実装された主なAI機能は以下の通りです。

  • 生成AIとの連携: 新しいスクリプトステップや計算関数により、OpenAIやAnthropicといった大規模言語モデル(LLM)と直接対話できるようになりました。これにより、アプリ内で顧客からの問い合わせ内容をリアルタイムで要約したり、自由記述のレビューを自動でカテゴリ分類したりといった高度な機能が実現可能です 1
  • セマンティック検索(意味検索): ベクトル埋め込み技術を利用し、従来のキーワード検索とは一線を画す、「意味」や「文脈」に基づいた検索が可能になりました。例えば、「高品質なサービスに関する顧客の声」といった曖昧なクエリで、関連するレコードを的確に探し出すことができます。これは、ローコードプラットフォームとしては極めて先進的な機能です 1
  • 機械学習とローカルAI: MLRegressionPredのような関数を用いて予測分析を行ったり、セキュリティやプライバシーを重視する場合には、外部のクラウドサービスに頼らず、自社サーバー上でローカルにAIモデルを運用したりすることも可能です 7

これらのAI機能がもたらすビジネスインパクトは絶大です。AIによるコード生成支援は開発サイクルを加速させ、アプリケーション自体がデータから洞察を自動生成することで、より「賢い」システムを構築できます。これにより、データサイエンティストの専門チームを持たない中小企業でも、最先端のAI技術の恩恵を手軽に享受できる道が開かれたのです 23

3.3 クラウドファースト、セキュア、そしてエンタープライズ対応

Claris社は、FileMakerの提供形態においても戦略的なシフトを進めています。その中核となるのが、AWS(Amazon Web Services)上で稼働するマネージドサービス**「FileMaker Cloud」**です 3。これにより、ユーザーはサーバーの構築や保守といったインフラ管理の負担から解放され、アプリケーション開発そのものに集中できます。

また、ビジネス利用において不可欠なセキュリティへのコミットメントも強化されています。FileMaker Cloudは、ISO認証SOC 2 Type 2報告書といった第三者機関による厳格なセキュリティ認証を取得しており、機密性の高いデータを扱う企業でも安心して利用できるエンタープライズレベルのセキュリティを確保しています 5

FileMaker 2023、2024、2025と続く定期的なリリースサイクルは、Claris社がパフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性(PSR)の向上に継続的に投資していることの証左です 1

Claris社の近年の戦略は、守りから攻めへの転換と見ることができます。かつてのデュアルプラットフォーム戦略は、既存のFileMakerユーザーベースを維持しつつ、新しいSaaSツールに対抗するための防御的な動きと捉えられます。しかし、それは市場に混乱をもたらしました。現在の、Claris StudioとConnectを既存ユーザーに無償で提供し、プラットフォームを一つに統合する戦略は、FileMakerの強固な基盤を活かしながら現代的な機能を付加する、極めて攻撃的な一手です。さらに、AI機能への大規模な投資は、単に競合に追いつくためではなく、ローコード環境で高度なインテリジェントアプリを構築できるプラットフォームとして、カテゴリーそのものを再定義しようとする野心的な試みです。これにより、議論の焦点は「FileMakerは時代遅れか?」から、「FileMakerでどのようなインテリジェントなビジネスソリューションを構築できるか?」へとシフトしつつあるのです。

第4章: 色褪せない価値提案 – なぜFileMakerは今なお選ばれるのか

プラットフォームが現代的に進化していることを確認した上で、この章ではFileMakerが長年にわたって支持され続ける、その本質的かつ不変の強みに焦点を当てます。これらの強みこそが、FileMakerが他のツールにはない独自の価値を提供し続ける理由です。

4.1 カスタムソリューションのための比類なき開発スピード (RAD)

FileMakerの最も核となる強みは、**RAD(高速アプリケーション開発)**ツールとしての卓越した能力です 2。データベース、ユーザーインターフェース(UI)、そしてビジネスロジック(スクリプト)が単一の環境に統合されているため、機能的なカスタムアプリケーションを驚異的なスピードで構築できます 24

