日本の雄、世界に誇る自動車メーカーであるトヨタが社運をかけて挑むスマートシティープロジェクトのWoven City(ウーブン・シティ)。総事業費は非公表とのことだが、Woven City関連の社債での調達額だけで5,000億円とされ、金額を見ても、都市のサイズ(70.8万m2)を見ても縮こまったプロジェクトではなく、今後の人類の生活の一部が実験的に行われることすらも期待されるほどの規模であることがわかる。
トヨタの研究開発領域の一端を担い、Woven Cityの自動運転技術の開発や実装、スマートシティのデザインを担うトヨタ子会社であるウーブン・バイ・トヨタの立ち上げ期から代表取締役を務めたジェームズカフナー氏が2023年9月に退任し、Woven Cityはまた新しい局面を迎えたと言えそうである。
本記事では、そんな世界規模のスマートシティープロジェクトであるWoven Cityが私たちの生活にどのように関わりうるのか、特に生活インフラ、モビリティ、そしてヘルスケアの観点からまとめてみた。

Woven City構想発足
2020年1月米国ネバダ州ラスベガスで開催された電子機器の見本市CESにて、トヨタから発表されたスマートシティプロジェクト「Woven City」。当時同社の代表取締役を務めた豊田章男氏が力強く英語で未来の街についてのビジョンを説明している。
都市の設計を担うデンマークの建築家、ビャルケ・エンゲルス氏より具体的な街並みについてプレゼンテーションがあり、みるものの心を奪う。近未来的でありながら、都市の中は緑で溢れ、ぜひ自分も住んでみたいと思わせる、そんな魅力的な街並みである。
Woven Cityは自動車メーカーであるトヨタが掲げる一つのプロジェクトでありながら、それだけでなくまるで我々人類の生活の未来を表しているような、そんな期待感も感じさせてくれる。
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/31170943.html
https://woven.toyota/jp/our-latest/woven-by-toyota-announces-changes-to-its-board-of-directors/
Woven Cityに実装予定のテクノロジーたち
Woven Cityではモビリティを12の領域(Mobility, Energy, Logistics, Agriculture, Food, IoT, Healthcare, Education, Entertainment, Payment Finance, Safety Security, Smart Home, Housing Office)と組み合わせて、「モビリティ=クルマや移動手段」という枠を飛び越え、モビリティがヒトのためにできることを増やしていくことをビジョンの一つとしている。
ここでは、実際にWoven Cityに実装予定・活用予定のテクノロジーを見ていきたい。
https://www.woven-city.global/jpn/services/
自動運転 e-Palette
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/20508200.html
2018年に構想が発表され、2021年の東京2020オリンピック・パラリンピック大会では選手村の巡回バスとして運行が行われたe-PaletteはWoven Cityに実装されるテクノロジーの一つとして一番にあげられるだろう。トヨタが掲げるモビリティカンパニーへの変革の象徴的な存在である自動運転技術搭載のe-Paletteは10年もしないうちに私たちの生活に無くてはならない存在になる可能性がある。
実際既にカリフォルニア州では完全無人の自動運転タクシーが承認されており、街々を人が運転しない車で溢れ返る未来はそう遠くなさそうである。
https://toyotatimes.jp/toyota_news/115.html
https://wired.jp/article/robotaxis-cruise-waymo-san-francisco/
完全栄養食の提供
私たちの身体を形作る栄養もWoven Cityの中では次世代のものになる想定だ。日清食品とトヨタはWoven City内での食を通じたWell-Beingの実現に向けた実証を行うとのプレスリリースを出した。
現在BASE FOODをはじめ、完全栄養食を題した食材はどんどん私たちの身近なところに提供されている。近未来ではさらに食を通じた健康が街単位でコントロールされることが期待される。

デジタルツイン技術を活用した街づくり
街の設計や工事は当然ながら、時間がかかり、手戻りは避けたいものである。Woven Cityではデジタル空間に街を作って、そこでシミュレーションを行った上で実際の工事に着工するなどデジタルツイン技術を用いた街づくりが行われている。
Woven City内のe-Paletteによる自動運転をデジタルツイン上で実現したことが2023年7月にトヨタイムズのYoutubeで公開された。デジタルツインによってe-Paletteの自動運転シミュレーションも容易に行うことができるそうである。
おわりに
Woven Cityで実装される技術はまだまだ公開されていないものも多くある。今後新たな技術が紹介され、活用されていく様子を楽しみにしていきたい。