この開発スピードは、ビジネスに直接的な利益をもたらします。従来の開発手法と比較して、開発にかかる時間を数分の一に短縮できるため、開発コストの大幅な削減と**価値提供までの時間短縮(Time to Value)**が実現します 9。特に、変化の速い市場環境で競争する中小企業にとって、この俊敏性は大きな競争優位性となります。あるユーザーが「クライアントは、より早く、より安価にソリューションを手に入れられることを喜んでいる」と語るように、このスピードこそがFileMakerの価値の根源です 9

4.2 独自のワークフローに対する究極の柔軟性

多くの企業、特に中小企業は、市販のパッケージソフトウェアの画一的な機能に自社の業務を無理やり合わせることに苦労しています。独自の強みであるはずのユニークな業務プロセスが、ソフトウェアの制約によって阻害されてしまうのです。

FileMakerは、この問題を根本から解決します。企業は、自社のユニークな業務プロセスに完璧に合致したソフトウェアを、ゼロから構築することができます 25。どんなにニッチで複雑な要件であっても、FileMakerならそれを正確にシステムに反映させることが可能です。既製品では対応できない「かゆいところに手が届く」ソリューションが求められる場面で、FileMakerはその真価を発揮します 26

例えば、オーダーメイドのティアドロップ型キャンピングトレーラーを製造するVistabule社の事例が象徴的です。同社は、顧客ごとの無数のカスタマイズオプションに対応する部品を管理するという、非常に複雑な課題を抱えていました。汎用的な在庫管理システムでは到底対応できないこの要件に対し、FileMakerで構築された専用システムは、部品の追跡から需要予測までを完璧にこなし、業務効率を劇的に改善しました 25

4.3 ワークプレイス・イノベーション・プラットフォームとしての力

FileMakerは、単なる開発ツールにとどまらず、組織全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する「ワークプレイス・イノベーション・プラットフォーム」としての側面を持ちます。

  • 「市民開発者」の育成: FileMakerは、プログラミングの専門家ではない業務部門の担当者が、自らの手で課題を解決するためのツールを構築することを可能にします 27。これにより、多忙なIT部門の負担を軽減し、現場主導での業務改善が加速します。
  • 反復的なアジャイル開発: 小さく始めて大きく育てる、というアジャイルな開発アプローチに最適です。まずは中核となる機能を迅速に構築し、ビジネスの成長やニーズの変化に合わせて、段階的に機能を追加・改善していくことができます 26。これにより、開発リスクを最小限に抑えつつ、最終的にビジネスに完璧にフィットしたシステムを完成させることが可能です。
  • 標準でのクロスプラットフォーム対応: 一度の開発作業で、Windows、Mac、iPad、iPhone、そしてWebブラウザで動作するアプリケーションが完成します。これは、多様なデバイスが混在する現代のビジネス環境において、計り知れない効率性の向上をもたらします 3

FileMakerが提供するこれらの本質的な価値は、単なる技術的な優位性を超えて、ユーザーとの間に強力な結びつきを生み出します。企業が自社の生命線である独自の業務プロセスをFileMakerアプリケーションに組み込んでいくと、そのアプリケーションは単なるツールではなく、ビジネスの「神経系」そのものへと進化します。業務プロセスが深くシステムに刻み込まれるほど、そのカスタムロジックを他のプラットフォームで再現するためのコストと労力は天文学的なものになります。これは、技術的な制約によるネガティブな「ロックイン」ではなく、提供される価値の高さゆえに離れられなくなる、ポジティブな「価値による定着」です。これこそが、FileMakerが長年にわたり多くの企業で使い続けられている核心的な理由なのです。

第5章: ビジネスの最前線で – FileMakerの成功事例集

理論や機能も重要ですが、プラットフォームの真価は、実際のビジネス現場でどれだけのインパクトを与えているかによって測られます。この章では、FileMakerが多様な業界でいかにして具体的な課題を解決し、価値を創造しているかを、豊富な実例を通じて明らかにします。

5.1 中小企業のデジタルトランスフォーメーション (DX)

  • 事例: 樋口工業有限会社(日本): 従業員10名ほどの建設会社が、長年使用してきたExcelでの管理から脱却し、FileMakerによる統合業務システムを構築しました。見積、受注、請求といった基幹業務はもちろん、労務日報、資材管理、さらにはキャッシュレス決済や仕入先システムとの自動連携までを実現。これにより、業務の属人化を解消し、効率を大幅に向上させました。社外からでもiPadやiPhoneで現場の生情報を入力できるため、柔軟な働き方も可能になりました 29
  • 事例: 物流会社: 複数のスプレッドシートやシステムにデータが散在し、手作業によるミスや非効率に悩んでいた物流会社が、FileMakerで在庫、受注、顧客情報を一元管理するシステムを開発。リアルタイムでのデータ把握が可能になり、意思決定のスピードと精度が向上。業務効率が改善され、将来の事業拡大にも対応できるスケーラブルな基盤を構築しました 30
  • 事例: Shock Therapy社(製造業): 紙ベースの伝票に依存していた倉庫・製造現場のワークフローを、iPadとFileMakerで完全に自動化。従業員はiPad上で次に何をすべきかを正確に把握でき、ビジネス全体のアジリティ(俊敏性)が飛躍的に向上しました 31

5.2 教育現場における業務効率化

  • 深掘り事例: Ethel Dwyer中学校(米国):
  • 課題: 限られた予算とリソースの中で、教員が膨大な事務作業に追われていました。特に、生徒のロッカー割り当て、問題行動の記録、運動会の結果集計などが、紙ベースの手作業で行われ、大きな負担となっていました 32
  • 解決策: 教員が中心となって、FileMakerでカスタムアプリケーションを開発。
  • 効率化された業務:
  • ロッカー割り当て: 従来最低4日かかっていた作業が、わずか1日で完了 32
  • 生徒指導: 生徒の問題行動だけでなく、良い行いも記録・共有することで、ポジティブな行動を促進する文化の醸成に貢献 32
  • イベント運営: 運動会の結果集計や、学校イベントのチケット販売・受付業務などをデジタル化 33
  • SISとの連携: 開発したアプリは、学区の基幹システムである**SIS(生徒情報システム)**と連携し、データのサイロ化を解消しました 32
  • 成果: 教員の事務負担が大幅に軽減され、本来の業務である生徒指導に多くの時間を割けるようになりました。データに基づいた意思決定が可能になり、学校全体の文化向上にも繋がりました 32
  • その他の教育事例: シカゴ公立学校では、6万人の生徒が利用する入学選考プログラムの管理システムを構築 17。ある保育施設では、iPadを使った園児の登降園管理、保護者へのSMS通知、独自の請求書発行システムなどを実現しています 35

5.3 非営利団体 (NPO) のミッション遂行支援

非営利団体は、特有の予算的制約の中で、寄付者管理、イベント運営、助成金申請といった多岐にわたる業務をこなす必要があります。FileMakerは、低コストかつ迅速に、これらの業務を統合管理するシステムを構築できるため、NPOにとって理想的なツールです 36

  • 事例: Center for Spiritual Living Santa Rosa: 会員情報、寄付の約束(プレッジ)、実際の寄付金などを一元管理し、感謝状のメール送付などを自動化するシステムを構築しました 36
  • 事例: Q Foundation: 新型コロナウイルスのパンデミック下で、家賃滞納により立ち退きの危機に瀕したクライアントに対し、既存のFileMakerアプリを迅速に改修。緊急の家賃支援金を迅速に発行し、数百人をホームレスの危機から救いました。これは、状況の変化に素早く対応できるFileMakerの俊敏性を示す好例です 37
  • NPOにおけるAI活用: 将来的には、FileMakerの新しいAI機能を活用し、寄付者への感謝状を個別にパーソナライズしたり、寄付額や頻度に応じて寄付者をセグメント分けし、ターゲットを絞ったアプローチを行ったり、過去のデータから寄付のトレンドを予測したりといった、より高度なファンドレイジング活動が期待されます 38

5.4 ユースケース・フォーカス: 在庫管理のマスター

在庫管理は、業種や企業規模を問わず全てのビジネスに共通する課題ですが、そのやり方は企業ごとに千差万別です。そのため、画一的なパッケージソフトでは対応しきれないケースが多く、FileMakerの独壇場となっています 39

  • なぜFileMakerが優れているのか: iOSデバイスのカメラを使ったバーコードスキャン、リアルタイムでの在庫追跡、過去の販売データに基づいた需要予測など、企業のニーズに合わせた機能を自由に組み合わせ、理想的な在庫管理システムを構築できるからです 31
  • 導入事例:
  • Harvey Water Softeners社(英国): カスタムアプリの導入により、年間100万ポンド(約1.8億円)のコスト削減を達成 37
  • Spikeball社: 在庫管理にかかる事務作業時間を90%削減 37
  • Once in a Blue Moose社(小売業): スプレッドシートでの管理からFileMakerアプリに移行し、年間200時間の事務作業時間を削減 39

これらの多様な事例から浮かび上がるのは、FileMakerが単なるデータ格納庫ではなく、**「ビジネスプロセス・キャプチャツール」**であるという事実です。その本質的な機能は、各企業が持つユニークで、しばしば文章化されていない、成功の核となる手作業のワークフローを、高い忠実度でデジタル化することにあります。樋口工業の現場管理プロセス、Ethel Dwyer中学校の生徒指導文化、Vistabule社のオーダーメイド製造フロー。これらはすべて、汎用的なSaaSツールでは再現不可能な、その企業固有の「型」です。FileMakerは、企業に変化を強いるのではなく、彼らが既に得意とすることを増幅させる。これこそが、FileMakerが提供する真の価値なのです。

第6章: 現代の競争環境 – FileMaker vs. 競合ツール

FileMakerの価値を正しく理解するためには、現代のローコード/ノーコード市場におけるその立ち位置を明確にする必要があります。この章の目的は、絶対的な「勝者」を決めることではなく、ビジネスリーダーが「どのツールを、どの業務に使うべきか」を判断するための明確なフレームワークを提供することです。

6.1 FileMaker vs. Microsoft Power Platform

  • ターゲット層: FileMakerは中小企業や大企業の部門レベルでの導入に強みを持ちます(G2のレビューのうち63.8%が中小企業から)41。一方、Power Platformは、Microsoft 365やAzureといったエコシステムに深く根ざした大企業(エンタープライズ)を主なターゲットとしています(同レビューの41.9%がエンタープライズから)41
  • 主な違い:
  • 連携性: Power Platform最大の強みは、Teams、SharePoint、Azure ADなど、他のMicrosoft製品とのシームレスな統合能力です 42
  • カスタマイズ性とUI: FileMakerは、より自由度の高いUIデザインが可能で、ピクセル単位での完璧なレイアウトが求められる場合に優位性があります。G2の評価でも、カスタマイズ性やWYSIWYGエディタの使いやすさで高いスコアを得ています 41
  • 展開(デプロイ): FileMakerは、クラウドだけでなく、自社サーバーで運用するオンプレミスという選択肢も提供します。Power Platformは基本的にAzureを基盤としたクラウドファーストのプラットフォームです。
  • 判断基準: Microsoftエコシステムに深く依存し、全社規模でのアプリケーション展開を目指すならPower Platformが適しています。一方、導入の柔軟性(特にオンプレミス)を重視し、特定の業務に特化した高度なカスタムシステムを中小企業や部門レベルで構築するならFileMakerが最適です。

6.2 FileMaker vs. Airtable & kintone (最新SaaSツールとの比較)

  • ターゲット層: Airtableやkintoneは、迅速な導入とコラボレーションを重視するチームや小規模ビジネスに最適な、Webベースのツールです 43
  • 主な違い:
  • シンプルさ vs. パワフルさ: Airtableはスプレッドシートの使いやすさとデータベースの機能を融合させ、非常に低い学習コストで始められるのが魅力です 44。対照的に、FileMakerは学習曲線がやや急であるものの、本格的なリレーショナルデータベースと強力なスクリプト環境を備え、複雑なビジネスロジックの実装が可能です 18
  • 展開(デプロイ): AirtableとkintoneはSaaS形式でのみ提供されます 45。FileMakerは、セキュリティポリシー、データ主権、あるいはコスト管理上の理由からオンプレミスでの運用が必須となる企業にとって、極めて重要な選択肢を提供します 45
  • UIの自由度: AirtableやkintoneのUIカスタマイズは限定的ですが、FileMakerはレイアウトを完全に自由に設計できます 45
  • 判断基準: チームレベルでのプロジェクト管理や簡単なデータ共有が目的で、何よりも使いやすさを優先するならAirtablekintoneが適しています。一方、特定のUI要件を持つ複雑なカスタムアプリケーションを構築する必要があり、オンプレミス展開の可能性も視野に入れる場合はFileMakerがその能力を発揮します。

ローコードプラットフォーム比較表(ビジネスリーダー向け)

以下の表は、各プラットフォームの戦略的な位置付けをまとめたものです。ビジネスリーダーが自社のニーズと各ツールの特性を素早く照らし合わせ、最適な選択を行うための指針となります。

項目Claris FileMakerMicrosoft Power PlatformAirtablekintone
主なターゲット中小企業、大企業の部門大企業 (Microsoft製品導入企業)チーム、小規模ビジネス中小企業、チーム (日本市場に強み)
最大の強み高度なカスタマイズ性、RAD、オンプレミス対応Microsoft 365との深い連携、企業統治機能使いやすさ、コラボレーション、スプレッドシート風UIワークフロー・プロセス管理、コラボレーション
展開モデルクラウド、オンプレミス、モバイル (iOS)クラウド (Azure)クラウド (SaaS)クラウド (SaaS)
最適な用途独自の基幹業務システム (ERP, CRM, 在庫管理)Microsoft 365の機能拡張、全社規模アプリプロジェクト管理、簡易データベースチーム単位の業務アプリ、社内ワークフロー
価格モデルユーザー単位 / 同時接続 (TCO重視)ユーザー単位 / アプリ単位 (複雑)ユーザー単位 (フリーミアム)ユーザー単位 (最低5ユーザーから)

第7章: 結論 – オワコンではなく、特定の分野を極めた専門家

本レポートを通じて行ってきた分析を総括すると、FileMakerは「オワコン」ではない、という結論が導き出されます。時代遅れという評価は、主に過去の古い情報や、一部の開発者コミュニティの価値観とのミスマッチに起因するものであり、プラットフォームの現状を正確に反映していません。現実のFileMakerは、Claris社による明確なビジョンと継続的な投資のもと、AIなどの最新技術を取り込みながら進化を続ける、現代的な開発プラットフォームです。

しかし、それはFileMakerが万能ツールであるという意味ではありません。むしろ、その価値は専門性にあります。一般公開向けのWebサイト構築や、Airtableのようなツールが得意とするシンプルなチームコラボレーションにおいては、FileMakerは最良の選択ではないかもしれません。

FileMakerがその真価を最大限に発揮するのは、**「中小企業や大企業の特定部門が、独自のデータ集約型・クロスプラットフォーム業務アプリケーションをカスタム開発する」**という、極めて明確な領域です。この特定の目的において、FileMakerは市場で最もパワフルで、柔軟性が高く、そしてコスト効率に優れたソリューションの一つであり続けています。

ビジネスリーダーへの最終提言

あなたの組織がテクノロジーの導入を検討する際、以下のフレームワークを判断基準として活用してください。

FileMakerを選択すべき時:

  • 独自の複雑な業務プロセスをデジタル化する必要がある場合。 市販のパッケージソフトウェアでは対応できない、自社特有のワークフローがビジネスの競争力の源泉となっている。
  • ユーザーインターフェースや操作性に、細部までこだわった要件がある場合。 従業員が毎日使うシステムだからこそ、直感的で効率的な画面設計が不可欠である。
  • オンプレミスでの運用を含む、柔軟な展開オプションが必要な場合。 厳しいセキュリティポリシーやデータ保管場所に関する規定、あるいは既存のITインフラを有効活用したい。

代替案を検討すべき時:

  • 主たる目的が、不特定多数がアクセスする一般公開向けのWebサイト構築である場合。
  • 非常に低い導入ハードルで、チーム内の簡単な情報共有やタスク管理ツールを求めている場合。
  • 組織全体がMicrosoft 365で標準化されており、開発するアプリケーションがそのエコシステムと密接に連携する必要がある場合。

FileMakerは、すべての問題を解決する魔法の杖ではありません。しかし、適切な課題に対して適用された時、それはビジネスを根底から変革し、持続的な成長を支える強力な「専門家」となるのです。

第8章: 付録 – FileMaker技術仕様一覧

本レポートで言及されたFileMakerの技術的な能力を、ビジネス上の意味合いと共に一覧できるよう、主要な仕様を以下にまとめます。これは、技術担当者がプラットフォームのキャパシティを迅速に把握するための参考資料です。

仕様項目上限値ビジネス上の意味
最大ファイルサイズ8 TB中小企業のデータストレージ需要に対して、事実上無制限。
テーブルあたりのレコード数6400京ビジネスの存続期間中にこの上限に達することはない。データ量が制約になることはない。
サーバーあたりのホストファイル数256 (v2023以降)単一サーバーで、部門ごとに異なる複数のアプリケーションを十分に運用可能。
同時接続数
FileMaker Pro/Go500 (テスト済み上限)ほとんどの社内チームにとって十分な数。パフォーマンスはアプリ設計とハードウェアに依存。
FileMaker WebDirect500~1000 (テスト済み上限)大規模な社内チームや、限定的なパートナー向けポータルには適しているが、高トラフィックの一般公開サイトには不向き。
サーバーOSWindows Server, macOS, Ubuntu Linux組織が既に利用しているサーバーインフラ上で展開できる高い柔軟性。
クライアントOSWindows, macOS, iOS (ネイティブ), 最新Webブラウザ真のクロスプラットフォーム対応。「一度作れば、どこでも動く」をチーム内で実現。

引用文献

  1. Is Claris FileMaker being discontinued? No. Let’s clear the rumor., 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/blog/2024/is-claris-filemaker-obsolete
  2. Why aren’t more companies using Filemaker? – Quora, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.quora.com/Why-arent-more-companies-using-Filemaker
  3. FileMaker Isn’t Being Discontinued: A Complete Analysis – Direct Impact Solutions, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.directimpactsolutions.com/en/is-filemaker-being-discontinued/
  4. Is Claris FileMaker being discontinued? No. Let’s clear the rumor. – Winsoft International, 11月 3, 2025にアクセス、 https://winsoft-international.com/is-claris-filemaker-being-discontinued-no-lets-clear-the-rumor/
  5. Claris FileMaker Cloud 2025 Coming Soon, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/blog/2025/fmc2025-release
  6. Claris Blog and Claris News, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/blog/
  7. Claris Product Announcements — FileMaker Community Groups, 11月 3, 2025にアクセス、 https://community.claris.com/en/s/group/0F90H000000Xx78SAC/claris-product-announcements
  8. Claris FileMaker Pro Release Notes – Claris Help Center, 11月 3, 2025にアクセス、 https://help.claris.com/en/pro-release-notes/content/index.html
  9. Claris FileMaker Pricing 2025 – TrustRadius, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.trustradius.com/products/claris-filemaker/pricing
  10. FileMaker Pro pricing – Claris Community, 11月 3, 2025にアクセス、 https://community.claris.com/en/s/question/0D50H00006h9Bj9SAE/filemaker-pro-pricing
  11. Risks Of Using Filemaker Pro : A Custom Software Solution – InterSoft Associates, 11月 3, 2025にアクセス、 https://intersoftassociates.com/services/risks-of-using-filemaker-pro/
  12. FileMaker Pro 19 Technical Limits – Claris Support, 11月 3, 2025にアクセス、 https://support.claris.com/s/article/FileMaker-Pro-19-Technical-Limits
  13. Claris FileMaker Pro 2023 Technical Limits, 11月 3, 2025にアクセス、 https://support.claris.com/s/article/Claris-FileMaker-Pro-2023-Technical-Limits?language=en_US
  14. FileMaker Go Technical Limits – Claris Support, 11月 3, 2025にアクセス、 https://support.claris.com/s/article/FileMaker-Go-Technical-Limits?
  15. Claris FileMaker 2023 Technical Specifications – Claris Support, 11月 3, 2025にアクセス、 https://support.claris.com/s/article/Claris-FileMaker-2023-Technical-Specifications
  16. FileMaker 2023: What You Need to Know – Direct Impact Solutions, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.directimpactsolutions.com/en/filemaker-2023/
  17. AWS and FileMaker Success Story: Chicago Public Schools Solution – 360Works, 11月 3, 2025にアクセス、 https://360works.com/article-detail/aws-and-filemaker-success-story-school-system-solution/
  18. Claris FileMaker Pros and Cons | User Likes & Dislikes – G2, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.g2.com/products/claris-filemaker/reviews?page=4&qs=pros-and-cons
  19. The Increasing Cost of FileMaker Business – Claris Community, 11月 3, 2025にアクセス、 https://community.claris.com/en/s/question/0D50H00006h95CMSAY/the-increasing-cost-of-filemaker-business
  20. The 12 Best FileMaker Alternatives To Consider in 2025 – Superblocks, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.superblocks.com/blog/filemaker-alternatives
  21. Claris Roadmap Update – Direct Impact Solutions, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.directimpactsolutions.com/en/claris-roadmap-update/
  22. Big news about the Claris roadmap., 11月 3, 2025にアクセス、 https://community.claris.com/en/s/question/0D53w00006E1NLmCAN/big-news-about-the-claris-roadmap
  23. FileMaker 2025: How Claris Is Redefining the Future of Custom Business Solutions, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.directimpactsolutions.com/en/filemaker-2025-how-claris-is-redefining-the-future-of-custom-business-solutions/
  24. Compare Claris FileMaker vs. Microsoft Power Apps in 2025 – Slashdot, 11月 3, 2025にアクセス、 https://slashdot.org/software/comparison/Claris-FileMaker-vs-Microsoft-Power-Apps/
  25. 6 Great Examples of Custom Business Applications Built Using Claris FileMaker, 11月 3, 2025にアクセス、 https://skeletonkey.com/6-great-examples-of-custom-business-applications-built-using-claris-filemaker/
  26. FileMaker Customer | Stories Impact and Reviews – Codence, 11月 3, 2025にアクセス、 https://codence.com/resources/case-studies
  27. Streamline your inventory management and workflows with a custom FileMaker app. – Claris, 11月 3, 2025にアクセス、 https://content.claris.com/claris_inventory_management_solutions
  28. How the Claris platform reduces school administrative burden., 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/blog/2021/how-the-claris-platform-reduces-school-administrative-burden
  29. 中小企業・零細事業所が Claris FileMaker を導入しIT化に成功するステップ – YouTube, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=tMwep0gkQB0
  30. Streamlining Business Operations with a Custom FileMaker Solution …, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.filemakerprogrammer.com/streamlining-business-operations-with-a-custom-filemaker-solution/
  31. Automated inventory management: top features and benefits. – Claris, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/blog/2023/how-to-manage-inventory-effectively-using-the-power-of-automation
  32. FileMaker Education Case Study: School Management System, 11月 3, 2025にアクセス、 https://content.filemaker.com/case-study/education-ethel-dwyer
  33. Build custom apps to make the most of limited education resources. – Claris, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/customers/stories/ethel-dwyer
  34. Claris FileMaker Case Studies & Customer Success | Cuspera, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.cuspera.com/products/claris-filemaker-x-5184/customer-story
  35. FileMaker in Education: From System Hangs to Easy Operations – Portage Bay Solutions, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.portagebay.com/customers/stories/filemaker-in-education-a-success-story/
  36. FileMaker Pro applications for non-profits – FM Associates, 11月 3, 2025にアクセス、 http://www.fmassociates.biz/non-profit.html
  37. Low Code Development – Application Integration Examples – Claris, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/customers/
  38. Boost Nonprofit Impact with AI – DB Services, 11月 3, 2025にアクセス、 https://dbservices.com/blog/boost-nonprofit-impact-with-ai
  39. LMD V2 Inventory Management Ebook 7, 11月 3, 2025にアクセス、 https://fmdl.filemaker.com/MISC/docs/resources/inventory-ebook/inventory-ebook-en.pdf
  40. Inventory control best practices. – Claris, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.claris.com/blog/2020/inventory-control-best-practices
  41. Compare Claris FileMaker vs. Microsoft Power Apps – G2, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.g2.com/compare/claris-filemaker-vs-microsoft-power-apps
  42. Power Apps Pricing | Microsoft Power Platform, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.microsoft.com/en-us/power-platform/products/power-apps/pricing
  43. Compare Airtable vs. Kintone – G2, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.g2.com/compare/airtable-vs-kintone
  44. Airtable vs Filemaker: Which Database Platform is Right for You? – Five, 11月 3, 2025にアクセス、 https://five.co/blog/airtable-vs-filemaker/
  45. FileMaker vs Airtable – Our 2024 Perspective – Portage Bay Solutions, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.portagebay.com/blog/filemaker-vs-airtable/
  46. Claris FileMaker vs Kintone | TrustRadius, 11月 3, 2025にアクセス、 https://www.trustradius.com/compare-products/claris-filemaker-vs-kintone
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